電子限定描き下ろし漫画付き
想い出をこの分厚い小説に乗せて
エロス度★★★
おやおや。他人を寄せ付けない美人なクラスメイトが小説を書いていたり、男に抱かれていたとは驚きですね。
七海と叶が紡ぐ祝福の恋物語・・・・・・開幕。
タイプが正反対のふたりが友達関係からスタートし、距離が縮まるなかでお互いに意識し欲望が芽生えていくのがたまらなかった。
七海と叶がお互いに触れ合いたい欲を抱えながら友達の関係を続けるもどかしさ・今の関係が壊れそうで壊れない不安定さがツボで、小説か大好きな人か・・・・・・青い果実にとって人生を左右する選択の果て、ふたりが到達した幸福が尊いです。
爽やかなブルーの背景と屈託のない笑顔の二人の表紙に惹かれ購入しました。
片田舎の高校、同じクラスの正反対の普段なら接点のない二人、1冊のノートに書かれた文章で物語が動き出します。
ここまではよくある始まりですが、爽やかな表紙からは想像もつかない、クラスの優等生八田守は家に男を連れ込む性に明るく、しかもプロの小説家…と一気に情報が増えていきます。
陽キャの七海はあくまでノンケなのですが、次第に八田守の書く小説だけではなく、本人を意識しだします。それと同じくして、初めての『友達』である七海に同じように恋愛感情を持つようになる八田守…。
お互い友達以上に好きの気持ちがあるのに、距離の近さに明らかにおかしいと感じているのに「友達だから」「友達関係を壊したくない」という感情を越えられずモダモダする様子がたまらなく可愛くてキュンキュンしました!二人の距離が本当に近くて可愛い。
お付き合いが始まって〜卒業まで。ここまでが幸せな時間の思い出…それ以降、まさに小説や映画を見ているかのような気持ちにさせられる展開が待っています。切ないシーンもありますが、最後は大円団、ハッピーエンドです。そして、思わず最初から読み返したくなる、そんな作品でした。彼らの「人生」という物語はまだ始まったばかり。この作品は二人にとってまさに『プロローグ』と呼ぶにふさわしいお話で、今も東京のどこかで二人が同じ空を見ながら過ごしているのかなと思いを馳せたくなりました。
ぜひ、ネタバレなしで作品を味わって欲しいです!
ストーリー展開が巧みで、映画を観ているような気分で読み進めました。
叶くんの設定が細やかで、それが高校生である彼が小説を書いている納得感に繋がっていて、無理な感じがないのがすごく心地よいです。七海くんは七海くんで、よくいる高校生、という感じなのですが、そのこだわりの薄さから叶くんのためである選択肢を選び続けても重くなりすぎないところもいい。性的な欲求に忠実なのも、らしさ、かな。
東京に引っ越して離れ離れになる流れには正直驚きましたが、大切なものを取りこぼすことなく前に進むことができてよかった!七海くんの選択も、最終的には彼の世界を広げることになっているし、Win-Winな感じがする。
夏休みにもってこいの一冊です。
というよりも小説の題材にしたくなるほど運命的で青春で焦がれる恋だったというのが真実。
印象的な出会いに始まり、恋に落ちるには十分なきっかけがあって、青くて切なくて甘い長い両片想いを経て、幸せすぎる恋人の期間があって、切ない終わりを迎える…それに伴った情緒溢れる情景を描く文章とで本当に眩しい恋のお話で、一息で読んでしまうような切ないところ含めうっとりしてしまうようなそんな恋物語に心が洗われました。
そして切ないところで終わらない運命的な再会をするのがこれもまたフィクションだったんだなぁと最後のセリフにハッとさせられました。
まさに素敵な物語に出会うことができたという満足感のある作品でした。
小説のようなモノローグで始まる今作。
読み始めれば、すぐにその理由が分かります。
ちなみに片田舎の高校へ通う2人の男子が主人公。
ひとりは、陽キャグループに属するノンケの七海。
もうひとりは、いつも本を読んでいて誰とも交わることのない綺麗な顔をした八田守。
七海はある日、八田守が落としたらしいノートを拾い、その中身を読んでしまいます。
そこへ書かれていたのは小説で。
本を読む習慣のなかった七海でしたが、その内容に惹き込まれてしまいます。
ノートを返却するという理由で八田守の家を訪れた七海でしたが、そこで見てしまったのは八田守が見知らぬ男と致していた場面。
びっくりした七海でしたが、後に八田守から関係のあった男と別れるために恋人のフリすることになり、、、というお話。
とにかくこのお話は、八田守が実は小説家ということもあって、言葉の運びが叙情的でエモかったです。
DKの夏。
そして、どことなく少し翳りのある2人の関係。
案の定、作中で一度2人はお別れしてしまいますが、その後の展開がまた良かったです(じーん、と噛み締める)
八田守の弱さだとか、七海の若さゆえのまっすぐさだとか。
個人的に一番好きだったのは、高校最後の夏に八田守の家の縁側から花火を2人で見るシーン。
完全にBGMは、某米○玄○さんたちが歌っている打上花火がぴったりでした。
そしてここがクライマックスではないけれど、最高潮に幸せかもしれないと思わせるアンバランスな空気感が好きでした。
瑞々しく切ないアオハルの恋を経て、再びその手で掴んだ恋。
タイトル未定のプロローグが、東京にて再び幕を開けたエモしなBLが読みたい方にはとてもオススメです!