ずいぶん過保護に育てられたんだな…。

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表題作ふらちな恋のプライス

桐生行成,28歳,経営コンサルタント
瀧口尚也,22歳,デパート新入社員・グループの末っ子御曹司

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

大企業一族の末っ子・瀧口尚也は、経営不振の老舗デパートに勤めることになったのだが――。

老舗デパートで内定前からアルバイトを始めていた瀧口尚也は、接客のことで一人の男から注意を受ける。その男は、経営不振の最中にあるデパートを再建するために呼ばれた会計士だった。
大企業一族の末っ子として育てられた尚也は、やがて社員として働くことになるのだが、慣れない売り場で常にトラブルを起こしてしまう。
そんななか、いつも尚也に厳しい目を向ける男が意外に優しく接してきて……。
出版社より

作品情報

作品名
ふらちな恋のプライス
著者
和泉桂 
イラスト
高久尚子 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
ふらちな恋のプライス
発売日
ISBN
9784062556996
2.7

(9)

(0)

萌々

(2)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
4
得点
23
評価数
9
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

無意識にツンデレを振り回すワンコ

クールなエリートの桐生と素直で可愛らしい尚也。

桐生はエリートで優秀な公認会計士で、
尚也は本当は老舗デパートの御曹司だけど、
今はそのデパートの新入社員。
仕事モノですが尚也が新入社員なためか、
尚也の成長を含めた内容なのがちょい新鮮でした。

尚也とちょっと年の離れた兄の怜史は同じデパートの有能社員。
その兄がデパート再建の為に呼んだのが会計士の桐生。
素直だけど要領がいいとは言えない尚也は接客が上手くいかず、
そんな尚也を厳しく叱責しつつも慰める桐生。

もともとコドモは相手にしたくないオトナな桐生だけど、
怜史にお目付け役を頼まれているので尚也を慰めたりしている、
というだけあって桐生の慰めって時々解りにくいです。
しかも今の所異性愛しか知らない尚也にキスしてみたり。
とはいえ尚也も段々桐生にある種の想いを感じ始めてきて……

コドモは相手にしない筈の桐生だけど、
尚也をみると可愛らしいと思ってそのペースに乗ってしまう。
そんな自分に戸惑ったり迷ったりする桐生が好きです。
ツンデレなんだけどクールな癖に人間臭いというか、
あれこれ自分の感情を理性的に分析しつつ、
それらをすっとばして尚也に惹かれていくところとか、
私的には理想のツンデレでした。

ただ、無防備に自分を誘って気付かない尚也に苛立ち、
その苛立ちをぶつけるのと尚也に本音を伝えるのとで、
無理に尚也を抱こうとしたシーンがちょい微妙?かな?

途中ふたりの気持ちがすれ違ってもうダメ?な感じでしたが、
ラスト近くでようやく実ったのでそこまでがドキドキでした。
そんな感じなのでエロシーンも少なめ。
尚也の性格が性格だからというのもあるのか、
全体的に綺麗で可愛らしい話だったと思います。

0

エリート・ツンデレ!

瀧口尚也は、老舗の東都百貨店のアルバイター。真面目な努力とコネによって正社員の採用も決まっています。
じつは尚也はこの東都グループの末っ子御曹司。純粋培養で何ひとつ苦労をしたことがない尚也は、憧れの次兄・怜史と同じ東都デパートに勤めたかったのでした。
ところが、洋菓子売り場でもたもたと接客をしているところを桐生行成に見られて大目玉をくらってしまいます。

桐生は怜史の大学の同級生で親友。経営が傾いてきた東都デパートの建て直しにやってきた敏腕経営コンサルタント。要領の悪い尚也にいらいらとするのか、ことごとくつらく当たります。始末書もいっぱい書かされてしまいまます。

