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表題作知らない顔

春山大道 会社員(高校の同級生で幼馴染)
田辺真 卓球選手(高校の同級生で幼馴染)

同時収録作品運命のひと

星野 歯科医
杉田守 41歳 会社員

同時収録作品初恋のひと

唐橋ハジメ 美容師 
藤原 直 デザイン会社の下請け 

その他の収録作品

  • 運命の恋人
  • あとがき

あらすじ

いつも春山の後ろをついてきていた田辺は、今では卓球部のエースとして学校中の期待を背負っている。春山の知らないすました顔で──。彼らの学生時代から社会人まで、ジリジリと焼きつく恋の痛みを描く大人気シリーズ!
 超話題作「運命のひと」「初恋のひと」も収録。ショート描き下ろしアリ!
出版社より

作品情報

作品名
知らない顔
著者
日高ショーコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
発売日
ISBN
9784862634139
3.9

(129)

(47)

萌々

(35)

(42)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
33
得点
503
評価数
129
平均
3.9 / 5
神率
36.4%

レビュー投稿数33

とにかくハルちゃんがカッコいい。もどかしいその恋を持て余す。

すれ違う二人が、恋になるのはずっと後。
幼馴染の真はいつもハルちゃんにくっ付いていて。ハルちゃんに追い付きたくて、卓球を始めたのに。春山の方は直ぐに自分より上手くなってしまった真に、何とも言えない悔しさ、のようなものを感じて、卓球から離れてしまう。春山は高校ではバレー部を選んだ。卓球部のエースの真はもっと強豪校に行ける筈なのに、春山と同じ高校に入学する。「ムカつく。」どうしても気にしないわけにはいかないほど、近くに居るのに。「まとわりつくな!」と、言われたからと、知らんぷりしている真にイライラする春山。ある夜、部活の後、春山は真にイライラをぶつけてしまう。「そんなの知らない!」と、駄々をこねるみたいにムキになる真に興奮して。抜き合いっこして。それからキスをして。付き合ってたわけじゃない。エースの真への劣等感を拭えないまま。そんな中途半端な関係を持っていた二人。
それを忘れていたわけじゃないけれど。数年後、信販会社に勤める春山は会社が専属契約をした、ドイツ遠征から帰国したという卓球選手のエース、真と再会する。あの頃の苦い劣等感がまたぞろ頭をもたげてくる。苦しい。
真は何を考えて自分の前に現れたのか…。
知らない、と言いながらも、ずっとずっと春山に執着していた真と、そんな真への劣等感だとか何だとかを、どこか諦めて、観念して、受け入れる春山。真の粘り勝ち、なのか。春山がここで逃げずに受け止めたからなのか。やっと恋になる。回想と現在と、常に春山目線で描かれていて、緊張感のあるストーリーでした。
とにかく、真を思い出すと苦い記憶しかないけれど、それでも受け止めるハルちゃんがカッコよくて。真は幼い頃から惚れてはいたけど、惚れずにはいられなかっただろうとも思います。
そして、その目線や背の高さ、ルックスもさることながら、たまにメガネをかけるその姿にも萌えます。ずっと抱かれたかっただろうけど、スポーツ選手がそんなで大丈夫だろうかと余計な心配をしてしまう、お布団に潜ってしまった真の上に寄りかかって新聞を読んでいるハルちゃんが好きです。
こんな風に、甘えたり、甘えさせたりして、二人は付き合って行くのだろうな。

同時収録は、ドSの歯科医に弄ばれるリーマンのショートストーリーと、その後日談、「運命のひと」「運命の恋人」。拗らせた初恋のひととの再会「初恋のひと」。真摯な気持ちはそのままだけど、珍しくシュールなコメディタッチになっています。

0

ライトな短編集です。

日高ショーコ 初読み

3つのストーリーからなる、短編集

「顔シリーズ」
将来を有望視されている、卓球部の田辺
バレー部に所属する春山
2人は幼なじみ。かつては一緒の卓球クラブに通っていた。

まとわりつく田辺を疎ましく思い、遠ざけた春山。
今では、会話も交わさない仲に。

不意に一人居残り練習をする田辺を見かけ、
からかい半分に声をかけた春山だが、
田辺の反応に、思わず互いにヌキあってしまう。

こいつをどうしたいんだろう
行き場のない気持ちをかかえつつも、田辺が気になり、
再び構ってしまう春山は、
シャワー室で、田辺を求めてしまうが…

劣等感からの葛藤を抱えつつも、
2人はそれぞれの道を進み、社会人へ

再び出会う2人だが、どんな答えをだすのか?

「初恋のひと」
オレの初恋は、唐橋。
藤原が予約した美容院に居たのは、
野球部で一緒だった唐橋だった。

一方的に惚れすぎて、
再会した唐橋を追いかける藤原。
初恋は実るのか?

