愛する人にそばにいてほしい。 迷うふたりの生き方が心に響くリーマンBL

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そして長い夜が明けたなら 上

soshite nagai yoru ga aketanara

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表題作そして長い夜が明けたなら 上

根津恭介
リーマン,西片と同い年の会社の後輩,30代
西片遼馬
リーマン,クローゼットゲイ,30代

あらすじ

東京で働く西片は周囲にゲイであることを隠しているクローゼットゲイ。
三十代になり、気ままに生きていこうとしていたが、同い年の後輩・根津から転職すると聞かされ、思いのほかショックを受ける。
優秀な根津と同じチームで働き、仕事終わりに飲みに行く時間は心地良かったのに…。
すると突然、根津にキスをされ「自分もゲイだ」と打ち明けられて――…。
流されるように始まった関係、でも一緒にいると満たされる何かがある。
穏やかなこの関係が続けばいいと願う西片だったが…。

愛する人にそばにいてほしい。
ささやかなこの望みはどうしたら叶うのか?
迷うふたりの生き方が心に響くリーマンBL

【収録内容】
「そして長い夜が明けたなら」…1話~8話前編
「HAPPY HOUR」…描きおろし

※本書籍は2021年に発行された同人誌「塵舞う街のふたりの1~6」と、2024年発行された同人誌「塵舞う街のふたりの7~14」#7~#8・19ページまでを加筆修正し改題したものです

作品情報

作品名
そして長い夜が明けたなら 上
著者
といけ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
あすかコミックスCL-DX
発売日
電子発売日
ISBN
9784041146774
4.1

(57)

(30)

萌々

(15)

(6)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
12
得点
232
評価数
57
平均
4.1 / 5
神率
52.6%

レビュー投稿数12

派手さはないけどすごく良かった

あまり読まないリーマンもの。ハマる作品に出会えてなかったのですがこれは凄い!すごく好き!
最近の波に乗ってドラマ化して欲しいです。

絵とストーリー両方とも丁寧にじっくり描かれています。それはエッチなシーンでも同様でスタートしてからひとつになるまでに、思ったよりページ数使われていて読んでてドキドキしました。

仕事に一生懸命で忙しくそれぞれ私生活が上手くいかない時期があったり、まだ二人の距離感が近づいている途中に水を差すような出来事があって連絡を取らなくなったりして少し進んでは停滞しちゃう関係がたまらない。
実際にありそうなエピソードで夢中になって読みました。

清潔感が感じられる絵とキャラの性格が上手くはまっていて素晴らしいです。



1

酸いも甘いも噛み分けた2人なら

 過去の恋人への熱量には随分差があるけれど、今恋人に求めるものにはあまり差がなくて、面白い2人だなと思いました。根津は元彼と別れた翌日から何食わぬ顔をして仕事ができた。一方、西片は飲みの席で普段は絶対見せない隙を見せたり、ようやく未練を断ち切った後久々に元彼と遭遇すると、自分への否定を感じて隣にいる人の声が聞こえないほど動揺してしまったりする。元々恋人への向き合い方が異なるというよりは、たまたま前の彼への本気度が異なっただけのように思えましたが。

 そんな2人が多忙に振り回されるなかで、どうやったら相手に振り向いてもらえるか、傷付けた関係をどうやって修復するか、その時々に一生懸命考えて少しずつ前に進んでいく過程に、同じ働く現代人として共感を覚えました。一度距離が遠のいた後、2人ともがちゃんと相手にもう一度連絡するという答えに辿り着いたことが嬉しかったです。満を持して再スタートを切る下巻が楽しみですね。

0

濃厚なストーリー

大ボリュームの上下巻、ものすごい読み応え。
でもそれは「ページ数があるから」だけではありません。

ふたりの感情がしっかりと丁寧に描かれているので、一つひとつのエピソードがとても濃厚で
小さな引っかかりさえもさらりと済ませない部分がとてもリアル。
同性同士の恋愛の苦しさはもちろん、自分以外の人間と解り合うことってこんなに難しいことなんだな、と感じてしまうような展開に
引き込まれずにはいられませんでした。

長く同僚として働いていた根津と西片がそのカタチを変えることになった夜から、距離はグッと近付いたけれども。
心は簡単に交わることはなく、むしろそれまで見えていなかった部分に振り回されてしまうのが本当に切ない…。

吹っ切れたと思っていた過去の恋の記憶が蘇れば、あっという間に当時の苦しみに飲み込まれてしまう西片。
なかなか新しい恋に進むことができないもどかしさはあるけれど、今度こそ目を背けずに向き合おうとする決意が見えるので
ただただそれを見守りたいなと思わせてくれました。

"一緒に居たい"という気持ちは同じふたりなので、どうにか拗れずにいてほしいなと願うのですが…。
ようやく再会したふたりのその後がどうなるのか?下巻を読んでしっかり見届けたいと思います。

1

良すぎた…良すぎて泣けたぁ… 手抜きが一切無い誠実さが真っ直ぐに届けてくれる言葉と想いが沁みました

気になりつつもカートインしたままだったこちらの作品
読もうと思ったのはとある先生のSNSがきっかけ♪
今ちるちるで行ってるキャラクター総選挙発端で普段はあんまり見ないようにしている気になる先生方のSNSをチェックしていた時に、敬愛して止まない彩景でりこ先生のポストに辿り着きました
そこで先生の友人でもある今作の作者のといけ先生のこの作品をおススメされているのを発見しまして…!
良し!!やっぱり読もう!!!と、、、遅ればせながらお迎えさせていただきました(*˘︶˘*)

