恋も、キスも、初めて知った

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表題作うたかたの庭

木坂宵智(松野緑)
小説家、32歳
鈴木水景
大学1年生、18歳

その他の収録作品

  • after story
  • 描き下ろし
  • あとがき

あらすじ

好きだよ──
水景のこと 大事にしたい

大学生の鈴木水景はある日、父の遺品の中から
一通の手紙と見知らぬ少年の写真を見つける。
切手を貼ったまま仕舞われていた手紙に
興味を持ち、水景は手紙を届けに行くことに。
訪ねた先で知り合ったのは、
花だらけの家でひとり暮らす小説家・木坂宵智。
水景の父と宵智は、
かつて教師と生徒の関係だったという。
宵智とひと目会った瞬間、
水景は彼に恋をして──?

年上無愛想×ひたむき年下のじれピュアラブ♥

作品情報

作品名
うたかたの庭
著者
村崎もよ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics CRAFTシリーズ
発売日
電子発売日
ISBN
9784813034438
4.2

(102)

(66)

萌々

(17)

(9)

中立

(2)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
15
得点
427
評価数
102
平均
4.2 / 5
神率
64.7%

レビュー投稿数15

じんわり沁みる…花咲く庭で始まる、年の差ラブストーリー

村崎もよ先生、初読みだったのですが
作品の中に流れる穏やかで優しい時間と雰囲気が素晴らしくて。
すっかり虜になって、220P(電子)駆け抜けました。

こちら、先生の商業デビューコミックスとのこと。
初コミックス出版、おめでとうございます☺︎✨

とてもとても優しく、じんわり沁みるお話。
花咲く庭の木々や花々、作画が大変だっただろうな…と思いますが、
美しくて心癒されました。
二人が一緒に園芸店に行くシーンでは、自分も行きたくなってウズウズしてしまい
週末出かけることにしました☺︎

亡くなった父親が遺した手紙を届けに行った先にいた、
美しい年上の人。
手紙は受け取ってもらえず立ち去ろうとしたところ、
その人が大声で泣き出すのが聞こえてー

と始まる、32歳の小説家×大学1年生、
なんと年の差14歳のラブストーリーです。

受けの水景(みかげ)は、攻め・宵智(よいち)が
想いを寄せていた担任教師(中学時代)の息子。

自分の父親のことを好きだった相手に、
出会った瞬間から恋に落ちてしまう…という、
書いているだけで切なさに胸がきゅっとする受けの片想いです( ; ; )

でも、そんな切なさは確かにありつつも
どこまでも優しく、あたたかく、光と救いのある物語でした。

御本のあらすじに「ひたむき大学生」と書いてあるとおり、
水景がどこまでもどこまでも素直で一途で可愛くて。

「好き」という想いがついぽろっと口から出てしまい、
取り繕おうとするも全然うまくできない様子とか、
留学先のオープンガーデンで宵智のことを思い出し、
ほろりと涙を流す姿とか。

オープンガーデンでは、周りの人々が「ohぼうや...」と
駆け寄ってましたが自分もその場に行って
「泣かないで」と背中をとんとんしてあげたくなった…!

とても印象的だったのは、
宵智が水景に「自分の作品に登場させてもいいか」と尋ねた際、
水景はそれを喜びながらも、”大学生A”でしかない自分に胸の痛みを覚えるー
というシーンです。

名前を持たない、ただの”大学生A”としてでもいいから
少しでも長く宵智のそばいにいたい、と願う気持ち。

それとは反対に、宵智にとって特別な意味を持つ人になりたい、
と願う気持ち…

手の届かない人に恋する切なさが、ぎゅっと凝縮されたような描写に
心が痛みました。

こんな素直で、不器用で、可愛らしい水景に
無愛想小説家・宵智が絆されないはずもなく。

でもね...14歳差だもんね…
相手はまだ10代ですし。
そう簡単に、気持ちに応えることはできないですよね。

水景が留学することになり、物理的な距離が生じたこと、
そして担当編集の寿(女性らしい見た目のバリタチゲイ)!!
この方のアシストのおかげで(ナイスです!)、
宵智も自分の心を見つめ直し、覚悟を決めることができたのだな、と。

まさに”会えない時間が愛を育てる”...!

水景が20歳の誕生日を迎えるまで、
手を出さなかった宵智、グッジョブ、よく我慢した…!

