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ぶっきらぼうさんちのハウスキーパー

bukkirabosan chi no housekeeper

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表題作ぶっきらぼうさんちのハウスキーパー

倉田亮二
陶芸家
左谷陽人
農大生,倉田のハウスキーパー

その他の収録作品

  • 描き下ろし(6P)
  • あとがき

あらすじ

「…それと 仕事のこと以外極力話しかけないでほしい」

農大生の陽人(ひなと)は、人が良すぎる性格が災いして、信頼していた幼馴染みに貯金を持ち逃げされてしまい、生活費を稼ぐためにバイトを探していた。
そんなある日、陽人は行き倒れている男を介抱するが、彼はちょうどハウスキーパーを探しているというぶっきらぼうな陶芸家・倉田(くらた)だった。
仕事内容は料理、掃除、洗濯。一日3~4時間勤務。日給3万――。
破格のバイト代に釣られて引き受けるが、「極力話しかけないでほしい」という不思議な条件も付いていて――?

作品情報

作品名
ぶっきらぼうさんちのハウスキーパー
著者
瀬田苔 
媒体
漫画(コミック)
出版社
道玄坂書房
レーベル
MIKE+comics
発売元
れんが書房新社
発売日
電子発売日
ISBN
9784846210403
4.5

(93)

(63)

萌々

(21)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
8
得点
418
評価数
93
平均
4.5 / 5
神率
67.7%

レビュー投稿数8

ぶっきらぼうさんとお人好しくん

タイトル通り、倉田は本当に"ぶっきらぼうさん"。
初対面の陽人に対しての物言いや態度はいかにも人付き合いを嫌っているという感じで。
陶芸家という職業柄、ちょっぴり気難しい人なのかもしれないなぁと、ぶっきらぼうなことさえ納得しかけたのですが…

陽人と過ごす日々の中、彼自身のことがわかってくるとその印象は全然違うモノになっていきます。
そしてそれは苦しみを抱える倉田にそっと寄り添ってくれた陽人の影響がすごく大きかったので、彼自身に惹かれていくことはとても自然に思えました。

倉田が人付き合いを絶った理由はとても切ないもので、陽人と出会わなければあのまま独りきりだったかもしれなくて。
陽人のおかげで心が解れたいま、偶然にでも出会えた喜びを倉田は噛み締めているのではないかなと感じました。

お人好しすぎる陽人のことは心配だけども倉田と一緒ならその辺も大丈夫そうだし、
倉田自身も師匠たちと和解して全部が丸く収まってとってもスッキリ!でした。

穏やかな展開の中にもしっかりドラマがあり、読み応えバッチリで大満足な作品でした。

4

いい人すぎる陽人に巡り合わせてくれた奇跡

陽人めっちゃいい子。
親友に金貸してトンズラされて、逆に自分がお金に困ることになるなんて…

こういう子には心の底から幸せになって欲しい!!
それだけを切に願うストーリーでした。

無愛想な陶芸家のハウスキーパーを破格の日給で請け負うことになってしまうことから始まる恋物語。気難し系の倉田の態度はお世辞にも良いとは言えないけど、陽人への態度には裏がないし、かえってそういうところが誠実に感じる男でした。
この倉田がですよ、人には関心がない陶芸にしか興味のない男がですよ、どんどん陽人のことを気にし始めていく気持ちの変化にムフフ…。俺に話しかけるなとか言う割にさりげなく優しくするところもあったりで、そういうギャップが素敵でした(´∀`*)

倉田の本質は本当は優しい男だと思うのに、過去のトラウマが"自分は想いやりのない男"であると思い込ませているところが切ない。
ですが。自分がそう思っていたとしても、作品はそれに反して売れるということを考えれば、彼の作品には彼の想いが自然と溶け込んでいると思うんですよね。
だって、あの作品にかける倉田の想いを見てくださいよ。あんなに命をかけて生み出すことができる男が無情だなんて信じられません。


倉田が抱えている暗い感情を陽人がどんどん浄化していくことで、2人の間に雇用主とアルバイトの関係を越えた感情が生まれてくるところに胸がじんわりと温かくなりました。派手なストーリーではないけれど、心理描写や自然体な恋愛模様で読み手を魅了していく作品だと思います。
それに、お仕事BLとしての見応えも抜群です。
私は陶芸のことに詳しくないけど、真剣な作業風景や作業行程、作品にかける想いの描きには引き込まれました^ ^


最初の倉田の険しい顔と、終わりの方の倉田の顔との違いを見るとよく分かります。
陽人にデレてるだけなのかもしれないけど、表情がすごく柔らかい( ´∀`)
本来の倉田の姿ってこうなんだなと思うと嬉しくなりました。
最後の倉田の笑顔はとっても素敵でした。たくさんの幸せが彼らに降り注ぎますようにと願っています。

