電子限定かきおろし付
当て馬をこよなく愛する皆さん、お集まりください!
雑誌「秒で分かるBL」で“当て馬BL“をテーマとして
掲載されていた本作ではそのテーマタイトルの通り、
攻めが“当て馬”ポジションとして登場しております。
攻めなのに当て馬なんて…
そんなの切ない展開に決まっている!と思っていたのですが、
思いの外、受けが攻め以外眼中になかったお陰か
時折ニマニマを挟みつつ心安らかに読み終わることができました。
独創的な設定+王道でまるでおとぎ話のような物語でした。
物語の世界には“肌の一族”なる王族が存在しており、
その一族の王が“肌の君”、その伴侶となる者は“種の者”と呼ばれています。
そして、肌の君の発情を促す役割として“当ての者”が存在しています。
“肌の君”と“種の者”は神性を持ち、
“肌の君”に関しては性別を超越して子を成すことができます。
(イメージとしてはオメガバースのΩやαのようなかんじでしょうか?
そして、例外的存在として紹介されている“さだめの者”は
運命の番のようなもの…?)
一方の“当ての者”は神性を持たず、ウブな“肌の君”を発情させるために
閨にてあらゆるスケベは許されつつも本番行為までは許されないという
なんとも損な役回りです。
以上が本作における世界観の概要となります。
肌の一族の王子・ユイは子を成す伴侶である“種の者”を選ぶよう
父王から命じられますが、18歳になっても未だに発情がこないまま。
業を煮やした父王はユイの発情を促すために、
彼の幼馴染みのヨリを“当ての者”としてユイの夜伽の練習相手に任じます。
幼い頃から誰よりも近くで過ごし、王子と従者という身分差を越えて
ヨリを大切に想っていたユイですが、ヨリの優しい愛撫に身体は
発情してしまい…。
あんなに発情しないと言っていたのに、
ヨリが相手だと一夜目から早々に発情してしまったユイ。
一方のヨリは親友のユイ相手でも「王命は絶対だから」と
涼しげな表情でユイの身体をまさぐるヨリ。
でもね、どんなにポーカーフェイスを繕っていても
読者にその心の内がわかっちゃうんですよ。
口うるさく説教垂れてたって結局はユイの我儘を叶えてあげたり、
夜伽の練習を重ねるうちに不意に滲み出てしまう耐えているような表情、
それだけでヨリが本当はユイのことを愛していて、
本当は自分がユイと結ばれたい気持ちを抑えてユイのために
こんなにも辛い役割を受けたということがわかるというもの。
それなのにヨリの切ない心の内など知らずに誘惑してくるユイが罪深い~!
無自覚ピュアなユイに対して、恋愛感情がダダ漏れなヨリ。
それでも夜伽のときには自分の感情は押し殺してユイに触れてきたのに、
お城の外でキスを引き金に発情したユイに情欲が爆発してしまいます。
ユイの発情に煽られたというのもあるのだろうけれど、
いつもは真面目で冷静沈着なヨリが感情も欲も露わにする姿に
普段彼がどれ程のものを抑え込んできたかを思い知ります。
だからこそ、翌朝、目が覚めたユイに優しく微笑みながら
「城に帰ろう」と告げるシーンは涙腺にぐっときちゃうのです。
城に戻ればユイは王子で自分は従者。
ユイへの愛情を抱きながらその現実を受け容れようとするヨリに
胸が締め付けられました。
互いに愛を伝え、伴侶として添い遂げられずとも
心だけは共にあることを誓い合ったユイとヨリ。
けれど、残酷なことに父王によって選ばれた“種の者”が登場します。
(正確には彼こそが当て馬)
まさかの婚姻前にお試しで閨を共にと父王から命じられ絶体絶命!
けれど、すんでのところでヨリ以外の男なんてあり得ない!と
確信したユイが父王に反抗し、絶妙なタイミングで奇跡も起こって、
物語は無事ハピエンを迎えます。
ラストだけはややご都合主義感は否めませんが、
ヨリが幸せになれるならそれも全てよし!
初夜や後日談ではヨリの18年間溜め込んできたユイへの爆デカ愛に
ニヤニヤが溢れてしまいました。
いつもはユイを大切にしてくれるヨリですが、
いざ我慢から解き放たれると
「もっともっと愛させて」「まだ足りないもっと」
「今まで耐えてきたぶんも全部注ぐね」と
その激甘絶倫ぶりが凄まじすぎました…。
幼なじみ×主従×両片想いの正統派ストーリー。
作画も綺麗だし、ファンタジーでロマンチックな恋物語が読みたいときにオススメです!
