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表題作ノっぴきならぬ 2

寅次
千枝屋に奉公中
八重辰
八兵衛、料理茶屋・千枝屋の若旦那

あらすじ

「昼間は、主人と奉公人の境をこえないこと――」7年越しの想いが通じ合い、料亭千枝屋へと戻った寅次。
店の主人・八重辰の美貌に、奉公人・寅次の精悍さが加わり評判も上々。八重辰の娘・お天と穏やかに過ごす傍ら、恋人として秘密の逢瀬を重ねていたが、常連客の浮世絵師・猿北に口吸いを見られてしまう。
さらに猿北は八重辰に「乱れる姿に欲情する」「アンタを描きたい」とねだり店に居座りつづけ…!?『べな』こふでが描く江戸BL待望の続刊&描き下ろしも収録!毛色の違う【色男×色男】の切なくも甘い"初恋のつづき"。

作品情報

作品名
ノっぴきならぬ 2
著者
こふで 
媒体
漫画(コミック)
出版社
双葉社
レーベル
チルシェコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784575381917
4.7

(132)

(111)

萌々

(17)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
21
得点
632
評価数
132
平均
4.7 / 5
神率
84.1%

レビュー投稿数21

7年の想いを知る

2人の情緒溢れる馴れ初めに酔いしれた1巻
その軸になっていたのは突如音沙汰のなくなった八重辰を求めた寅次の7年にも及ぶ一途で苦しい唯一の恋慕

その想いが実りながらも7年の時はそう軽くはなかった事を知った1巻
特に八重辰側の事情を知り、一見寅次に対しては非道に見えるあしらいの背景を知る事で八重辰というキャラの芯の強さを知れました
大事なものをしっかり大事にする、と貫き通せる愛情深い八重辰

2巻はそんな八重辰が愛した大事なもの全てを愛し抜こうとする寅次を知る時間
天を何よりも大事にし、そして店にも心血を注ぐ
男としても人としても義理堅さに惚れ惚れする2人です

寅次は大きな体躯に似つかわしくない手先の器用さに妙に色気を感じます
それもこれもこふで先生の筆で描かれる、武骨な漢の手の滑らかさというギャップの表現の成せる業!!!
いつでもそっとその手は八重辰に優しく強く寄り添っているのがとても素敵

2巻は特にすったもんだのひと悶着が落ち着いた後の2人の高輪での思い出巡りがグッと来ました
寅次サイドの7年間の真相を八重辰と共に知っていき、その苦しかった時間を昇華させる
忠太が容易に見れた千枝屋で過ごす寅次と八重辰、そして天の3人が寄り添う未来
その未来を当の本人の寅次が現実感を持てなかったのはこの7年の想いを昇華し切れていなかったからなんだなぁというのが伝わりすごく胸がいっぱいになりました

寅次の想いを叶えてやれるのは八重辰唯一人
八重辰の大事なモンを守り切るのに必要なのも寅次が要
離れられる訳がなかった2人がそれぞれ抱えた7年という月日の長さと重さをしっかり深掘る事で、またこの2人への愛情が増した2巻でした

途中の小僧の大立ち回りはかなりのやりたい放題www
そこそこイラっとしたりしたのですが、寅次に天と紐で括られた姿を見た時から全てが可愛く見えました笑!!
迷子防止の紐、、、www
うん、「小僧なんだな」って納得
寧ろ小僧なのに絵の才能に恵まれ、その上貪欲にその源を知ろうとする芸術家魂と努力の跡に少し見え方もプラスになりました♪

人物の動かし方が本当に上手い先生です
人物が生き生きしてるから話しに活気があるんです
「人生」を感じる作品です
続き、心から楽しみにしています

6

一心不乱に無我夢中 瞬きを…呼吸を…忘れる読書時間

何から書いたらいいのか、、、
恋焦がれた寅次と八重辰の第二章
先ずは手元にお迎え出来た事で天にも昇る気持ちとはこの事か、、、と感無量

そしてページをめくり、クライマックスから始まるような展開に夢か現か…夢見心地の無我夢中

はぁぁぁーーー・・・…‼
感嘆の声が止まる所知らずの天井知らず!!
天にも昇る気持ちでお迎えした私の天井は際限なしの限界突破

何と‼愛して止まぬこのお江戸の活気と情に彩られたノっぴきならねぇ世界はまだまだ続くってぇ話しじゃねぃかいお前さん⁉って事で…!第3巻は2025年秋頃発売ってェ話しです٩(ˊᗜˋ*)و
これはまたまた生きる活力、頂きました!!

っと…!その前にこの2巻‼
前回の劇的な再会からの新たな仕切り直しを始めた寅次と八重辰さん
千枝屋で主と奉公人として働き出した2人には掟がある───。
と始まります

予想以上の幸せモードに始まりから心が騒めきます
目の前の穏やかさに心満たされながらも読み手として頭を過るこの先の事、、、
そうです、人生山ありゃ谷あるさ、、、と
序盤で山を迎える事をそのままに受け入れられない読者の性www

そして迎える2巻の嵐
さてさて嵐の中の台風の目となる千枝屋事情
常連客、絵師の猿北が大暴れ
彼の存在は吉と出るのか凶と出るのか⁈
とくとその目でご覧あれ!!!!!

