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BLを期待して読む作品ではないかな、という感じ。一人の死をきっかけに出会った様々な人を描いているようであり、主人公の自己啓発を見ているようでもあり。終盤の怒涛の語りはなんかすごくて圧倒された。
始まりはアランという一人の学生の死から。自殺か他殺かも分からない状態で、ルーカスのもとに刑事や学生から情報が集まってくる。だがルーカスは謎解きや情報共有はせず、周囲が自力で死の真相に迫る。主人公の動きはタイトル通りってことかな。
実はルーカスも命を狙われていることに気付いたり、そんなルーカスを守るために昔振られたブライアンが現れたりと、目まぐるしい展開が続く。
一応ルーカスとブライアンのBLもあるが、ルーカスがとにかく心配をかけまくるので、ブライアンが不憫で応援したくなる。
アランの死について、ある程度見えて来たところで、ルーカスは一人の青年と対峙する。ここからのルーカスはセリフもモノローグも熱く、ゾーンに入っている人の語りを聞いているようで、言葉の濁流に飲み込まれそうな感覚だった。
事件がひと段落すると、救われた人や新しい道を歩き始めた人など、ルーカスがアランを通して出会った人々のその後が明るいものとして描かれる。もちろんルーカスの成長も見えるし、ブライアンとのラブも良い。
ルーカスの、脅迫状なんて恐ろしいものを簡単に忘れる違和感や、一言情報共有していれば回り道せず事件が解決していたのでは、というもどかしさは読んでいてストレス。ただしその点はタイトルで釘を刺されているので、仕方ないのかも。
長めの作品で、正直前半で脱落しそうになったが、最後まで読んで良かった。終盤に魅力が詰まっている作品だと思う。
舞台はブリスベン。インテリアコーディネーターのルークが主人公。ルークの友人アランが死亡したことで巻き起こるあれこれ…。アランが死んだのは何故なのか、ミステリぽい切り口なんだけど題名通りミステリ…というよりかはヒューマンドラマかなぁ
ルークとブライアンの関係もどうなっちゃうのかしら?!とハラハラする…。お互い抱えるものがあって、それが時に大きな火種になってぶつかるもんだから手が付けられない
自己と向き合うこと、他者との関わり方、家族との関係など…ルークの葛藤から感じるものもあり…最後はホッとして読み終わりました。
日本の作家さんだけど文体が翻訳みたいな感じで海外小説感あって面白かった。