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表題作ノっぴきならぬ 1

寅次、千枝屋に奉公中
八重辰/八兵衛、料理茶屋・千枝屋の若旦那

あらすじ

「ついに見つけた。七年も忘れられねかった男を――」

時は江戸。侠気あふれる伊達な男と、上品で端正な顔立ちの美男。名も明かさず逢瀬を重ねる――それももう、七年前の話。
彼との夜が忘れられなかった寅次は、江戸を転々としながらその"美しい男"を探し続け、ついに再会を果たす。しかし彼は高級料亭の若旦那で、幼い娘と共に暮らしていて…?

『べな』こふで最新作!
艶麗な筆致でつむがれる、毛色の違う【色男×色男】の切なくも甘い"初恋のやり直し"。
描き下ろしも収録!!

作品情報

作品名
ノっぴきならぬ 1
著者
こふで 
媒体
漫画(コミック)
出版社
双葉社
レーベル
チルシェコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784575381603
4.7

(75)

(64)

萌々

(8)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
21
得点
352
評価数
75
平均
4.7 / 5
神率
85.3%

レビュー投稿数21

粋で鯔背な男前に興味深く惹き込まれ萌候

…八重辰と寅次の麗しき御尊顔を拝し奉り、わたくしめ眼福恐悦至極に存じ奉りまする。
至極難有仕合(しごくありがたきしあわせ)に奉存候(ぞんじたてまつりそうろう)

私も御多分に漏れず丁髷に若干抵抗が御座いまして
うーむ誠に髪が奇天烈なり。取り敢えず試し読みナリ。と読みまし…丁髷沼、幸せ。
寧ろ丁髷から、はらりと数本の髪の毛が垂れている様がなんとも艶と色気を感じました。

大柄で全身入れ墨の伊達男×訳あり何処か儚さを纏う美男の片想い同士が成就する迄のお話です。
絵柄、物語の運び方、台詞の一語一句全て細やかに精査されていると感じます。
こふで先生初読みでしたが、絵柄がとても好みです。
中性的なお目々キュルル睫毛ぱっちりでは無く、江戸男前で色気が出せる。
表情の描き方がトップクラスにお上手です。

寅次が7年間一途に探し続けるのも良いですよね。
待つだけでなく自ら進む。だけど引くとこは潔く引く。
中身も良い男。

何故八重辰は姿を消したのか?此処が肝ですが
話を進める程に、息苦しく感じどんどん拗れるのが辛かったです。心情的にも立場的にもノっぴきならない(退くも引くも出来ない)状況でお互いが想い合って居る筈なのに…!
◯◯の幸せの為に諦めるとの決断が結局◯◯も本心を言えず紙を寅次に見せる。
その手紙の中身が、皮肉で同情もあり何とも言えない…この文章が思い付くこふで先生凄い。
これだけ子供を想って居るのに「立派な親になる為」に手放す苦悩…からの忠太が良い仕事してました。忠太くん次巻も宜しく!
細かな設定や伏線が全てラストに綺麗に纏まって読後爽やかです。
因みに周囲の反応ですが江戸時代は男色に対して偏見や差別は比較的少なかったので違和感は無いです。

近年、外来語のXLやらDTやらDKやらRージュウハチとか…私の目に付くのは外来語が多くて勿論現代の作品も好きですが、江戸期の日本語は背筋が伸びる様な何とも美しいと再確認しました。

で?2巻でもっといちゃいちゃ見れるんですか!!?(大声)
春はあけぼのに肌を合わせる
夏は夜に情を交わす
秋は夕暮れに一夜を共にする
冬は早朝に枕を交わす
うーん、
どれも迷っちゃうなぁ。
有難き幸せ。

あ、何故ノはカタカナなのでしょうか?