尊敬する兄の親友だからと必死に我慢する尚也。
ところが、その桐生と兄とが談笑している姿を見て、激しく動揺します。
桐生のことが好きだと知ってしまった尚也。

そんな時、ワイン売り場に転属になった尚也は、ビンテージ物のワインを割ってしまい…。

デパートを舞台にした、ツンデレ相手に健気に立ち向かう、そんな尚也に「がんばれ!」と思わず言いながら読んでしまいました。

5

綺麗なお話でした

瀧口尚也は、百貨店に就職することが決まっている大学生。
就職前に接客になれる意味でもと、アルバイトを同じ百貨店の中の洋菓子売り場で始めた。
ところが、アルバイトの尚也に対して新しく赴任してきたという会計士は「接客態度がなっていない」と怒られる。
今まで尚也は、四人兄弟の末っ子でそんなふうに頭ごなしに怒られたことなんてなかったから、会計士・桐生の印象は最悪のものとなってしまった。
実は尚也は百貨店の社長とは、おじ・甥の間柄で尚也のすぐ上の兄は、後継者として別の支店で勤めていた。
優秀な兄たちがそれぞれの事業を引き受けてくれるから、尚也は自由にしていいと言われていて、でもそのことが、尚也が役に立たないと言われているようで、尚也にとっては大きなコンプレックスになっていた。
おまけに勉強はできても、基本的に温室育ちである尚也には、接客の仕事は荷が重い。
それでも少しでも仕事ができるようになりたいと、日々頑張るけれど、自分の力ではまだまだ及ばないこともたくさんあり、たくさん失敗も繰り返してしまう。
そんな中で、いつも尚也に厳しい目を向けていたはずの桐生が落ち込んでいる尚也をそっと慰めてきて、尚也は自分の中に育ちつつあった気持ちに気がつく。
けれど桐生は自分のすぐ上の兄の事をとても大切に思っているようで……

という話でした。
すれてない系の御曹司の話は結構BLとして王道だとは思うんですが、この作者さんが書くと、見事に子犬系のスレてない御曹司になって、とてもかわいらしいです。
似たような設定の話はいくつもあると思うんですが、個人的にはこの作者さんの書く話はとても優しくて可愛らしい話になるのでとても好きだなぁと思いました。
尚也に決して嫌味はなく、何に対しても一生懸命なところ、意地をはろうにも最後のところで素直な自分の感情が漏れ出てしまうところ、すごくかわいらしかったです。
相手の桐生は、鳴り物入りで経営の立て直しをするためにやってきたので、決して尚也に対して甘い顔しようとか、そんなつもりはもともとなかったはずなのについつい漏れ出てくる尚也のかわいいところに惹かれてしまってほっとけなくなってしまう。
そんな感じの綺麗な、とういうよりはピュア成分の高い物語でした。
思わず、少年のような気持ちになって綺麗な物を眺めている気分になりました。

1

攻のキャラクターがもうダメ。

和泉さんで私のかなり苦手な系統を見事に引いてしまいました。これはもう『やってしまった』としか言えません。

もともと『お仕事もの』は好みじゃないんですが、和泉さんのお仕事ものは特に合わない。

とにかく、桐生(攻)のキャラクターが個人的にものすごく!最低レベルで苦手なタイプでした。
コイツよりは無駄でクドいわりに内容は浅い仕事描写の方がまだマシかと迷うほど、文字通り出て来るだけで気分が悪くなるくらいでした。
だからといって尚也(受)もまったく好みじゃなくて鬱陶しい。

つまり、設定(お仕事もの)もメインキャラクター2人もイヤで堪らん。魅力のカケラも感じません。
これでいったいどこをどうやったら楽しめるのかというくらいにつまらなかった。

まったく乗り気になれずにうんざりしながら読んでいましたが、桐生が職場でいきなり尚也にキスした時点で、アホらしくて投げ捨てたくなりました。

後日、食事に誘ったあともキスしてますが、こんな傲慢で身勝手な振る舞いが『余裕のある大人』なんですか?
桐生のそういうところが特にダメでした。寒気します。

私は『年の差(年上攻に限る)』がこの上なく好きなんですが、当然ながら『年の差』があればいいってわけじゃないんですよね・・・
改めてそれを痛感した作品でした。

とりあえず、私にしては珍しく『シリーズ纏め買い』をしなかったので(あらすじ他から『・・・この攻は無理かも』と感じたので試しに1冊だけ。和泉さんだし←キライじゃないけど基本的に合わない)、この1作で即縁が切れるのだけが救いです。

個人的に、ホワイトハートの和泉さんは全滅です。

3

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