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……ずっと、そばにいたいです。
相変わらずクールでツンデレな会計士の桐生と、
純粋素直な新入社員だけどオトナになりゆく尚也。
そして尚也の兄で美人さんな怜史とその従兄弟の威彦も登場。
今回キーポイント的存在の威彦ですが、
ワイルドな外観に一見野生児っぽい性格ですが、
その実すごく繊細で優しい。
しかもその優しさが強さを伴った優しさ。
そういう所は桐生と共通する所があります。
誰もが色々と振り回されはするのですが、
威彦って案外空気読んでる所はすごくあるし、
桐生と尚也の考えすぎな所で肩を押してくれてたように思います。
桐生は尚也を壊したらどうしようと心配ばかりだし、
尚也は桐生の足で纏いになったらどうしようと不安がるし、
このあたりは今までの話と程度は違っても変わらないです。
そういうのが焦れったい人には苦手かもしれませんが、
気にならない人には切ない萌え感感じて良いです。
あと段々成長していく尚也に置いていかれる寂しさを感じて、
尚也に「どこへ行くつもり?」と問う桐生が切なくて萌でした。
そして自分の成長には全然気づかない尚也も可愛い。
そして東都デパート合併の話が持ち上がり、
尚也と桐生と怜史考えの違いからくるすれ違いとか、
BL小説なんだけど非BL小説でも行けそうな展開でした。
他に尚也と怜史の互いに持ってる憧れ感とか、
色々盛りだくさんな内容の1冊だったと思います。
でもやっぱり、色々伏線はあるのですが、
基本は大人ぶって頑張る桐生と大人になろうと頑張る尚也の恋物語。
ラストはさすが桐生!な感じで終わって幸せな1冊でした。
デパートの「プライス」シリーズの最終巻です。
ものすごくどきどきしたけど、最後はとってもHappyですよ。
この方の小説は、本当にジェットコースターみたいに展開がいっぱいあってどきどきしっぱなしでした。
まず今回初登場の國領誠一くん。怜史の後輩で、一途に慕っている性格のいい子です。
尚也が隠しているとはいえ、怜史の弟ということは明らかなのですが(外見がそっくり)それを知らない振りして一生懸命、誠心誠意面倒見てくれます。
ホントにいいやつです。
怜史に対する、並々ならぬ愛情があるようなんですが、今回はこの部分は語られませんでした。とっても気にかかっているので、ぜひぜひ続きが読みたいところです。
もう一人は怜史・尚也の年上の従兄弟に当たる一宮威彦。イギリス住まいの芸術家で野性味と洗練とを兼ね備えたイイオトコです。
この威彦が登場することによって、みんなの関係はとたんにギクシャク。
いきなり従兄弟のなれなれしさで、尚也を口説いてくるし、牽制の意味で桐生が出張ってくると、お酒の席で煙に巻いてしまうし。天然のタラシぶりにみんな振り回されぎみです。
なのに、そんなときに持ち上がる東都デパート再編の動き。
東都存続のために合併も辞さない兄・怜史と、合併だけは認められない尚也は大喧嘩をしてしまいます。東都の運命は? 桐生のコンサルティングはだめだったのか…?
その流れを一気に変えたのは、実は怜史でした。
男らしい怜史、兄としての怜史、いろいろな姿を楽しめました。
そしてそして、桐生も今回ものすごく男らしくてキュンキュンきました。
仕事で、お互いなかなか会えない、そんな桐生の最後のサプライズが胸に温かく残りました。
番外編は「こぼれる声のリミット」。
怜史おにいちゃんのすごく可愛くてセクシーな一面が、またまたキュンキュンです。