BL初心者さんに良いかも?(エロ含む)
受けユイの発情を促すだけ・本番はNGの「当ての者」の役目を命じられた攻めヨリの切なさや葛藤、ユイが徐々に気づいていく幼なじみへの特別な想い…など王道の良さが詰まっています。
2人が自分の思いに素直になったときのキスシーンはとても美しく、水玉ミズ先生はこういう描写が素晴らしい。「虎に四目屋」のキスシーンも印象的でした。
今回は展開もストーリーも王道で先が読めてしまうので、ちょっと刺さる部分が少なかったかなぁと思います。
ところで、受けとの行為が増える中で攻めが苦しそうな表情をよく浮かべるようになったのはてっきり欲望や想いを抑えるため…なのかと思ったけど、物理的に命を削られていく苦しさや痛みのためだったの?完全に読み違えてました(笑)
何はともあれハッピーエンドで良かったです。
肌の君であるユイと幼馴染で従者のヨリのオメガバースっぽいファンタジーBLでした。
最初に世界観の説明があるので分かりやすいです。
身分を弁えたヨリの言動が切なく、無自覚にヨリが好きなユイが可愛かったです。
シーモアは白抜き修正でした。
政略結婚の相手であるシアがユイと良き夜を過ごす為に介添えとしてヨリを呼ぶ悪趣味ぶりに引いてしまいました。
シアに身体を触られるユイを見ていることしか出来ないヨリを思うと悲しくなります。
ユイがヨリの手を取って陛下に直訴しに行き、2人が結ばれることになったのは良かったですが、シアに身体を触られる前に行動を起こして欲しかったなとモヤモヤが残るので、中立評価とさせて頂きました。
この作者さんの前作が面白かったので、新作のこちらを読んでみました。
コチラはオメガバースチックなファンタジー作品。
[肌の君]性別を問わず子を宿すことができる
[種の者]肌の君を妊娠させる事ができる
[当ての者]発情を促す為の存在
[さだめの者] 性別問わず肌の君と最高の相性で、出会えたら繁栄を約束されるが100年現われた事がない幻の相手
この4つの属性がまずありきでお話は始まります。
[肌の君]である王子ユイ。
18歳になり伴侶となる[種の者]を選ばなければならないが、
いつまでもユイの発情が起こらない。
見かねた王はユイの発情を促すため乳兄弟で幼馴染の従者ヨリを[当ての者]としてあてがうが…
だいたいこーゆーお話って幼馴染の2人は両片思いだったりするよね。こちらもそうです。
でもヨリくんは従者なので必死でその想いを隠しながら王に命じされた[当ての者]としての任務を遂行するんですわ。
幼馴染からえっちなことされて乱されて、だんだん好きな気持ちを自覚し始めるユイ王子。
いくら[種の者]とお見合いしてもピンと来ず全員断り続けてたんだけど、とうとう王である父に強引に婚姻を強行されて、しかも初夜にもヨリくんに[当ての者]としてのお仕事させようとするんよ![種の者]ヤツってば!
やなヤツだわ〜と思ったけど結果的にグッジョブ、ザマァ展開です。
設定がオリジナルだけど難しくなくスッと読める王道ストーリー。
今まで我慢してただけにヨリくんの執着愛は止まらなくなりそうです。
愛重めの攻め、寡黙だけどいざとなったら溢れてしまって止まらないタイプ大好物です。
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白抜き修正
水玉ミズ先生の新作!すごく楽しみにしてました!!
読み始めてみて一風変わった設定だな、とは思ったもののその特徴からほぼ先が分かってしまうような流れではありましたので、そんなに難しさは感じませんでした
特にこの作品ならではの設定を覆してしまう例外としての「さだめの者」という言葉を見たらほぼ答えはここに行き着くだろう・・・と分かってはしまうかな?とは思いました
この行き着く先が分かっていながらも尚、ストーリーを追って行ける世界観の上手さやそこに見合った素敵な作画の上手さがやっぱり技術の高い作家様だな、と改めて実感!!
ひとつ要望があるとすれば、初めての設定だったからこそ、この「さだめの者」が判明する辺りはもう少し演出多めでも良かったかな~?とは思ったりしました
ちょっとの要望を感じはしましたが、先の予想が例えついていながら読んだとしても読後の満足感がちゃんとあったことを振り返ると、やっぱり素敵なお話しを読めたんだな♡と思ったのでそこを最大限評価に反映させてもらいました
先生の次回作も楽しみに&「虎に四ツ目屋」の続刊も楽しみにしております‼