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年上でちょっとヘタレだけど包容力のある攻めの有元と寂しがりやなのに素直に言葉で伝えられない受けの三木、どちらも人間味があって読んでて面白かったです。
前編が三木視点、後編が有元視点です。
三木視点の前編は途中までどうなるの?!の連続で、どうしようもない男平尾と有元、どちらとくっつくのかギリギリまで分からなくて本当に続きが気になってページを捲る手が止まりませんでした。
平尾とくっつく、有元当て馬という世界線もあったのではないか…と後編の平尾の荒み具合を見ると思ってしまいます。平尾みたいな攻め好きなんですが、少し遅かったですねぇ。
前編ラストの有元さんのあるセリフにテンションぶち上がりました。いやぁ、いいですね。このキャラのこんなセリフ、言われたらそりゃ受けはゾッコンですよ。
渡海先生らしい、丁寧な人間描写で大変満足な一冊でした!
先のレビュアーさんもおっしゃてっましたが、登場人物の感情-執着が中途半端で、
かえってそれがリアルに感じられてしまった。
三木君はいい子だよね、そして男の趣味がわるい。
こういう純粋でいい子なんだけど、なまじっか若い頃にセックスで癒されちゃったり、恋愛でごまかされちゃったりで、大人になっても側から見ると「悪い男(女)」「しょうもない男(女)」にとらわれちゃう、知人友人にもいるな…。
やはり10代に手を出してはいけない。
個人的には三木君以外は、現実社会で出会ってもみんな好きになれないだろうな。
平尾は、ざまあ展開を希望して読み進めたけど、あからさまなざまあはないものの、「大人の事情」になると、それまでの崇拝の入った三木視点でのイイ男から、客観視されたガラの悪い残念な男に変わってて、割とすっきりしました。
こんなもんなんだよ、しょせん。子供といってもイイ後輩に手を出しておいて浮気繰り返すような男はさ、的な。
そして、有元。基本おっさん攻めは好物ですが、あまりにも思考がおじいちゃんすぎるし、ヘタレすぎる。正直元妻の方が正解だよ。そして、さっさと家売って引っ越せよ、まじで。
終始せつな萌え〜と読み進めましたが、今後の2人の暮らしには不安要素が残るなあ。しかしそれも現実にはよくあることかと。
表題作と短めの続編の2作品が収録されています。
受けと他の男の事後描写がありますので、苦手な方はご注意下さい。
表題作は三木(受け)が主人公です。
三木は、男と浮気したり女と付き合う平尾と別れたいと思いつつも、「都合の良い男」のまま10年ずるずる付き合っています。仕事で知り合った有元を好きになりますが…という内容です。
三木は平尾に振り回されますが、一方で有元を振り回します。いきなり家に押しかけ、口説いて押し倒される。抱きはしなかったけれど、寂しいからと遊びに来られる。様子がおかしくて心配して電話をかけたら、恋人とエッチをしている。会いたい、同情でもいいからと泣かれて抱こうとすると、寂しいからと他の男に抱かれている。…書いていて気の毒になりました。それは三木を信用できないですわ。
ただ、三木の目線で進んでいくと、有元を好きになり、ようやく平尾を断ち切れそうになのに、有元には「同情だ」「(好きとかいうのは)他の人とやってくれ」と拒絶され、実家では見合いを迫られ、平尾にはやり直さないかと振り回されて、これでもかこれでもかと気の毒な展開で切なかったです。不運なだけでなく自業自得の面もありますけれど。
続編「大人の事情」は有元の目線で進みます。有元の娘の乱入が、二人にとって良い方向に進んでほっとしました。三木は性格的には一途だし、有元は真面目だし。甘くほのぼのと過ごしてくれると良いなと思うエンドでした。
作者様はあとがきで平尾にも幸せプランがあるそうなのですが、私的には平尾自身以上のドS男に抱くつもりが抱かれて執着されて束縛とか色々されてしまえば良いと思っています(なげやり)。
年の差カップル、優柔不断でグラつきがちな受け、真面目で気弱な年上攻め、当て馬は酷い男じゃなきゃね!という方にお勧めの作品です。
感想
有元さんも三木くんも平尾も…皆ズルくて臆病。
ずるずると関係を続けている平尾のことを不誠実だと嘆いている三木くんが有元さんにやっていることって…正直な話、程度の差はあれども同じことだと思うのだけど(´・ω・`)
ってか三木くん、平尾のどこが良かったのかしら?
全く魅力が分からんかったわ…。
三木くんと別れた後、平尾が三木くんと似た子を連れている描写があったけれど…実は平尾は三木くんのこと好きだったのかな?
いやでもどうなんだろ…いまいち心情が掴めない。
有元さんも書き下ろしが無かったら謎だったけど末永くお付き合いしそうな二人にほんわり~(*´Д`*)
「鷹の爪」を探し求めてペットショップにまで行っちゃう三木くん可愛いー(*´艸`*)
ただ…ぶっちゃけると3人とも好みじゃないのが難点。
それにしても中学生の時に父親から男の恋人を紹介されたら激しく動揺しそう…有元さんの娘さん凄いわーΣ(○д○ノ)ノ
渡海さんの作品は良く手にとりますが、これはちょっと苦手な部類でした。
すみません(汗
受けの三木はゲイ。
先輩の平尾とズルズルと関係を続け都合の良い男と化している自分に嫌気がさしていますが、口ではカッコつけてしまうという…
この関係にさみしさを抱えています。
攻めは40代ノンケバツ1の有元。
公務員で性格も固め。
仕事で知り合った三木とは、困りながらもなんとも言えない距離感で友人のようなつきあいをはじめています。
この作品が嫌だなと感じるのは、三木が平尾に対して都合の良い男を演じそのさみしさを紛らわせるために、有元を自分がされているような都合の良い相手として使うという点です。
自分がされて嫌なことは、他人にもしちゃダメ!って感じで(苦笑
さみしいという感情を免罪符にしてるようで、苦手なんだろうなと自己分析してみました。
結果としてハッピーエンドなわけですが、あそこまで身持ちも固く家庭もあった有元が一線を越えることができるかなあと。
三木も学生ではなく立派な社会人。
そんな人間が仕事で関係のあった相手を、都合良く使ったりするかなあ…後々、再び仕事をともにすることだって絶対ないとは言えないわけで。
本自体も薄めなので、もう少しページ数を増やして丁寧に表現して欲しかったかな。