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表題作いとしいぼくら

深田恵麻
高校生
込山竜
高校生

その他の収録作品

  • 描き下ろし:おまけ(6P)

あらすじ

「今の俺がいるのは竜のおかげだよ」容姿にコンプレックスを持つ高校生・込山竜は、クラスメイトからの「イジリ」に何も言い返せない日々。ある日、芸能人並みの超美形な同級生・深田恵麻に声を掛けられる。「自分とは違う世界の人だ」と拒絶する竜だが、実は2人は小1の時の幼なじみ。自分と同じように容姿へのコンプレックスを持っていたはずの恵麻は、容姿だけでなく中身も強くなっており、それは竜のおかげだと、あっという間に距離を縮めてきて!?超美形モテ男子×心優しいコンプレックス持ち男子のグローアップ・ラブ!


初版のみにお付けしている特典(初回特典、初回仕様特典)がある商品は、商品ページに特典の表記が掲載されている場合でも無くなり次第、終了となりますのでご了承ください。

作品情報

作品名
いとしいぼくら
著者
夕倉アキ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
arca comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784866696898
4.1

(77)

(39)

萌々

(19)

(12)

中立

(4)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
10
得点
311
評価数
77
平均
4.1 / 5
神率
50.6%

レビュー投稿数10

少しずつ”殻”を破って…”容姿コンプレックス”がテーマのお話

こちら、発売当時に気になっていたものの手に取る機会がなく…
だったのですが、Kindle unlimitedで見つけて遅ればせながら読むことができました。

自分の容姿に強いコンプレックスを持つ高校生・竜。
そんな彼が高校で幼馴染の恵麻と再会、超絶カッコよくなった恵麻に
引け目を感じ、卑屈になってしまいー

と続くお話です。


もう、まさに自分が高校生の頃、竜のように”容姿コンプレックス”の塊だったので
(アトピーとニキビで)、
身につまされるというか、読んでいて当時のことや気持ちを思い出し
ちょっと苦しくなるほどでした。。

”見た目が変わると周囲の態度が変わる”っていうのも、
わかりみが強すぎる。。

「人は見た目が◯割」なんて本もあることだし、
ある実験によると人は赤ちゃんの時から美醜の判断ができる(赤ちゃんも人を
見た目で判断している)そうなので、
もうそれは仕方ないし自然なことなんだろうな、と受け止めてはいますが。


そんな中、恵麻との再会、彼からの言葉を機に
少しずつ自分の考えを変えよう、見た目も変えてみよう、と勇気を出し
一歩踏み出していく竜の姿が力強く感じられました☺︎

特に印象に残ったのは、恵麻が語っていた
「心の中オーディション」。


人から言われた言葉に傷ついたり、気になって仕方ない時
「俺の心に響くオーディション」を心の中で開催するー
というものです。

「エントリーNo.1の”金髪ピアスキモい”は…一時審査不合格です!」
「エントリーNo.3の”お兄さんの宴す素敵ですね”は最終審査合格!俺の心に
見事響きました!」

この図を見た時、ちょっと笑ったけれど、すごくいいアイデアだな、
これなら自分もできそうだな!と前向きな気持ちに。


”周囲が何か言ってくる”のを直接的に止めるのは難しくても、
自分が自分を大事にして心を守る方法はあるんだなあ、と。。


また、当て馬女子の弟くんが言った言葉も最高に沁みたなあ。。

匂い、声、言葉遣い、帰ってきた時の足音

(顔が変わっても)お姉ちゃんがお姉ちゃんだと認識できるものは
たくさんあるから 自分のいたい姿でいればいいよー


もう、なんだかこの言葉で泣きそうでした( ; ; )


今すぐに大きく変わることは難しくても、
自信を持つことはできなくても、
考え方を変えてみる。
見た目を変えるチャンスが飛び込んできたら、その流れに乗ってみる。

そうやって少しずつ変化を経験し、笑顔の増えていく竜の姿が
眩しかったです☺︎✨


恵麻×竜、始まったばかりの二人の初々しいキスや
竜を見つめる恵麻の甘い眼差しがくすぐったくも、心地よい(*´˘`*)♡


二人や周囲の人々(りりあちゃんとか)の”その後”はどんなかな、
見てみたいなあ…と思いながら、穏やかで幸せな気持ちで本を閉じました。

0

ありのままで生きていく

これは・・・BL、といえばBLなんですけど、それ以上に人間ドラマです。高校生の頃の、容姿によってランクづけされるような感じ、何の意味もないのに人と比べて劣等感に苛まれてしまう感じ、そんな感情がものすごく鮮やかに表現されていて、萌ではなく、心臓がキューッとなります。BLである必要はないけど、BLであってもいい、そんな作品。

見た目が変わって、周りからの評価が変わっても、内面が100パーセント変わることはなくて、誰にでも、それぞれの地獄がある(これは作中のセリフではなく某美人アナウンサーさんが言ってたんですが)ことを噛み締めて少し前を向く竜が!いじらしい!

