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美しい書影に一目惚れ。
拝読するのを心待ちにしておりました。
宝物のような素敵な作品です。
一コマ一コマが絵画作品のように美しく。
庭に生い茂る草木も生き生きとして。
読む手を止めては見惚れます。
静かで温かいストーリー。
優しい錦木さん。
美しい倉岡さん。
なんて素敵なお2人なのでしょうか。
読了後は多幸感で満たされます。
薩摩芋と胡桃の炊き込みご飯、
食べてみたいです。
装丁、扉絵、各核コマに描かれる草木の繊細さ!美しくて強い!!
それを眺めているだけでも見ごたえがたっぷり。
攻めが庭師さんということもあって、草木やそこに集まる鳥にまつわるお話も読みごたえがあって、
そういったちょっとした話から二人の距離が縮まっていくのがとても良かったです。
今までは雑音で見るのも嫌な気分になっていた庭が
エピソードを知ることで、血肉が宿って騒音雑音ではなくなっていったところに
物語の持つ力ってすごいなと感じました。
2人の関係はゆっくり進みますが、お互いのことを知りたい、
必要としているという気持ちがじわじわ伝わってくるのが良かった。
実は2人とも恋人としてもちゃんと考えてる…ってところもグッときました。
すごく素敵な作品ですね。
試し読みで、文机で書き物をしていた倉岡が視線をよこす場面…この「眼」にドッキーンとしてしまいました。
古い家屋の、手入れが行き届かずに茂ってしまった庭の奥でひとり、どこか切ない物語を紡ぐ美しき小説家。
もうそれだけでなんか素敵というか…
そこに配されるのが、庭師の朴訥な男性・俊。
木や鳥や自然の色々にとても詳しくて、逞しい男。
最高に合いますね〜。
思わずニヤついてしまうけれど、読み進めるうちにそんなよこしまな気持ちは消えて、2人の節度ある澄んだ気持ちのやり取り、庭に吹く風に心を開いていく倉岡の新境地、繊細な倉岡に静かに寄り添って世界の見方を変える俊、2人の近づく心をドキドキしながら読みました。
騒音でしかなかった木々のざわめきは意味を変え、木も残せて庭の恵みは食べる楽しみにもなり、倉岡の紡ぐ物語にも幸せの気配が。
絵柄も素晴らしく綺麗で大満足です。
設定と世界観の勝利だと感じました(偉そうにすみません)。
憂いを帯びた美しい児童文学作家が古い屋敷の和室で執筆する(アナログで)。
鬱蒼と木々が生い茂る庭を見ながら縁側で体格のいい朴訥な青年と語らう。
↑これらがめちゃくち絵になりますね。
この背景と庭の音や空気、風、光まで感じさせられる画力がすばらしく。ずっとうっとりしながら読ませて頂きました。
この世界観と2人の物語がぴったり。
最初の錦木の植物の話に刺激され、倉岡が思わずペンをとるくだりにワクワクしました。
その時に書いたものが後に倉岡が錦木に読んでもらった場面でしょうか。
錦木の話から意味を知り、木々の音や庭、家に対して倉岡の価値観が変わっていった。
知らなかった時は暗く悲しげだったものが、知ってから世界が180度変わる。それこそ知は光。
その物語、瞬間の積み重ねが美しい絵と世界でみずみずしく描かれていました。
倉岡が錦木のことを何度も「優しい」と言ったのは、それまで倉岡は錦木のような人に出会ったことがなかったからかな。
花の蜜を吸ったり、木の実を食べたりって子どもは憧れますもんね。そういうことが描かれた児童文学はとてもおもしろそうだなと編集者さんの反応でわかるのもよかったです。
小説家と庭師の優しく紡がれる愛の物語。
庭師の錦木はある日、緑の深い屋敷で仕事をすることに。
そこには小説家の倉岡が一人で住んでおり、
交流するうちに二人は互いに惹かれあうように。
庭師と小説家、異なる世界で生きる2人の
調和してゆく空気感が心地よく、癒されました。
はじめのうちは無愛想だった倉岡が
錦木と過ごすうちに心をひらいてゆくと
元々の純粋さや素直さが滲み出てきて
表情が柔らかくなってゆくのも愛おしかったです。