ーーーすっごくすっごく良かった…デスーーー
先ずはリーマンBLなんですがお仕事の描写もめちゃくちゃリアル
お仕事自体の描写も、ON/OFFの時の日常感に於ける感情含めた雰囲気の全てがすっごく「分かる!!」の連続、、、
この「分かる!!」はBLとしてのLOVE部分にもすごくたくさんの共感と気付きが詰まっていて、、、
BL読んでる時はあんまり自己投影しない方なんですが余りにも身近過ぎる事が多くて、、、今回はガッツリ当事者視点でこの物語を追っていました

攻め受け両視点で描かれている所もそんな感覚に誘われてしまったポイントかも知れません

カバー袖の言葉を拝見しましたがといけ先生が4年以上もの歳月をかけてまとめあげた作品との事
なるほど、、、丁寧な訳です
めちゃくちゃ刺さるし響きます

物語の丁寧さも背景などの描き込みの丁寧さもスゴイです!!
根津のお部屋の仕事に忙殺されてるリーマンのお部屋感とか、めっちゃ上手!!適度な生活感とか小物とか、、、マジで手抜き感が一切感じられません

そして空気感や彼らの感情や状況を感じさせてくれる小技の効果がバツグン‼
サム・スミスにクラーク・ケントにトレインスポッティング…ストーリーへのスパイスチョイスが全部イチイチ刺さる…!

そしてこの上巻で1番のターニングポイントとなった根津と遼馬の初めてのデート
ここで元カレと会う駅のチョイスがまたうまい…!!!
豊洲という場所のチョイスで感じられる遼馬の元カレの央志郎っぽさとかもお見事でしたね
子連れで再会する場所としてもハマリ過ぎる


そしてデートの途中で元カレに遭遇して心ここに在らず状態になってしまった遼馬に対しての根津の対応を見てまたこの作品の持つ真摯な一面に心が動きました

何度も気分転換を試みても戻らない遼馬に対して最後の最後まで”優しく仕切らない”根津
ココがほんとすごく生身の体温を感じる「根津恭介」という男のアイデンティティを感じてグッと来ました
BLセオリーで言えば、ココはどこ迄も不安定な遼馬に寄り添い、そこを癒していくのがひとつのパターンかな?と思うのですが、ココで根津はその道を辿らないのです
「今は俺…優しく出来そうにないんです」という精一杯の言葉を残して遼馬の元を去る。。。
「タイミング」という現実をしっかり突き付けて来るんですよね、、、

遼馬サイドからしたら子連れの元カレとの再会がもたらす動揺は分からなくもない、、、
嫌いで別れた訳じゃなくて、何なら別れた理由にも囚われ続けた男が何事もなかったかのように子連れで目の前に現れる、、、そんな状況を目の当たりにして、根津が側に居る今はダメだ…って分かっていても、、、心を掻き乱されちゃう。。。
そもそも即リセットして切り替えられるような性格なら、自ら「孤独」に向き合い「ひとりで生きていく」事で前を向くしかないような選択はしていないんだよね、、、

と、、、そう思う反面根津サイドからしたら苦渋ではあったかも知れないけれど仕方ない判断
遼馬を気遣う気持ちもあるけれど、じゃぁおざなりにされ続ける根津の心は誰が労わるのか、、、と
そう考えればあの場を後にする根津はすごく自分も相手も大事にしていたと思うんですよね

この一連の魅せ方、キャラの配置、動かし方で生まれるストーリーが秀逸でした

そしてここを基点としてやっと動き出す2人の内面との向き合い方
素晴らしかった…
脆さと力強さがあるからこその人間らしさ
体温と息遣いを感じる2人だからこそ目が離せない

正直何に泣けて来たのかっていう「ココだ!!!」ってポイントはもはや分からないんです
でも物語が重なり合っていく過程で胸がどんどんいっぱいになっていくような感覚でした
そして1番心に響いたのは遼馬が引っ越しをしている時のモノローグの「時間はいつだって 俺の味方だ」という言葉

タイミングに翻弄された2人ですが「時は来るべき時に来る」んだなって思える私に取ってのパワーワードでした
急かされ迫られるばかりが時間じゃない
自分でその時間を味方だって思える強さにめちゃくちゃ心が動いた言葉でした


上巻は夜明けを迎える為の暗がりの中の2人の時間をしっかり感じました
そんな時間を経た夜明けに向かう2人を下巻では見れるのかな???

いやぁーーー。。。
余りにも響きすぎて久っ々に2000文字オーバーのレビューになってしまいました、、、
もっともっとシンプルにこの感動をお伝え出来たらいいのに、、、

でも、込み上げる想いが大き過ぎて今回は無理だったな。゚(゚´Д`゚)゚。
本当に素敵な作品を今、私は読んでいるなって思います

さ、下巻に行こうかな!!!


修正|白抜きと簡易描写が混じってたような気がする 濡れ場は濡れ場で上手いのですが全くエロ視点やそういう感情ではあんまり見てなかったからどんな修正でもきっと気にならなかった気がします

4

まるで小説

まるで小説を読んでいるかのような緻密な心理描写と気持ちの駆け引き。
性的マイノリティの方は少なくともこのような境遇に置かれることがあるのではないかと思う瞬間が多々。
当て馬などが登場するわけではないが、お互いの立場や本音に垣間見る切ない現実がひしひしと伝わってくる。
私が最近読んだ中ではダントツに心に迫った一冊。
上下巻総括です。

2

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