エマが超絶イケメンになってなお竜のことがすごく好きなのもいいよなあ。変わりたい、キレイになりたいという思いはありながら、一方で人に惹かれる基準は内面というのが、いいよなあ。

読みながらホロリしました。ラブ!エロ!を求める人には物足りないと思いますが、抱きしめたくなる作品です。

0

えろはないけれど…

完全なストーリー重視な作品!学生ものって私の中では苦手寄りなジャンルなんですが、(二次創作を除いて)しかもここに、えろなしときてあまり楽しめる作品って今まであまりなく、けれどこちらの作品には圧倒されるほどに、すぐ様作品の世界観に呑み込まれました。
見た目の容姿が良い受け攻めが多い作品の中でこちらの作品の受けは見た目が、よくない設定、絵もしっかりとその設定に沿っており、(と、いっても受け君可愛らしい顔ではあるけど)攻めが美形ということから、いろんな葛藤を覚えライバルの女の子からは酷いことも言われるんですけど、サブキャラも含めてとても魅力的な作品に感じられました。続編あれば是非とも見たいです!

0

理想と現実を考える

おススメPOINTはズバリ2つ‼
①丁寧で繊細な心理描写が反映された気付きを促されるストーリー
②心に届く絵の持つパワーが力強い!

BLの恋の部分はとても理想的というか、白馬の王子様的展開感はあります
あまりにも恵麻の容姿が王子様過ぎる眩しさなのもキラキラです
本人はそれが煩わしさだったりもするんですけど、、、それでもどうしても高校生時点での竜との関係性からだと王子様感は否めない
それが悪いとかって事ではないので全然良いのですが、少しだけ私には眩し過ぎた展開だったかな、、、とは思いました

逆に恋ではなくて子供から大人への成長過程で学校というコミュニティの中でもがき悩む高校生の心の機微を捉えたお話しとしては、とても良かったな!!と思います
こちらも理想的な展開ではあるのですが、相手があって誰かとする恋のお話しとは違って、自分の意識を変えていく…!という前向きさを他人との関りから気付いていく、、、という点の清廉さにエールを送りたくなる気持ちに自然となります

こういう背中を押すような、マインドに働きかけるような内容は、寧ろしっかり「理想」がないとぼやけてしまうのでしっかり丁寧で芯を感じる強さのあるメッセージが心にストンと届いて来ました

恵麻と竜がお買い物に出掛けて、お洋服屋さんで試着を渋る竜にかけた恵麻の言葉がとても素敵だなって思いました
すごく好き!!
凝り固まった自分視点での自分への卑屈な評価を一瞬で叩き壊すパワーあるセリフにスカっとしました
そしてその言葉がしっかり竜に届いて、竜が一歩踏み出した姿勢にも拍手を送りたくなりました

反面、竜には恵麻という強力なサポートがあったけれど、そんなに上手くいかないのもきっと今のコミュニティの中ではままある事だとも感じてしまいます
決して竜が恵麻を盾にしてる訳ではないからこそ、この2人は応援できるけれど、このバランスの難しさやそんなに簡単に避難場所が見つからない人にとってはあまりにも理想的過ぎて苦しく感じる事もあるんじゃないかな?なんて、、、汚い心が浄化されない大人になってしまった私は穿った気持ちでどこか「夢物語」感覚も残ってしまいました

ある程度自分の力で問題を乗り越えられる大人が読む分には「あ~いい話だなぁ」って思えると思うので躊躇なくお勧めしたいけれど、エロ無しだしすごく勇気をもらえるから!といって年若いBL読者に手放しで気軽には私は勧められないな、、、とも感じました
理想と現実に苛まれる苦しさはその時のその人にしか分からない事なので、、、
なので、評価は個人的には萌ですが誰かに勧めるか?となると中立かな…と思います

願わくはこの作品から勇気を貰える人が増える、そんな優しい世界が広がるといいな、、、と強く思いました

3

上手くいくことばかりではない世界

周りから「普通」と判断される子たちも美形とか可愛い系ばかり、みたいな作品が多いなか。
容姿にコンプレックスを抱えている竜はわかりやすく「普通」で、後ろ向きになりがちな性格が表情にも表れてしまっているようなDKくん。

クラスの友達にいじられるのを受け入れたくはないのに、自信のなさから結局流されてしまう…そんなモヤモヤなループに嵌っていたとき。
ありのままの竜を見てくれる恵麻との再会で、彼の意識が少しずつ変わっていく様子がすっごく眩しかったです。

見た目を磨くことにこだわらないで内側から変わろうと努力する竜を見ていると、恵麻の言葉が彼の心にしっかりと届いているのがわかります。
そんな中で真っ直ぐに向き合ってくれる恵麻への恋心を自覚していくところにもキュンとしました。

そして。外見が良い恵麻ですが、芯の通った内面も惚れ惚れするほど格好良いんです…!
良い自分もダメな自分も受け入れて、周りに惑わされない強さを持っている…ツラかった過去を糧にした生き方、ものすごく憧れます。
竜が惹かれるのも納得でした。

そして、ふたりの関係に影を落とすだけではない女の子たちの登場の仕方も印象的。
外見への劣等感とか他人からの評価とか気の持ちようで捉え方の変わる難しい部分への向き合い方を、異性の視点が入ることで教えてもらえたような気がしました。

わりと上手いこといくような展開が多いBLの世界の"そうじゃない"部分の描き方が絶妙で、ものすごく深かったな、と。
恵麻と竜の微笑ましい恋を見守るだけではないストーリーが本当に素敵でした。

0

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