イラストあり
小説
舞台は明治時代。それはもうオメガの扱いがひどい設定。暁生は儚いタイプのオメガではなくて山に入って動けなくなるアルファの和成をおぶって降りることができるぐらいはたくましいオメガ
オメガの薬を研究する和成と契約結婚的なものをするんだけど…。暁生のたくましさが好きだけれど和成のことを好きになってしまったと気づいてからの彼が切なかったなぁ。
それぞれの立場から見える景色は違うんだよね。作中「誰かに足を踏まれている人間より、踏みつけにしている人間の方がずっと鈍感だ」という一文がとても心に残りました
明治舞台のオメガバースということで、時代背景と世界観がうまく溶け合っていたと思います。抑制剤のない時代はこんな感じだったのかもと面白く読みました。
ただ、表紙の幸せ甘々のイメージで読むと、中身は結構なシリアス。オメガとしての性や生き方に悩み、好きあっていてもすれ違い、読んでいて胸が苦しくなるような展開もありました。
苦みの先にハッピーがある。二人の愛情はとても深いです。攻めは天然入ってて可愛いです。
メインキャラの話じゃないですが、
いわゆるよくあるオメガバースだと男性オメガはベータ女性との間に子供をもうけられないんじゃ?
と、多少引っ掛かりましたが、オメガバースに正解はなし!
はぁ〜…、なんだか連続テレビ小説の朝ドラを最終回まで見終わったような。
1人の主人公の悩みや葛藤、成長をその人生に寄り添って見届けたような充実感があります。
この2人は、いつの頃かに本当に実在したかもしれないなぁなんて思えちゃうような。山あり谷ありな人生模様しかと見届けました。
Ωの暁生とαの和成、2人とも第二性に窮屈な思いを抱え悩みながら生きています。
2人が出会い夫婦として絆を深めていく様子やすれ違い、衝撃的な出来事…そして再び共に生きるまで。とても丁寧に描かれていました。
暁生に起こった衝撃的な出来事は、オメガバースの世界にあり得ることだけど、本当に?と信じられないまま読み進めました。
残念ながら本当で、覆ることもなく進むのでこのまま終わるのかとハラハラモヤモヤしました。
作中で彼らはそれでも前を向いて生きているのですが、心の奥には消えないモヤモヤがあるような、解消する可能性すらもう見出だせずそのまま抱えて生きていくような。
幸せの形は様々で、そんなルートのハッピーエンドもあるかもしれないと本気で考えました。
最終的に、そのモヤモヤは解消され晴れやかな結末にホッとしましたが、読者が読みながら長く感じていたそのモヤモヤは、つまり彼らの長い年月のモヤモヤでもあるんですよね。
海野先生、お上手だなと唸りました。
今回萌えがどうのとか、そういうことでなく…
胸が温かく、爽やかさも感じながら未来に向かっていけるような気持ち。
萌えだけではない楽しみがありました。
大好きな作家さんだったので、あらすじやキャラの特性をよく調べもせず読み始めた。
あらすじをどう読み違えたのか思い込みか、年上攻めだと思っていたが、本カプは年下×年上。
けれど攻めは敬語を使わず、逆に受けは敬語なので、年下攻め感があまり無くてよかった。
受けは、オメガである事、男に組み敷かれる性である事を屈辱に思っているタイプ。
男相手に受け身になる事に抵抗があるタイプのオメガ受けが苦手なので、序盤からすこし読む気が削がれた。
オメガの妻も子供も要らない攻めに、女郎屋に売られたくなくて人体実験の被検体に使っていいから結婚してほしい受け――と、好きでもバース性で惹かれた訳でもないが、双方にメリットが見出せたから結婚をする。
好き同士じゃない結婚だったけど、受けの方が先に恋をするのは良かった。
一緒に過ごしていくうちに、恋愛感情が関係しているのか自分のフェロモンも濃くなり、攻めのフェロモンも濃く感じる。でも攻めはオメガのフェロモンを感じにくくする薬を作って、「お前のフェロモンを感じなくなった」と嬉しそうにする。拒絶されたみたいでショックを受ける受け。
オメガとして生まれたことや見られることを拒んでいたのに、矛盾してきてるのがいいですね。
後半に出てくるオメガの幸彦が、ベータ女と所帯を持ったのも納得できない。そこは男アルファとくっついてほしかった。
オメガバースアンチかと思った。
オメガバースを使って男オメガを実際の女の境遇に当て嵌め、女は学問がどうの子供がどうの……とフェミ思考(女尊男卑推奨思考)を植え付けようという思惑がヒシヒシと伝わってくるのが残念だった
海野幸先生の本は、全部ではないがほとんど読んでます。ほぼ当たりしかなかったので、今回のは少しショック。
もう、さすが海野先生。
素敵なオメガバースを読ませて頂きました♡
受様は、フェロモンが少なめでオメガらしくないオメガの暁生。
子供ができず、これまでに4回結婚して4回とも離縁。
これが5回目のお見合いとなる。
攻様であるお見合い相手のアルファは、7歳も年下の大学生、和成。
大学でフェロモンの研究をして薬学を学んでいる和成に、薬の被験者になるから、と暁生が申し出て、結婚することに。
契約婚だけど、一生添い遂げよう、というだけあって、相手との関係は良好。
開国20年とかの設定だから、明治辺りのですかね。
そんな時代のものの考え方の中で、こうあるべき、という押し付けられる価値観に、共闘する2人。
少しづつ好意を抱いていって、いつしか恋心が育っていった暁生の気持ちに、うんうん、でした(*ˊᵕˋ*)
研究バカの和成ってば、どんかーん。
すれ違って離れて、これで和成が探し当てて攻様ざまぁな再会愛か!?と思ってたら、えーーー(º ロ º๑)!!!
こんな展開になるとは…。
ちくしょう、あの野良アルファめ!もげろ!!
それからの相手への真摯な愛情しかない2人に切なきゅんですよ。
どうやってつがいになるのかな、と心配してたら、なるほどねぇ。
ちゃんと納得の理由もあって、これまでの2人の歩んできたキセキに、心からよかったねぇ、でした(*ˊᵕˋ*)