「運命のひと」
歯痛止まぬ、杉田
明かりの灯る歯科に飛び込むが診療時間外、
受付で揉めていると、診療OKと
イケメン歯科医 星野が現れた。
しかし、星野はドSな先生だった。

どれも、さらりとライトなお話。

「初恋のひと」の唐橋、
中学時代だけが驚く程ブサメンで萎えたけれど。

他はイケメン揃いです。

0

3つのお話しが収録された短編集

誰からも認められる田辺と幼なじみの春山。
突出した才能を妬ましく思えば思うほど、言い表せない感情を持て余し見失ってしまう春山の苛立ち。
幼なじみ特有の近さに振り回し振り回される関係性の絶妙な間合いと、その空気感についはらはらしてしまいます。
そして、何も語らず春山のあとを追い続ける田辺の強い意思にぎゅっと心を捕まれてしまいました。
言葉にしなくても通じるはずなのに心を通わすことが難しかった高校時代から、忘れたふりして大人になってからの再会。
理由のつかない関係でも一縷の望みを託す田辺の強さにまた引き込まれます。
たった一言を聞きたくて仕方なかったのですが、事後の2人の気恥ずかしさにほだされてしまいました。
結果的には3部構成となりましたが、ページ数の少なさに驚きつつも十分な読み応えと多少の心残りに満足度の高い作品。

他同時収録「初恋のひと」「運命のひと」
テーマ主体のせいか少し思い描く作風とは異なり、新鮮な気持ちで読むことが出来ました。

0

安定の面白さ

3つのお話が収録されていたのですが、
この単行本に収録されている黒医者のお話がとにっっかく大好きでした。

虫歯で苦しむオジサンに痛みの伴うひどい治療を施すドSな歯医者さん……ほんと怖かった(笑)
麻酔なしでそんな治療を施されているのに優しいお医者さんですねとのたまう40過ぎのオジサンもどうかと思うんだけど、この人がまたアレな人で、重度のドMだから喜んでたっていう(笑)
治療中に目を輝かせている医者の顔が頭から離れなくなりそう(笑)
性癖を理解し合える理想の相手を見つけられて良かったね!という…幸せ?なお話でしたww

続編が読みたい作品

0

『顔』から溢れ出る思いと色気

 表紙のシリアスな二人。すっぽり腕の中に収まる可愛さとか、意味ありげな視線とか、黒髪の田辺がたまらなく好きです!
 ほとんどがテーマアンソロに沿って描かれた作品と言うことで、表題作は「ツンデレ」と「びしょ濡れ」のようです。それででしょうか、攻めも受けもツンデレキャラです!

・『知らない顔』『見えない顔』『消えない顔』
 春山を追いかけて卓球を始めたのに才能あふれる田辺と、差を付けられてしまった春山。田辺は寡黙だけれど、体は積極的に動くタイプで、子供のころも春山と一緒にやりたいという理由で卓球を初め、熱心に練習します。田辺において行かれるのが怖い春山は、卓球からも田辺からも離れて行く・・・。親友でライバル同士なら、そこで終わってしまう関係ですが、田辺は子供のころから春山が好きなんですね。「まとわりつくな」と言われたことを気にして、距離を置いたままでいたけれど、それが春山にはバカにしている、無視されていると感じて苛立つ。激しく攻められて思わず「ハルちゃん」と口を付く田辺の『知らない顔』に春山は・・・。この時の田辺の『顔』がすごいそそるんです!戸惑いと恥ずかしさと嬉しさが混ざったような、なんとも言えない色気があるのですよ。見られないように顔を反らせようとしても春山に腕を掴まれて、体も反応してしまって、それを見た春山が思わず手を出してしまう。田辺に触れながら子供の頃みたいに「真」と呼ぶ春山。昔みたいに呼び合って、再び近づく二人。春山がいつも追いかけて、田辺はそれを望んで体は受け入れているのに、決して口にはしない。次のシーンが社会人になってからなので、どんな風に再び離れて行ったのかが描かれていないのですが、大人になった春山が夢に見る、高校最後のバレーの試合での「あのまま見送らなければ、一歩踏み出していたら」という苦い後悔は、そのまま田辺に対する後悔なのでしょう。再び現れた田辺に「春山にされたこと、俺は覚えている」「あれってどういうイミだったの?」と聞かれて、また逃げ出してしまう春山ですが、田辺が自分に会いたくてここに来たことを知り、やっと一歩が踏み出せました。昔の『顔』にもどる田辺が凶悪なまでに可愛くて色っぽくて、その上ウブなんです!!黒髪寡黙キャラ、最高です!

・『初恋のひと』
 不細工をテーマに描かれた作品。野球部で憧れていた不細工だった唐橋が、イケメン美容師になっていたというお話なんですが、野球部時代の唐橋が不細工すぎて笑いました!まじでひどいよ、あの不細工加減。それなのに藤原には前の唐橋が今でも一番格好よく見えてる。反対に唐橋が藤原のことをよく覚えていたのは、キレイな顔が忘れられなかったという対照的な理由なのもいいですよね。不細工とイケメンでぐるぐるする藤原ですが、唐橋を好きになったのは見た目じゃなくて、その優しさと楽しんでいる時の笑顔だったと気がついて、今も同じ顔をする唐橋が好きなんだと心から思うのです。最後の4コマ漫画も笑えて、不細工とかBLでやめてほしいわーと思っている私ですが楽しめました!

・『運命のひと』
 オヤジ受け、嫌いじゃないのですが、運命だったからよかったものの、下手したら犯罪ですわよ・・・てか犯罪ですっ(笑)歯が痛いって耐えられそうもないので、私にはじっくり読めない作品なのです(´□`。)

2

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