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いや〜、めっちゃくちゃ面白かった〜!!
小林典雅先生のファンタジーを読むのは、初めて。
実はこちらの作品、一度読み始めた時10ページぐらいで脱落していたものでして、、
多分初読時はファンタジーの気分じゃなかったんだろうな、と。
今回意を決してもう一度読み始めてみて、本当に良かった◎
受け君の「面倒くさいことはなるべく回避!」な思考には笑っちゃうし、仔狼は可愛いし(小山田あみ先生の挿絵、最高…✨)で夢中になって最後まで読んじゃいました。
挿絵全て最高of最高なんですけれど、個人的に一番のお気に入りは、仔狼くんがフランからの離れまいと必死にフランの足にしがみついてるシーン!かかか可愛すぎだよーう!……とひとり内心大興奮でした。
のび太みたいに面倒ごとを避け、できるだけ楽して生きていこうとする純情受けフランと仔狼に姿を変えられた毒舌男、そして美貌の妖精男子…この3人の珍道中が面白すぎて、終始にやけながら読書。
仔狼だから人間みたいに話せないんですが、狼の言いたいことをことごとく勘違いして明後日の方向に捉えるフランが本当おかしくて。
倒れてしまった魔女のばあやを救う薬を求めて、3日間の短い旅。
しかし短いながらも様々な出会いと出来事を通して成長していくフランの姿が可愛く頼もしく、一気に最後まで読んでしまいました。
欲を言えば、2人がくっ付いたところで終わっているのでその後のお話も読みたかった!
そちらは頑張って妄想で補おうと思います( ̄∀ ̄)
二人の姉の駆け落ちで、繰り上げ次期国王候補になってしまった王子フラン。
優秀な姉たち比べて、のんびり毎日のお昼寝を楽しみに生きてきたフランは、なんとか自分が国王になるのを阻止できないかあの手この手で説得しようとしますが失敗。
花嫁探しの舞踏会が開催されることになり─。
舞踏会の最中、対応に疲れてバルコニーで魔女のラフェルテ(ばあや)とともに休憩することになったフラン。
思い出すのは姉の婚約者のフェリウス殿下のこと。
姉の誕生日に年一回しか会ったことはないけれど、物腰柔らかく、文武両道で誰に対しても紳士的なフェリウスはフランの憧れでした。
自分が姉の立場だったら、絶対フェリウス殿下を選ぶのに、と納得がいってなかったフランはばあやとともに「実は殿下にとんでもない悪癖があるのでは?」と考えます。
完璧すぎるフェリウス殿下を袖にするなんて、どう考えてもおかしいから。
そんな話をしていたところ、バルコニーの下に謎の男が現れて、フランとばあやは罵詈雑言を浴びせられます。
やれボンクラだとか、やれババアだとか。
フランが穏便に済ませようとしても、謎の男の暴言が止まらず、男はばあやの魔法で子狼にされてしまいます。
フランの手の届かない場所に逃げたりすると、死にそうになるぐらいの頭痛がするというおまけ付。
そして魔法を使いすぎて倒れてしまったばあや。ばあやを助けるには特別な薬が必要になります。
その薬を取りに行くために、フランは初めて一人と一匹と、護衛の妖精付きで旅に出るというお話。
おとぎ話のような設定のファンタジーでしたが、小林典雅先生らしく優しく可愛くえっちなお話でした〜!
途中までずっと狼の謎の男。ウルヴァーと名付けられます。
フランに心からの謝罪をしなければ人間に戻れない魔法がかかっています。
ちょっと反省するとケモミミ付きの二歳児ぐらいの人間になったり、十四才ぐらいの少年になったり…上手いな〜と思いながら読んでいました。
このウルヴァーが攻めなんですけどね、罵詈雑言浴びせたり、始めの方は敵意むき出しだったりするんですけど、なぜか憎めない。
子狼の姿だからなのか、フランがそこまで落ち込んだりしないからなのか、態度が悪いとフランが距離を置いて頭痛というお仕置きをされるからなのか、なんだかちょっと「攻めかわいそう…」になってくるから不思議です笑
攻めの正体、読者はすぐ気付くと思いますがフランは途中まで気付かず、いつになったらラブになるんだろう!?と今か今かと待ち構えてました。
人を疑うということをしないフランは、旅の途中で騙されたり襲われたりします。
その都度、寛大な心で許そうとするフラン。
優しすぎる。
舞踏会に来てた母娘の母親(サキュバス)に無理やりキス(とは言いたくない)されて、その唾液の効能で身体が熱くなってしまいます。
その熱を治めるために、狼姿のウルヴァーに攻めフェされたりア○ルを舐められたりして慰められます。
「消毒のキス」の流れ最高でした…!
正体を明かしたウルヴァーもとい、フェリウス殿下。
あんなつれない態度はどこへやら、実はお互い好きだったと分かるとめちゃくちゃ甘くて優しくなります。
典雅先生らしい溺愛攻めで大好きです!
