電子限定かきおろし付
あるじゃないですか、「こんなシチュめっちゃ好きなんだけど名前がない…回りくどく説明してもわかってくれなそう…」と長年悩んできた性癖。そんな私の中の性癖に、ひとつ名前が付きました。
『処女返り』
意:性行為の経験が豊富で自分の数多の経験に驕っている身体的びっちな受が初恋などにより引き起こされた攻との未体験セックスにより自分の制御できない快感に戸惑い、驚き、怖がるなどといった精神的処女の反応をしめすその概念のことである。(作品本文引用)
経験豊富な受けは見たいんです。経験を振りかざして余裕な表情で攻めに乗って好き放題動いている受けが大好物です。その反面、処女も大好きなんです。初めては攻めであってほしいし、攻めの一挙手一投足にビクビク怯えて性技に翻弄される受けは至高の一品です。それらを一気に摂取できるのが『処女返り』だと私は思います。
本作品は、セックスを他者理解に最も都合が良い究極のコミュニケーションだと捉えている黒川(受け)がお人好しの白崎(攻め)に絆され、恐怖を覚えるほどに気持ちいい思いをさせられる、いわゆる「わからせ」ものです。私は、この「恐怖」という感情に非常に興奮します。これまでセックスの場で、全てを俯瞰して常に主導権を握っていた受け。全てを意のままに操れると自負していたセックスの主導が急に自身ではなくなり、相手に全てを握られる感覚は、まさに恐怖でしょう。自分を生かすも殺すも相手次第。容赦なく浴びせられる快楽にびしゃびしゃに泣いて前後不覚になる黒川はたまらなくえっちでした。身体を許して憎からず思っている相手のことを「怖い」と思うこのちぐはぐさを大切にしていきたい。
攻めも負けていません。お人好しなのにドS。半端ないドS。受けに嫌なことはしないって最初に約束したのに、最中に「いやなことはしないって……言…った、よな」と受けに息も絶え絶えに言われた時、「…うん、ごめん」と謝り、そのまま続行して受けをグズグズにしてしまったシーンがあります。この時、私の心の観客が総勃ちで湧きたっていました。まさにスタンディングオベーション。やめてと言われてやめちゃう攻めも好きですが、謝るだけ謝ってやめない攻めはもっと好きです。
受けがセックスを通して他者理解をしようとしていた理由も、巻末の描きおろし部分で「あぁ!そういうこと!」となりました。ネタバレはしませんが、とりあえず1周目を読んでもう一度最初から読むべき作品だと思います。
新本先生が描かれる受けは身体と所作がしなやかでとてもえっちです。あと個人的に目にハイライトのない受けが大好きなのですが、全てを見透かしているような目を見開いて快感に驚き、涙を流して快楽に耐えている姿はこの国の宝だと思います。
紛うことなき、性癖の宝箱です。是非、ご一読ください。
Xのタイムラインでよく見かけた「処女返り」とは…。
ビッチが初恋相手にめちゃくちゃ感じちゃうことらしいです。しかも恋をしていることに無自覚。
なんでなんでなんで?どういうことなの?と受けの黒川と一緒に読者も読み進めていける物語になっています。
新本浦子先生の作品は過去作「愛おしいからもう一度」も「俺の有害な異世界」も「児島くんの思うがまま」もどれを読んでも独特な設定と物語運びに、あっと驚くエンディングだったので、ネタバレなしで読んで欲しいものばかりでした。
そして新作の「次の空白を埋めよ。」は、物語・設定としてはよくありそうなお話ですが、とにかく漫画としてのコマ割りやモノローグ、どう展開させるのだろうと思ってしまう物語運びは健在です。
物語の視点が受けと攻めとコロコロ変わっていくし、細かいネタやさりげない伏線や思わせぶりなセリフなどもあり、少々分かり辛いところもありますが、あっという間に読み進めてしまいます。
物語は受けの黒川と攻めの白崎がセックスしている場面から始まります。まさにいきなり「処女返り」しています。ふたりの表情や状況がどんどん変わっていく様子や気になっていく、好きになっていく姿が楽しく読めます。読む前のイメージとふたりのイメージがかなり変わっていきました。
黒と白という名前と髪の色からして、腹黒とピュアっぽく感じられるキャラですが、実際はどうかな?わりと白崎も悪い男っぽい顔を見せるので、実は…という様子を見るのも楽しいです。
きっとふたりは黒川が振り回すように見せながらも、白崎が主導権を握っていくような気がします。
今作はあまりビックリするエンディングではなかったですが、黒川の正体がわかるところで「なるほど、だからあれだけのことをしていたんだな」と納得できた感じでした。
けっきょく、タイトルの「空白」はなんだったのか。
モノローグの□の気持ちのこと?最後の答えとし「初恋」ってこと?頭の中は「黒川」で埋め尽くされたってこと?最後のちょっと消えているセリフ「 」ってこと?
何度も読み返して答えを考えていきたい作品でした。
新本浦子先生の性癖爆発の1冊でした。
願わくは、黒川が恋自覚してからの処女返りも読んでみたかったです。
次作もどんな驚きがあるのか今から楽しみです。
美人受けが大好きです。しかも黒髪眼鏡!
そして処女返りなんて、パワーワードが並びすぎてます!!実は読んでから1ヶ月くらいたっているのですが、ずっと黒川美人だったな〜と、忘れられずにいて、読み返すと、そうそうれこれなんだよ!!と気持ちがさらに盛り上がり、レビューしに来ました。
タイトルの付け方がとてもひねりがあってとても興味をそそられました。
白崎の知らない黒川を、一緒に知って行くことができて幸せでした!
次作が楽しみです!
とにかくえちえちシーン盛りだくさんで、読み終わったあとの満足感がハンパないです。
もしかしたら、非処女の受け自体がBLでは珍しいので、少し心配という方がいらっしゃるかもしれませんが、直接的な描写は心配しなくて大丈夫な程度でした。
それよりも2人の関係にしっかりとフォーカスが当てられているので、処女返りの良さをすごく感じられると思いますჱ̒˶ー̀֊ー́ )
続編がど〜〜しても読みたいので、何卒リブレ様宜しくお願いいたします( ; ; )皆さんもぜひ是非読んでみてください!!