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大きな事件や出来事があるってわけじゃなく、派手なストーリーでもない。でも物語の中に渦巻く恋愛を軸にした想いはすごく濃厚で、この心理描写勝負のようなストーリーを描くにあたり、作者さんは大変だったんじゃないかと思いました。
ホームレスの男性と身体の関係を持った年下エリートイケメンの恋のお話ってところでしょうか。お金を介した割り切った関係だったのに、次第に好きの気持ちが混ざっていく正木のタカへの熱量に注目なストーリーです。
ホームレスのタカにのめり込んでいく正木のアプローチがシンプルに熱烈。表情にはあまり出ないけど、タカへの熱視線や好意のアピールが分かりやすくて、ドキドキします。それに戸惑うタカとの対比が、最初は温度差あるんですが、その差異がなくなっていく流れがすごく良かったです!
そんな良い感じの雰囲気になっていく中盤。実はここからがこの作品の一番の見せ場の部分で、核心に迫っていくことになります。
恋愛のことが(いや、人付き合い全般かな)分からない男と、人生を詰んだような男との恋愛は、不器用さと臆病さで、うまくパズルのピースが合わないもどかしさに行き着きます。両想いの感情が訪れたとしても、そこがゴールじゃないんですよね。完全にはハマらない置き場のない違和感が2人を遠ざけてしまうことに切なくて胸が苦しくなってしまいました。
"好き"の感情まではいい。だけどこの先が2人にとってすごく難しい局面で、価値観の違いだったり、育ってきた環境や生きてきた経験だったりが、2人の"好き"から先の行動に干渉していきます。
正木の恋愛下手なところが引き金になった案件なのかもですけど、タカの臆病さの方がむしろストッパーになってる感じです。恋愛関係を先に進むのを怖がるタカの心を懐柔しないことには、この2人の関係に明日はない。
ホームレスにまでなった過去を思うと、タカの気持ちはそう簡単に絆されてくれないので、正木から逃げるタカに焦ったく感じましたが、逃げるってことは正木のことを相当に好きになってる証拠だとも言えます。
不器用なのは正木かと思ってたけど、タカの方も不器用で、似た者同士だなとちょっとだけ微笑ましくなりました(^ ^)
難しくて複雑な感情の描きがとても繊細で丁寧で、すごく面白かったです。
年下のアプローチ、年上ホームレス…見たことないカップリングにワクワクしましたし、しっとりとした感情は胸に響くものがありました。
読後感は言わずもがな、最高です。
落ち着いた心理描写メインの作品を読みたいときにオススメしたい作品です^ ^
ハイスペスパダリ系に見えて人としての常識というか情緒がどこか欠けているリーマンの正木と現状を楽しんでいるようにすら見える掴みどころのないホームレスの孝彰
表面的に見ればイケメンでハイスペでBLによくいる優秀な攻めのように見える正木が恋愛はもちろん人間関係を構成するのが本当に不器用で、そのくせ孝彰を捕まえるべくグイグイいくので言動に予測がつかずあまり見ない暴走キャラで愛しかったです!後半になるにつれ周囲ともうまく付き合えるようになったり1人で生活をできるようになっても孝彰を側において助けたいという気持ちが一貫して変わらず暴走気味だったのが可愛い。
そして最初は暴走気味な正木と浅くうまく付き合って飄々としていた孝彰が実は孤独に震え、大切な人ができて失うことを恐れて寂しい気持ちを抱えているのが徐々に見え隠れして暴かれていく過程がとてもとてもよかったです。
傷つくのを恐れ逃げてしまえる孝彰だからこそ不器用にも繋ぎ止めようと必死に攻めれる正木でよかった。とてもピッタリくる2人で読後はほっと心が温かくなりました。
【全身で甘やかされてるみたいで、勘違いしそうになる(良太)】
エロス度★★★★
おやおや・・・年下のエリートリーマンがウリ専をするホームレスのおっさんにハマってしまう恋模様が凄く良かったです。
長い夜を眠れずに過ごす良太が出逢えた傍に居て安心できる人。
生き方も価値観も違うけれど、無自覚に孝彰に対して執着していく良太がたまらないです。
好きを自覚してからは孝彰に意識して貰うために頑張る良太の健気さがツボり、まあまあ、恋の仕方が分からず不器用な年下攻めがなんともキュンとしますね。
落ちてしまったからこそ孝彰がとった行動、孝彰のために変わろうとする良太が尊いです。
年下エリート社員 × 体を売ってるホームレス、という異色の(?)カップリング。
絵柄がとても綺麗で、試し読みで惹かれて購入してみました。
…しかし受けのタカ、作中では”おじさん”ってことになってるんですが(37歳)、「綺麗な顔したお兄さん」のような…;
以下、ネタバレありのレビューとなります↓
主人公はエリート社員の正木。幼い頃から父に”完璧”を求められ、周囲の期待に応えようと努力を重ねてきた人物です。
そんな正木ですが、昼間の公園で出会ったホームレスと、一晩のために買った相手が同一人物だと分かり動揺。
しかしいざコトに及ぶと、全身で甘やかされているようでとても心地よく、その後も継続的に関係を持つようになりー
と続くお話です。
本気で好きになった相手なのだから、「自分のお金を使って欲しい」と思う攻めと、そんな歪な関係は互いにとって良くないと考え、姿を消す受け。
二人のすれ違いが切なく、”自分が惨めだ”と感じるタカの気持ちに共感して心が痛くなりました。
それでも「心配なのでお金以外のことはやらせてくれ」と頼み込み、タカに縋った正木。こんな熱のある目で見つめられ愛を囁かれたら、そりゃ落ちちゃうよね (*´艸`*)
攻めの粘り勝ち!が心地よく、正木と晴れて恋人になったことで前向きに一歩進もうとするタカの姿もとても良かった◎
お互い”天然たらし”なところがある10歳差カップルの同棲生活を想像してニヤニヤしてしまう、そんなエンディングでした( ̄∀ ̄)
エリート会社員×ホームレス。
仕事もできて周囲からも羨望の眼差しを受ける会社員の正木は
その華やかな表の顔とは裏腹に、不眠症に思い悩んでいました。
ある日、公園のベンチで寝落ちした正木は
ホームレスの男の膝枕で目を覚まします。
そして、その晩、睡眠不足解消のためにデリヘルを呼ぶと、
相手は昼間のホームレス・タカで…。
はじめは傲慢エリートに見えた正木ですが、
蓋を開けてみればそうではなく、世間知らずで純粋。
だからこそ、恋を知ると相手がホームレスだろうとまっしぐらに
追いかけてしまうワンコみにキュンとしてしまいました。
本人にとっては真面目に好意をアピールしているのに、
それが裏目に出てしまう不器用も相まって可愛さ倍増でした!
対するタカは見た目はくたびれているけれど、ベッドの上ではエロエロ///
だけど、飄々とした表面のその内には傷を抱えていて人生をやり直すことも、
正木との恋も、逃げ腰で臆病でもどかしさにじれじれしてしまいました。
だけど、どんなにタカが逃げようと、どこまでも追いかけて縋る正木。
ときに空回りしてしまうし不器用だけど、ほんとナイスファイト?でした…!
彼と出会えたからこそ、救われたんだなぁと最後はじわりときてしまいました。