攻めから手を出すのではなく、水景の方から勇気を出して
お誘いする場面、ここでも胸がトクントクン、
少女漫画の中の擬音のような音が。

濡れ場は少なめですが、ひたむき受けの健気な想いと
意外にも(?)重めな攻めの感情が伝わってくる描写、
素敵でした。
(宵智さん、DTではないけど本気の恋&恋人は初めて…っていうところに
グッときます(๑•̀ㅂ•́)و✧)

花咲く庭から始まるラブストーリー、
じんわり沁みて何度も読み返したくなる、素敵な一冊でした✨

あっ。余談ですが…
途中、水景の父親からの手紙を宵智が読むシーン。
多分先生ご自身の字かな?と思うのですが
手紙の字が美しすぎて震えたー…!

そんなところも、作品の雰囲気にぴったり合っていて
素敵でした(*´◒`*)


★修正:tnトーン+細白短冊(5〜7本)(電子シーモア)
短冊はやや多めですが、tn...の形はしっかり分かります◎

7

優しくて切ないストーリーに涙しました

もよ先生の作品は同人誌でも拝読していたので、今回商業デビューの作品を読めること、とても楽しみにしていました!
登場人物に一人も嫌なやつが出てくることなく、ストーリーも切ない展開もあるものの優しくて穏やかな空気が流れていて読んでいるととても心が癒されて自然と涙が流れました。

父の死をきっかけに本の遺品整理をしていた所、本に挟まったまま投函されていない封筒と写真を見つけた大学生の水景。宛名の住所を訪ねると、写真に写った男の子がそのまま成長した男性がそこにいて……!?

水景の父、秋人さんを基点にして叶わなかった初恋、叶わなくてもいいから傍にいたいという思い、また、性別に関係なく人を好きになる気持ちがとても丁寧に描写されていてじんわりじんわり切ない気持ちとあったかい気持ちに揺さぶられました。
水景が語学留学で離れてしまった時の宵智の心ここに在らず…感は見ていて焦れったさたっぷりで、私も動け〜!!と叫びたくなりました。
水景の真っ直ぐで行動的な所が要所要所でとても元気をくれて、とってもいい子だなと感じました。

宵智の電話での告白も彼らしい、回りくどくて不器用だな〜と思う言い方だけど、とても素敵でした!
描き下ろしにて2人の初えっちあり♡
レーベルさんのおかげ(!)で、電子も白白線修正です♡

6

穏やかであたたかな恋

花に囲まれているふたりの幻想的な雰囲気あふれる表紙に惹かれて。
作中にも花などの植物たちがたくさんであたたかみがあり、ふたりの関係性もふんわり優しくて癒し要素たっぷり。すごく素敵でした…!

宵智と水景が出会ったキッカケはちょっぴり切なくて、恋が始まるようなものではなかったけれど
刹那的な出会いになることなくふたりの時間が交わっていき、そこからそれぞれの未来までもが変わっていって。
そんな彼らを見ていると人生何が起こるかわからないものだなぁと感じて、
水景の父が繋いでくれた素晴らしい縁にグッときてしまいました。

そして若者らしい行動力があるのに
無鉄砲にならないよう自制心も持ち合わせている水景は本当にできた子だなぁと感じます。
宵智への気持ちを胸に抱えながら、
それを押し付けることなく密かに想い続ける健気さがすごく沁みました。
後ろ向き気味だった宵智も一歩踏み出そうと決断した後は潔くて、勢いだけではない覚悟を持って水景にぶつかる姿がめちゃくちゃ格好良かったです。

穏やかに進むお話の中にしっかりとドラマがあり、ものすごく引き込まれました。
こちらがデビューコミックスとのこと。次作もまた楽しみにしたい作家さんだなと思いました。

5

優しくて美しい

デビュー前の同人誌を出されてる時から好きだった先生です。
歳の差がありながらも水景くんの健気な恋心と、宵智さんの不器用ながらも真摯なところがとても良かったです。切ないシーンでは少し泣けました。

全体的にただよう優しく美しい雰囲気や、植物の丁寧な描き込みがとても素敵でした。
もよ先生の作品は読んでいてすごく癒されます。
また癒されたい時に読もうと思います!

4

映画化希望!

性自認を父親に言えないまま、父の遺品整理で見つけた出されなかった手紙を届けたことから出会いが始まる。
出会った彼らは穏やかに自然に絆ができ、愛情に変わる、自覚する流れがとても心地よくて。
年の差や将来の夢などで、悩む2人のそれぞれの想いに胸が締め付けられた。
終盤に交わされる会話は熱く、感動。
これなら映画化されてもきっと情緒ある素敵な作品になるんじゃないかと思う。
本当は実写化は嫌だけどね。でも観てみたいなあ。
そう思える作品です。
花でいっぱいのお庭を観たい。

4

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