そして引き続き見逃し厳禁なこふで先生の高い画力(えぢから)
私なんぞが語るのもおこがましい、、、
とにかく見て欲しい、そして愛でて欲しい、、、
心が躍って仕方のない【芸術】が其処にあります
寝起きの寅次の六尺姿の艶めかしさよ、、、

漫画を好きで良かった、、、と手を合わせずには居られぬ瞬間が絶え間なく続きます

読書中に去来する様々な感情すら宝物
この作品を読める幸せに歓びしか感じません

最後まで寅次と八重辰2人が抱え拗らせ膨らませたノっぴきならぬ想いの先を見届けたい
この2巻はそんな想いを更に強くさせて下さる位に2人の剥き出しの感情が垣間見えます
傍から見たら揺るぎの無い大人の男の、ホントの所の胸の内…
知れば知る程愛おしい…‼

賛辞の言葉しか出て来ません
どうぞ皆さんお迎えください
3巻へ続きますが気を揉む終わりではありません
在る意味揉むけど良い年越しは出来そうです♡

画で魅せ、笑わせ、話しで惹き付け、言葉を尽くす
至高の作品、再び!
最高でした、、、っ!!!!!!!!!!


修正|描写力の賜物 何も気にならない‼ひとつのケチも付けられぬ仕上がりです

5

恋ってこういうものなんだろうなっ♡

1巻から続いて奉公人達がみんな二人に優しい!見た目に反して真面目で骨惜しみなく働く寅次と、自ら率先して動く八重辰に皆が一目置いておりこのまま平穏な日々が送れたら良いのになぁと思っていると、猿北という知り合いの孫である若い絵師が千枝屋にしばらく住み込み、八重辰を描きたいという2巻。
猿北の登場で出番は少し減りますが奉公人の忠太と娘お天が元気にしている様子もしっかり楽しめます。

こふで先生の絵がさらにさらに素晴らしくて全ページ、全コマ堪能しました!
料亭のお部屋内部やお庭の景観、池の鯉。
二人の地位や性格に合った着物や手拭いの柄。
小さなコマですが欄間や衣桁、見事な細工の料理など丁寧に描写されています。

奉公人として同じ屋根の下に暮らし時々逢瀬を重ねられ十分に幸せな寅次。八重辰が大切にしている千枝屋とお天を自分も一緒に守り支えていけたらば、という気持ちのはずが…という心の内の変化に悩む姿が見れます。
虎の寅次の健気さを後半に沢山感じ泣きながら読みました。

桜で始まり夏までの物語。それも言葉ではなく絵で表す辺り、やっぱりこふで先生のセンスってすごいなぁと思いました。

4

ファンです!

たくさん素敵な先生方いらっしゃいますが、間違いなく生涯推したい先生です
ほぼ現代のBLを読む事が多いですし、そんなにたくさんはレビューも書けないけれどこふで先生の作品は読んだ後に「読んで良かったー!」「ファンです!」っていうのを大きな声で叫んでたくさんの人に知ってもらいたくなってしまいます

自分のように時代BLを読まない読者さんにもこふで先生の作品は一度でいいから是非とも読んでもらいたいです
きっとBLの可能性を肌で実感できると思うのです

先生の緻密で繊細な作画
背景や小物、キャラの髪の一房、ほんのちょっとの眉毛の角度、、、細部に拘りこの少しの違いで感情を表現する技量
衝撃で体に電気が走ります

繊細な感情の機微を表現すべきストーリーもまた秀逸です
読ませる緩急が素晴らしい
こふで先生を知ったら先生の作品を追うのは絶対に止められません
自分がこんなに時代BLにハマる日が来るとは・・・
幸せな作品との出会いに感謝です

猿北の置き土産の判じ絵も面白かったです!
応えは「藤棚」と「太鼓橋」ですかね~???
楽しかったです

4

余韻に浸ってます

はぁ、何を書いたら良いやら分からないくらいに余韻に浸ってます。兎に角1ページから得る情報量が凄い!それはストーリーだけと言う訳ではなくて、寅次と八重辰を構成する線の美しさや色香も凄まじいからです。

1巻で千枝屋に戻る覚悟を決めた寅次でしたが、全てが上手く行ってるように見えて根底にはずっと燻るものがあったことが終盤で判明してました。

八重辰と出掛けた先で寅次の過去を知る人物が現れたことから、八重辰を失ってた7年間の寅次を知ることになる訳です。もう、寅次の様子に胸が痛くて辛くて八重辰の罪を再確認しました。

八重辰の後悔と寅次と生きて行く覚悟を伝えるシーンにジンと来ました。そして、八重辰の幸せを願い寅次を受け入れる千枝屋の面々も大好きです。特に忠太が良いですね。

大円満で終わってまさか2巻でと心配してたら次巻の予告がありました。来年の秋まで元気で居なければと決意しました。

まだ2巻なので読んで無い方は今すぐにでも読み始めるべきです。間違いなく名作だと思います。
情を交わすシーンさえも美しいですよ。


4

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