3

心優しい2人にとても温まるお話

過去を悔いて人を遠ざけるようになった陶芸家×幼馴染にお金を貸して逃げられた大学生ハウスキーパーのお話。

朝ドラとかで放送されそうなくらいしっかりとした人間ドラマとBLがすごく良く融合していて読後の多幸感が沁みました。

驚くほどのお人好しな陽人くん。幼馴染にお金を借り逃げされたというただの設定で終わらず、幼馴染の解像度を深掘りし、失いそうな友情に泣く姿に人をとても大事にする子なんだろうなぁとじんわりしました。近づき難く見える倉田さんともお話したいと思ってる姿に、もちろん倉田さんに惹かれる何かがあるというのもあるとは思いますが、それ以上に寂しかったんじゃないかと思い切なくなりました。それでいてとても真面目で働き者で、相手の本質を丁寧に見ようとしていて、本当に心の底からいい子だとしみじみ。幸せになって欲しい。

そして過去に悔やんでも悔やみ切れない負目を背負った倉田さん。倉田さんが悪いわけじゃないよ!とは言い切れない絶妙な過去の出来事、うまいなぁと思いました。そんなことがあった陶芸から離れてしまうのではなく、むしろ人との繋がりを絶って、陶芸にはひたすら真摯に孤独に向き合うというのがまた痺れた。そんな彼が陽人に見せる不器用な優しさがたまりませんでした。彼も彼で間違いなく良い人。幸せになって欲しい!!

また漫画の中で陶芸のあれこれが細かく描かれていたり、炊事掃除洗濯といった生きていることを実感する描写がかなり描かれているのもすごく生を感じて良いなぁと思いました。

抱えていた色々と一旦前向きに折り合いがついた2人の今後の暮らしが穏やかなものでありますように。この2人がお互いを大切にして幸せに過ごす姿が目に浮かびます。お幸せに!

2

どんな展開かと思って手を出したら

試し読みで、これってどうやって恋愛になってさらにエロいほうに流れるのか?と想像つかなくて手をだしてしまいました。
恋愛要素もちゃんとあるけど、2人が抱える人間関係の問題点が中心の展開で、個人的にベタベタ恋愛要素満載な展開のストーリーに飽きていたのですごくよかったです。時間かかるけど読みとばせない感じです。ゆっくり進んでいくストーリーの中に、お互いが惹かれていく様子がちゃんとあるんです。
激しい恋愛のストーリー展開はないけれど、すてきなお話でした。
マンガは読み捨てが多いのですが、これはまた読みます。

1

ゆっくりと変わっていく心と、人間関係の再構築

なんとも優しくじんわり沁みる、人間関係やり直しのお話でした。
瀬田苔先生、初めての単行本とのこと。おめでとうございます!!・:*+.

こちら、ぶっきらぼう陶芸家×お人好しメガネ農大生というカプ。

親友に100万を貸して逃げられ、絶対絶命となった農大生・陽人(ひなと・受け)。
そんなところに、週3か週4でハウスキーパー、1日3、4時間で日給3万…!

はい、やります!と思わず自分が手を上げてしまいそうな(笑)好条件のバイト条件を提示され、偏屈っぽい陶芸家・倉田のもとに通うことになります。
しかし倉田には「仕事のこと以外は極力話しかけないで欲しい」「無駄話はやめてくれ」「挨拶もしなくていい」と初っ端からクールに突き放され…

と続きます。

一方は信頼していた親友からの裏切り、もう一方は陶器に情熱を注ぐがゆえに生じてしまった人間関係の亀裂と、心に傷を抱えている者同士のお話でした。

傷を舐め合うというわけではなく、互いにそっと寄り添い、優しさを分け合う描写がなんとも沁みます。。

最高だったのが、ラストの倉田の笑顔!!!!!笑顔に刺されるー!!…好きです。
トマトを頬張り変な日本語を話す陽人、可愛いもんね。。

”眉間に皺寄せ”が定番スタイルだった倉田の生き生きとした表情!眼福すぎる✨

で、そこからの描き下ろしの「一緒に住まないか?」の時の表情に…!悶絶…!
恥ずかしがってる!倉田さんが!こっち見てない!頬染めてる!
…と、脳内大興奮の1ページでした。

陽人のお金を持ち逃げした親友くんは、まともな仕事を始めた…と描いてあるけどどうにも夜のお仕事でボーイ、っていう感じなのが少し「おいおい大丈夫か」と思いましたが;

きっと大反省してきちんと返済してくれると信じて。

電子おまけ特典と、シーモアさんの特典漫画は倉田・陽人それぞれの過去と個人情報が分かり、嬉しかったです❤︎

陽人くん、そんなに兄弟多かったんか…!と意外な情報ににんまりでした( ̄∀ ̄)

3

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