従順なフリをしたド執着優等生×高飛車で不器用なご主人サマ

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表題作かわいそうなご主人様

川上景 大学生(中学生→高校生)
篠田理央 大学生(中学生→高校生)

その他の収録作品

  • 描き下ろし:「いいなりのご主人様」
  • あとがき
  • 初期キャラクターデザインラフ

あらすじ

「たくさん傷ついて最後は僕のところに戻ればいいんだ――」

傲慢で高飛車な性格の篠田理央は、
幼い頃から無口で根暗な幼馴染・川上景につきまとわれてきた。
ある時から景の「ご主人様」としてふるまうようになったが、
二十歳の誕生日を境にその関係は逆転する。

「これからは――
僕がお前を飼うんだよ」

精神的にも肉体的にも征服され、
与えられる快楽に逃避して現実を忘れようとする理央だったが
少しずつその関係性は変わっていき…?

描きおろし後日談16P&初期キャラデザ解説収録!


■収録内容
・「かわいそうなご主人様」第1話…『フェチH BLコミックアンソロジー』掲載
・「かわいそうなご主人様」第2話…『確かに恋だった お題で紡ぐエモーショナルBLコミックアンソロジー』掲載
                 「かわいそうなご主人様 これが僕の愛し方だよ」を改題
・「かわいそうなご主人様」第3話~第5話…COMICフルール連載作品を加筆修正
・「いいなりのご主人様」…描きおろし16P
・「初期キャラクターデザインラフ」4P

作品情報

作品名
かわいそうなご主人様
著者
所ケメコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
フルールコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784046829795
3.7

(12)

(3)

萌々

(4)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
44
評価数
12
平均
3.7 / 5
神率
25%

レビュー投稿数5

少し歪な共依存、2人だけの主従関係が美しい

景× 理央


所ケメコ先生の画力が上手くなって、
進化がすごくて、もう圧倒的に綺麗!

魅力満点の個性が光る
闇深い忠犬攻め・景と、
強気で美人で不憫受け・理央。
大学生の2人の幼馴染の絆から愛までの過程が、
ゾクゾクとドキドキして、
同時に優しい愛も満ちていて、
心がポカポカする瞬間にもあって、
安心して読み進められる。
少し歪な共依存の
2人だけの主従関係を心ゆくまで堪能できた。


理央、
高慢で自尊心の高い美しい顔が、
足が不自由で杖を使わないといけないことに心が刺さる!
優秀な兄との比較され家族に認められない。
実は構ってほしいという気持ちがある。
強がりながらも、努力が空回るばかりで、
心は傷だらけの彼には、
小さい頃からずっと付きまとう忠犬のような景がいる。
ただ景の「ご主人様」として、
景の服従に頼って、優越感に浸る日々を送っている。
内面は繊細で、景に触れて、何かが変わっていくのが見える。

あふれるほどの景の狂気で、ちょっと鳥肌が立つ冒頭だけど、

2人の視点で進行していて、

すぐに景の心理が明らかになっていく。
最初は歪んだ愛情表現しかなかったけど、
その後ちゃんと優しくなる。
理央のことを見透かして彼の奥までよく見ている。
ただ愛がデカすぎる。

執着のツボを押さえているのは、
景の独占欲の塊が、
自分からアプローチじゃなく、
計画的な言動でこっちに引っ張ってくること!
絶対に理央を自分に堕ちさせるという断然の決心にゾッとする!

そんな景の高荷重の執着に答える
本能のままに、欲望をぶつけて、
体の欲張りと心のプライドの境界線で揺れ動く理央にうっとりしてしまう!
ちょっとずつ変わっていく理央の本物の愛も感動もの!

2人とも寂しい心を抱えていて、
お互いを癒し合って、救われていくのがまた心に響く。

小学時代、中学生時代、高校時代のエピソードも描かれていて、
かなりストーリーに引き寄せる。

胸を打つセリフ、心理描写も素晴らしい。
2人の脆さと強さを見事に描いていて、
2人の関係性が切ないけど美しくて、
読み終わった後、2人の未来について考えた。
最高な愛が芽生えている感じがしました。

4

かわいそうで可愛くてたまらない

高飛車で不器用なご主人様理央と、無口で根暗な幼馴染の景、子供の頃から大学生、その後まで描く拗らせ激重幼馴染BLです。

この作品、1話2話がアンソロ掲載、3話〜5話が連載されたものなので3話〜スタートでも話が分かるようになっています(もちろん1話2話を知ってたほうがより深まる!)
理央と景、それぞれの視点でお話が進んでいくのもすごく面白いです。

