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表題作ケダモノから愛をこめて

李(秀華の教育係)
秀華・ハミルトン17歳

同時収録作品ケダモノから愛をこめて

村瀬一明 鬼畜な歯科医で香港マフィア
榊原連太郎 平凡な大学生

その他の収録作品

  • The machine falls in love
  • Like a beast
  • あとがき

あらすじ

ごく平凡な大学生・榊原連太郎の恋人は超男前で優秀な歯医者・村瀬一明。 もっとも一明の本性はキチクなサディストで香港マフィア「龍牙」の御曹司。 何度も危険な目に遭いながらも愛を深めてきた二人だが、些細なことから口論になり一明は何も告げずに香港へ…。 一明を追って香港へ飛んだ連太郎は、秀華と李が駆落ちし『龍牙』から李の抹殺命令が出されたという衝撃の事実を知らされる!?
出版社より

作品情報

作品名
ケダモノから愛をこめて
著者
六堂葉月 
イラスト
あさとえいり 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
シリーズ
まるでケダモノ
発売日
ISBN
9784861342516
4

(1)

(0)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
4
評価数
1
平均
4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

2CPそれぞれのハッピーエンド。

『ケダモノ』シリーズ10作目です。全10巻完結シリーズの最終巻。
前巻『恋のケダモノ』から引き続きのストーリーです。

『恋の~』は、メイン・サブCPの同時進行には違いなくても、主にサブCPの秀華(一明の従弟)と李(秀華が片想いしている一明の父親の秘書)の関係にスポットを当てていたので(決着ついてなくてこちらに続いてます)、一明と連太郎サイドは謂わば『問題提起』だけって感じでした。

もともと、個人的にメインCP・キャラクターがまったく好みじゃない(どころかかなり苦手な)こともあって、サブCPの方に魅力を感じるのでその方がよかったんですけどね。

だから、前巻ラストで『卒業(映画の)』ばりに婚約式から李が秀華を連れて逃げたあとが気になって気になって、メインCPのことなんてまったく頭の片隅にも残ってねぇ!

そういえば、そっちもトラブってたな~程度で、ハッキリ言ってこちらの冒頭で連太郎が香港にやって来てようやく思い出したよ。ホンットど~でもいいわ、メインは。

『駆け落ち』した李と秀華は、追っ手を撒いて新婚旅行専用の客船に乗り込みます。そのために、秀華は女装してるんですけどね。
そして、一明と連太郎も2人の元へ向かいます。当然、新婚旅行のCPとしてなので、連太郎が女装して。

秀華にとっては厳しい逃避行の中の束の間の休息のはずが、思いがけず早く追っ手が来てしまうんです。
そして、一明の父親であるボスが現れて、李は捉えられ処刑されます。
撃たれて海に落ちた李を、泳げない秀華が追って飛び込んで・・・


とりあえず、ラストはハッピーエンドです。これはお見事な解決なんじゃないかと思いましたね~。

もちろん、これが形だけでも本格的な裏社会ものならあまりにもご都合主義的過ぎると言えるかもしれませんが、一応はライトコメディの範疇(ラスト2巻はコメディはどこへやらでしたが)なら綺麗に収束したな~と感心します。


SS1編目『The machine falls in love』は、李と秀華の後日談です。タイトルの『machine(機械)』は李のことですね。
秀華がことの顛末を知り・・・

2編目『Like a beast』は、本編終了半月後。
香港から逃げて来たらしい秀華が連太郎を訪ねて来ます。すぐに李も追い掛けて来て・・・

結局、バカップルの痴話喧嘩なんですけどね。
それにしても、李が秀華を宥めるのに並べた台詞が(一明も言ってるけど)胡散臭過ぎる!コイツ、やっぱり只者じゃない。


大変失礼ながら、読む前(イヤ、まあ1作目読んだ時点でもまだ・・・)に持っていたイメージよりも読み応えあって面白かったです。←ただし(特に裏社会関係に)『深み・リアリティ』を求める方にはまったく向かないでしょう。あくまでも『ライトなコメディ・BLファンタジーだから!』と割り切って読めるなら。

正直なところ、もっと薄くて適当に雰囲気で流す、いかにも中身なさそうなコメディくらいにしか思っていませんでした。ゴメンナサイ。本当にゴメンナサイ、先生。タイトルとあらすじではそう感じてしまったんです・・・

でも、この全10巻の長丁場で設定やストーリーが破綻することもなく、伏線もさりげなく差し挟みながら勢いに乗って読ませてくれました。
少なくとも、このラストはシリーズ構想の中で早いうちに決めて書かれてたんじゃないかと。というより、これが後付け設定だったらその方がすごいと思う。

なんで評価もレビューもほとんどないのか不思議なくらいです。六堂さんの代表作(シリーズ)なのに。

このシリーズは特に、キャラクターが好きになれるかどうかでハッキリ好みが分かれるんじゃないかと思います。
実際、私はメインCP・キャラクターがかなり苦手なので、サブCPがいなかったら確実に途中で(それも早いうちに)挫折したことでしょう。
それでも、完全にサブCP目当てにしろ10巻まで楽しめましたから。

特に、最後の2巻は(厳密にはサブの李×秀華CP限定でですが)とても好き。
シリーズ通して読み返すことはほとんどないですが、この最後の2巻だけは繰り返し読んでます。それと、シリーズ中でも各巻のサブCP中心のお気に入りのポイントだけ拾い読みって感じですね。

あとは、あさとさんのイラストがとても素敵です。

どう考えても(少なくともあらすじや基本設定は)好みに掠りもしないだろうこのシリーズを読もうと思ったのも、イラストの影響が大きいです。


ところで、あさとさんの巻末は1~8作目までは『ケダモノinパラレルワールド』シリーズの1ページコミックでしたが、こちらはラストということで(?)イラスト(&コメント)です。
なんと『攻2人(一明&李)の女装』でした。

そして、全10巻連続刊行記念のペーパーと小冊子もあります。ホント、このシリーズ初出から完結までずいぶん時間かかってるからね。

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