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描写や言い回しが、とっても好みな作品で読みやすかったです。とても面白くて一気に読みました。
戦時中や戦後の環境の変化に振り回されて、それでも自分の任務や愛に向かい合う軍人達にすごく心揺さぶられます。
かなり痛かったり、辛かったり、この先に救いはあるのかと思う場面もありましたが、そんな中でも懸命に生きてる2組のカップルの行く末は最後まで見守りたくなりました。
辛いシーンはあるものの、私的には胸くそまでいかないくらいだったので良かったです。
凄かったです。【壱】と【弐】の2つのお話からなる1冊ですが、とても重量感のあるストーリーで、上下巻(2巻分)で読んだような読み応えがありました。
終始ドキドキしてハラハラして、手に汗握るストーリー展開。読み終わった今、ものすごい疲労感を感じています(グッタリ…_| ̄|○)。
一寸先の展開が読めないのです。
どうか救われてくれ…!どうか幸せになってくれ…!
と、ずっと祈りながら読んでいた気がします。
なかなかハードな描写も出てきます。目を逸らしたくなるシーンもありました。それでもページを捲る手が止められませんでした。
【壱】も【弐】も、自分を犠牲にしても大切な人を守ろうと、それぞれが必死にもがき戦う話ですが、時代の違いなのか、運命の残酷さなのか、日乃坂と奏、轟と凛は全く違う道を辿ったのでした。共にハッピーエンドではあるものの、轟と凛の話の方が、複雑な余韻を残したかな…。辛過ぎて、読みながら何度か心折れそうになったもの…(私が)。
轟と凛は「純愛を貫いた日乃坂と奏の覚悟に負けた」と悔しさを感じていたようですが、そんな風に感じる必要はないのに…と胸が締め付けられます。それぞれの置かれた立場で、それぞれができるギリギリの戦い方をしただけ。
何より、そんな風に感じてしまう轟と凛の優しさと人情が、日乃坂と奏を救ったのだから…。
【壱】→【弐】と読んだ後に、もう一度【壱】を読んで下さい。凛が抱えてきたものを知ってから読むと、見える気色が変わります。
すごく重いけど、救済とハッピーエンドを見届けられるお話です。1巻でこの読み応えはすごい。
引き込まれ、痛みすら共有させられてしまう見事な作品です。メンタルが元気な時に一気読みすることをお勧めします。
[注意]
*作品紹介にある凛の話は【弐】の方なので、読み始めた際に一時混乱しました。「新人隊員と指導官の再会愛」が【壱】です。
*モブとの絡みや、モブ(複数)から暴力を受けるシーンがあります。地雷の方はご自衛ください。
【壱】では奏がギリギリのところで本番回避でき、
予想より早く日乃坂さんと幸せな感じになれたので
気を抜いて読み進めていましたら!
【弍】が和玖良さんのお話でこちらがなかなかの展開でした…
皇帝には虫唾が走りましたね。
立花との清らかなキス、陵辱、轟さんとの出会い、
誰も死なせたくないという強い思い、
出世、再会(びっくりしました!)
轟さんの選択には感謝しかありません。
涙が出ました。
胸が苦しくなる展開も多かったけど、
愛だの恋だのではないあの関係が確固たるもので
とても救われた気持ちです。
全部読んでからもう一度【壱】に戻ると
違う景色が見えそうなので再読も楽しみです。
時代観としては第二次世界大戦後あたりの日本がモチーフでしょうか。
玉響という、歌劇で兵士たちを慰める所属部隊が物語の舞台。表向きは歌や踊りで兵士たちを慰めるというものの、その裏では性的奉仕を担う公娼としての役割もあって……というのが物語の背景です。
架空の設定ではありますが、雰囲気的には時代ものっぽく楽しめるストーリーかなと思います。
従軍慰安婦制度は誰もが知る話ですが、あの時代の日本には男性同士で…というのはよく聞く話。男色は日本古来の文化みたいなところもあるし、そういう慣習が男性社会の中に根付いていたのは史実としても残っています。
フィクションだけどやけにリアルな話として感じられるのは、作者さんの話の迫り方が巧みだからだと思います。危機迫る臨場感が目の前に広がる光景によって、奏が背負う無情な任務描写がよく映えていました。惹かれ合っているのに仕事上大っぴらに出来ない2人の関係の歯痒さや、秘めたる恋には胸がギュッと締め付けられそうに苦しくなりました。
女や子どもを保護する目的から、成人男性がその役割を負うっていうのが設定的にどうなんだろ?というのがあって、私はあまりストーリーには入り込めずでした。
いかにもBLっぽいちゃぽいんだけど、歌と踊りと性奴隷的な仕事を負う部署っていうのがね、うーん……私の好みではあまりなかったです。皇帝の振る舞いにもウヘェ…でした。
後半収録のお話では、玉響のトップ・和玖良の方が悲しいシーンが多くて、こちらの方が読むのがしんどかったです。集団強姦シーンもあります。
幼馴染の初恋の立花との関係が叶わなかったのが、わたし的にものすごーーーーく残念…!!!。゚(゚´Д`゚)゚。
個人的にはのちに再会させるより、そのまま亡くなっていた方がまだ良かった。しかも妻子はいるけど気持ちはまだ和玖良にあるよ、なんて言わせるくらいなら立花とくっつけて欲しかったです。
轟に不満があるとかじゃないけど、私の中では立花とのエピソードの方がグッとくるものが大きくて、立花の切実な片想いが散ってしまったことがずっと胸に燻っています。
ただ興味深いなと思ったのは、日乃坂×奏、轟×和玖良の2カップルの玉響での生き様が対極にあったこと。
誰かに抱かれることを拒絶し、また愛する者が誰かに抱かれることを許せなかった前者。後者はその逆で、玉響のトップとしてその職を全うする和玖良と、和玖良の任務を側で見守り続ける轟の姿からは仕事へのストイックさを強く感じるところでした。
好きな人に操を捧げた点においては日乃坂と奏の方が純愛チックに思えますが、身体を酷使しつつも名優として芸に身を捧げる和玖良の姿勢もまたある意味轟との純愛のカタチなのかなと思いました。
犬飼のの先生の人気長編シリーズは支配構造の中で出会った二人が、幸せの為にはその構造に抗わねばならない事に気付き、主人公達は支配に抗い、逃れ、所属する世界の従来の価値に一石を投じる共通点があるけれども、今回の一冊はそれらの要素がぎゅっと全て詰め込まれて、入門にオススメです。
今回の作品は、日本的な軍国の島国が北の大国との戦争に敗れ属国となり混血の進んだファンタジー世界ですが、少し皇国の守護者的なIF世界線かも。同様の世界設定を持つ犬飼のの作品は他に「愛煉の檻」「妓楼の軍人」「愛を棄てた金糸雀」などがあるので、これらが好きな方におすすめです。