ご主人様と飼われる存在だった2人ですが20歳の誕生日を堺にその立場は逆転します。
ここからがすごい、無口で根暗どころか実はハイスペだった景が理央を征服していきます。
景、拗らせすぎ、激重過ぎる執着ですが、それがこの本の見せ場!
支配されてからの理央はとことん可哀想で、見てられないくらいなのに可愛くてどんどんキレイになっていく不思議。

景の行動は無茶苦茶ではあるのですが、長いこと抱えた愛ゆえなんですよね。
景の視点、理央の視点があるのでその辺はきちんと分かります。景の視点がなかったらちょっと怖いよ。
理央もそれはちゃんと分かっていて…
お互いにお互いしかいない、素晴しい共依存の世界。

本編はすっきり終わっていて、描き下ろしでイチャラブな2人が見れます。
なかなか素直にイチャイチャしてくれない2人がラブラブしてるのは最高です。
理央はとーっても可愛くて、景が理央を大好きなのもよく分かって本当に幸せな気持ちになりました。

先生の絵はとにかく美しく、エッチシーンは美しくエロいです。
可哀想で可愛い、新しい扉を皆さんにも開いて欲しいです。

3

歪んでる攻めと高飛車な受け

攻めの歪んではいるけれども受けのことを思ってるところや、受けの高飛車な性格がなぜか可愛いく思えるところなど萌えながら読むことができました。

人によって基準は違うと思いますが、個人的には攻めはヤンデレまでは行きません。ですが、歪んでいて執着強めな攻めだなと思いました。
攻めは歪んだ思いを抱えつつも、受けの幸せを思いやっています。それについて、萌える派ともうひと超え病んでほしい方に分かれるのではないかなと思います。

受けですが、実際に近くにいたら受けが抱えているものや強がっている姿がわからないと思うので好感を持てないタイプだと思います。ですが、攻め視点があることで受けの繊細さを知ることができたので、攻めの言う可哀想でかわいいが理解できた気がしました。

2

前半は本当に受けがかわいそうでギュッとなった。

元々、アンソロの作品だったそうです。
1話はこのお話の概要みたいで、大まかな2人の関係性が描かれており、2話以降2人のエピソードを掘り下げていくスタイルでした。


受けは足が悪く、不器用で実の家族からも疎まれており、かつその癖のある性格のせいで周囲とも上手くやれていない。
けれど、そんな受けにも唯一、ずっと従者のように傍に着いているのが攻めだ。
受けは、攻めが自分よりも劣っていると思っていたが、二十歳の誕生日に立場が逆転してしまう。


実は攻めは、受けの父に頼まれ、ずっと傍で面倒を見続けてたのである。

攻めは、学力などすべて受けの低いレベルに合わせて物足りなかったことなども告白し、ショックを受ける受け。


うわぁ! って心痛くなるシーンでしたが、救いは攻めがそんな癖強な受けも可愛いく、愛おしく感じ、愛を与え続けるところでした。

後半では受けも成長し、長年確執のあった家族とも上手く行くようになり、本来の気高い受けの姿に変化していく様はとても安心して読めました。


主従関係があったと思ったら実は逆転してた。
腹黒攻めが好き。
ツン受けが好き。
そんなお話が好きな方にはオススメな1冊です。




0

歪み愛

理央が辛辣な言葉と態度で景に接している、苦しくなってしまうようなところから始まるお話でしたが。
どちらか片方ではなくてそれぞれが歪んでいることがわかっていくような展開に、最初に感じた苦しさはだんだんと薄れていったかなと思いました。

幼い頃から理央の後ろにいて、彼からの酷い扱いに嫌な顔もしない景。
その顔色ひとつ変えない様子になんとも言えない不気味さがあって、たとえそれが理央の親から頼まれたことだったとしても景自身の感情がわからないことがすごく怖かったので
理央の二十歳の誕生日を境に解き放たれた景の本性を見て、彼にもきちんと心があることがわかって逆に安心してしまったところはありました。

その関係性が変わってもふたりが対等の立場になるわけではなく、どこまでいっても"普通"からはズレているけれど。
景はもちろん理央も一緒にいることを自ら選択するので、歪みながらも美しいところに辿り着いたように感じました。

切なくてツラい部分もありましたが、モヤモヤすることなくふたりの幸せを見守ることができた作品でした。

0

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