フランもぽやぽやしてるけど天真爛漫でめちゃくちゃ可愛い。
サキュバスにフランのファーストキスを奪われてなければ文句なしに☆5なのですが、個人的にもやもやしたので☆4.9でお願いします。
王太子になったのんびり王子のはじめての試練
次期国王となるはずの2人の姉姫がそれぞれ駆け落ちしてしまった為、急遽王太子になってしまったフラン。
花嫁探しの舞踏会で疲れ果てついつい、養育係のばあやで魔女のラファルテに愚痴を言っていると、いきなり現れた仮面男に罵詈雑言を浴びせられます。
それを聞いたラファルテが激怒し、魔法を乱発し、真摯にフランに謝罪しないと元に戻らない魔法をかけ仮面男を仔狼に変えた挙句倒れてしまいます。
齢700歳と高齢のラファルテがこのままでは危ないということで、ラファルテの里へと薬をとりに行くことになってしまうのです。
フランの手の届く範囲から離れると頭痛に苦しむ魔法をかけられている仔狼(ウルヴァーとフランが命名)と母の契約する騎士精霊シルヴァリーデューの3人?で箱入り王子は無事辿り着けるのでしょうか。
そして、仮面男は誰なのか(すぐに想像つくのですが)、罵倒してきた原因はなんなのかと、珍道中が始まるのです。
フランは大国の第一王子ですが、長子相続で2人の姉がおり、2人共が優秀で王位継承の可能性は殆どないため、のんびり嫌なことからはうまく逃げ、昼寝が大好きな王子に育ちました。
そんな中、5年ほどの間に相次いで姉が婚約者を差し置き好きな相手と駆け落ちしてしまい、王太子になってしまうのです。
まさに青天の霹靂。特に次姉の婚約者フェリウス(攻め)はフランの憧れで義兄になるのを楽しみにしていたので残念がります。
甘やかされて育った割には素直で、他人を貶めたり蔑ろにしたりはしません。
罵倒してきた仮面男も仔狼の状態ではじめはやさぐれ反抗期わんこだったのが、自分のために宿屋に泊まるのを諦めて納屋で泊まってくれたり、危害を加えようとした相手にも温情を与えたり等々、フランと人柄に接するうちに態度も軟化していき、仔狼が犬耳尻尾つきの幼児になったり少年になったり、また狼になったりとさまざま変化しながら旅を続ける過程がとても楽しいです。
フランは自分が楽をするためならスルスルと口から出まかせだったり、理論武装したりするのでそれもまたとても楽しいです。
母である王妃にはばれていて、彼のためという前提ではあるけど、楽になる道を潰したり甘やかそうとする父王の舵をきちんととっているのも楽しいです。
そして最後に味方してくれるのも王妃なので、この国の一番の権力者は王妃なのだなあとつくづく思い知らされます。
なんともぽやぽやした王が誕生しそうですが、優秀な婿を迎え、性根の良い王が周りに大いに支えられて良い治世になるのではないでしょうか。
ラファルテには長生きしてもらって、これからもフランのわがままに付き合ってもらいたいものです。
とても楽しい話でした。
既に皆様が素敵なレビューを書かれているので、私はまったくの個人的感想に走らせていただきます。
大好きな小林典雅先生に大好きな小山田あみ先生のタッグなら買うしか無い!と電子で購入しましたが、どうにも我慢出来ず、紙本も購入してしまいました。その結果、honto様と中央書店様とで電子と紙の両方の特典を入手でき、甘々で胸がいっぱいです。電子特典はサプライズプレゼントのお話で、紙特典は文通のお話でした。
これは「王子ですが、お嫁にきました」から続く小林先生の王子シリーズだと勝手に思っていましたが、「王子ですが」のおしゃべりシマリスのピム、本作の仔狼ウルヴァー(二歳のケモミミウルヴァーもたまりませんが)ときて、「小説ディアプラスもふもふ特集アキ号」にも、なんとまたまたシマリスが登場!実はもふもふシリーズなのではないかと思い直しているところです。もちろん、次のもふもふ本が発売になったら、迷わず買わせていただく所存です。
それにしても小山田先生のW王子は本当に眼福ですね。あと、愛すべきポンコツ王子フランの、いかにも育ちの良い、丁寧な話し方も個人的ツボでした。ビタミンBLごちそうさまでした。
ラブコメファンタジー
「王子ですが、お嫁にきました」と内容に絡みあり
大きな山場なく、展開先読みしやすい疲れないラブコメ
ルドヤード:父王
アドミラ:母妃
フラン・ローゼミューレン:18才 ダートシー王国王子 三人姉弟の末っ子
母似の美貌 父似のぐうたら・・姉達の出奔で王位継承者になる
乳母の薬の為に魔女の郷へ試練の旅に出る
リリティア:7才上の姉 侍女と出奔
クローディア:2才上の姉 竜人と駆け落ち 連れ戻し失敗
ラフェルテ:700才 面食いの恋多き魔女 フランの乳母 魔術の後、昏睡
ダルブレイズ:350才 国王付の魔導士 妻帯歴あり
シルヴァリーデュー:母妃の騎士妖精 イオルク村出身
黒マントの男/ウルヴァー:素性不明の侵入者 美男
「婆とぼんくらは●して寝てろ」の罵詈雑言でラフォルテを怒らせ狼にされる
物語中ほどで、素性が分かってくる