1

是非茶屋に馴染んでいくこれからの2人を

 こふで先生の美麗な絵で、また新しい江戸の物語を読めてとても嬉しいです。一度儚い蜜月を過ごした後、7年も離れていて再会した2人。忘れられない、と探し続けた寅次の根気強さをまずは称えたいですね。八重辰の方からはどうしたって距離が縮まらなかったでしょうから。

 いざ再会してみれば八重辰の素性は、高級料理茶屋の若旦那で、娘もいてと1人でいろいろ背負っている人。今までの人生、大事なものと向き合うのが怖くなると、逃げ続けてきた自覚がある。でもこんな人間ごまんといますよね。自覚していて何か1つでも改善を、と自分を変えようとしただけ偉いと思う。今の茶屋の皆に幸せを願われているのは、彼が凄まじい努力を重ねてきた証でしょう。手先も生き方も不器用な彼を、心根も言葉も江戸の男らしく真っ直ぐな寅次が今度こそ捕まえるのは必然。茶屋の皆に背中を押されてではあったけれど、八重辰がきちんと本心を言葉にできたことが嬉しいです。重荷としてではなく、生きる喜びとなる大事なものが、八重辰のなかでこれから増えていくことを祈ります。

3

パーフェクト

画力、ストーリー、すべてが完璧で素晴らしい!
健気×健気はいいですね。

攻めの寅次はガタイのいい大男でお尻と太ももにまで刺青があるコワモテ顔な反面、気さくですぐ人と自然に仲良くなれちゃう人懐っこさがある不良っぽい色男。
八重辰は役者のような美人で大店の主らしく気配りが出来、使用人からも真面目と慕われている優男。

一時、セフレになるがある日から音信不通で理由もなく会えなくなり、思いを断ち切れない寅次が7年かけてやっと探し当てます。
奉公人の忠太の計らいで2人きりで話せる時間を持ちますが離れている間に八重辰には娘が生まれており…。
この娘、お天のお世話係に寅次がなり案外と面倒見がよく子守りが上手い。手先が器用なのでハサミを使ってササっと紙を切り上げてしまう所なんて微笑ましかったです。

忠太や奉公人達、誰1人として悪人がおらず安心して読めました。
お天に関するエピソードが主役2人の気持ちにブレーキをかけたり逆に加速させたりして、お話に子供が出てくることは不安でしたが読んでみるとプラス効果しかありません。お天がいるからこそお話にリズムが生まれ面白く動いて感動しました。

昨夜電子購入し、すでに5回読みましたが毎回必ず泣いてしまいます。相手を思い自分の気持ちを押し殺して身を引くって…美しすぎます。
寅次の捨て台詞や八重辰の赤ら顔が頭から離れません。

ここは歌舞伎座?新橋演舞場?私、いま舞台みてます?というくらい「こふでワールド」に夢中になりました。
背景を含め絵の描き込みもbl漫画では少数派と思えるほどの量とクオリティで手間がかかりそうですし、なにより江戸時代について先生の知識半端ないと感じました。
時代ものですが難しくはなくドキドキと孤独な男の寂しさが好きな方なら楽しめると思います。

4

7年越しの再会は偶然ではない

BL漫画では、偶然に再会してしまい愛が復活!みたいな流れがありますが、これはお互いが思い続けて...再会なので初めから純愛度が遥かに違う…。

そして物語の緻密さ、キャラ、話の運び方すべてが良すぎて読んでいて幸せでした。

本当に心情も丁寧に描かれており、話が進むにつれて切なさと、お互いのやりきれない愛しさに胸が苦しくなりました。

そして、受けがなにより美人で可愛い。
私は美人で可愛く自己犠牲っぽいところがある頑張り屋な受けが大大大好きなので、大変満足いたしました♡

そして2もあるとのこと。頑張って夏を越せます。

1

待ってました

「べな」が完結して寂しいと思ってたところにコレですよ!冒頭から一気に世界観に引き込まれていました。何だか訳ありの男たちの再会愛に心踊らされました。表情が実に色っぽくて眼福でした。

もうね、再会した時から八重辰の表情が雄弁で、一方的な別れには理由があったんだろうと読者は直ぐに気がつくと思います。

そして娘の存在が2人の邪魔をするとか全然なくて、むしろ2人が一緒になってる理由になるのがまた良かった。

そうなって来ると八重辰が置かれていた立場が気の毒で、虎次に逃げていたのに千枝屋の若旦那として皆に慕って貰えるまで頑張っていた7年が本当に切なくて…。皆が八重辰の為にと最後に動いた姿に感動しました。

読み終わって大満足で正直言ってこの一冊で終わったって良いじゃないの?と思ったけど、番号がふってあって巻末に2巻の宣伝までありました。

この先にどんな話が待ってるのか正直言って予想も付かないです。八重辰を目の敵にしている客とか関わって来るのかしら?それとも娘の母親とか?

次巻も楽しみに待ちたいと思います。

4

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