檻に入れられていてすら手癖の悪い獣のようだ。

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表題作蝶宮殿(ファラ-シャマハル)の王子様

ムスタファ・幽閉されたベノール王国第四王子・22歳
羽生望・第一王子と親しい日本人青年。翻訳家・26歳

あらすじ

淡い恋情を抱いていたベノール王国の第一王子ナイルスに、翻訳家として招かれた望。しかしその主な仕事は蝶宮殿に囚われた第四王子ムスタファの無聊を慰める事だった。初めこそどうにもならない鬱屈に荒れるムスタファだったが、次第に生来の屈託なさを見せるようになっていく。一方、ナイルスの施政者としての冷酷さに疑問と迷いを持ち始めていた望は、ある誤解からムスタファに媚薬を盛られ、劣情に疼く身体を荒々しく凌辱されてしまい!?
出版社より

作品情報

作品名
蝶宮殿(ファラ-シャマハル)の王子様
著者
沙野風結子 
イラスト
稲荷家房之介 
媒体
小説
出版社
ワンツーマガジン社
レーベル
アルルノベルス
発売日
ISBN
9784862961006
2.8

(6)

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萌々

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(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
16
評価数
6
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

沙野先生の初アラブ!

沙野先生の初のアラブ作品です。
ヤクザやシリアスな作品が多いので、意外な感じがしましたが、王子の監禁され幽閉されていた日々がアラブ色でなく、ちゃんと沙野色(一年半窓のない地下牢で幽閉、逃げ出さないように召使を見せしめに惨殺)していたところがさすがです。
アラブの小国の王子に乞われ、第三王子の話し相手にと呼ばれた日本人青年羽生望。
最初は第一王子ナイルスに惹かれていたのですが、圧制の様子や弟王子に厳しく当たる態度に、だんだん不信感がわいてきます。その代わり、粗野だと思っていた第三王子の身の上に同情し。。いつしかそれが愛に。
粗野なムスタファが望にあまえる様は、やっぱりアラブでしたが、沙野先生が苦手なアラブをがんばっているところをご堪能ください。

3

沙野さんのアラブモノ

学生時代、淡い恋心を抱いたベノール王国の第一王子、ナイルスに翻訳家として国に招かれた望。
しかし彼に与えられた役割は、蝶迷宮に軟禁されている第四王子ムスタファの伽人として彼を慰めることだった。
鬱屈し強引に迫ってくるムスタファに初め腹を立てる望だったが、時々見せる屈託のない表情には惹かれていく。
その頃国には第一王子と第四王子を対立させる不穏な動きがあって……

そういえばアラブもの初読みな気がします。
アラブ。遊郭、ヤクザなんかと並んでBLで一大ジャンルを築いている(ような気がする)ジャンルですが、なんかハーレクイン!!という印象があって手を出しかねていたんですよね。
今回手に取ったのは作者パワーということで。

とらわれの王子様との恋。
アラブということで(?)媚薬とか牢とかトキメキのアイテムも健在。出てくるモノはそれほど珍しくないけれど、沙野さんだと何でこんなに濃いんだろ(笑)
強引で無茶苦茶に見える王子は、所々幼くてかわいい。

最初お兄ちゃんの方に恋心を持っていて、実際学生時代途中まで色々していた望がムスタファに惹かれていく過程がちょっと急だったような気がします。
このお兄ちゃんの真意があんまり書き込まれていないから結局この人がなんだったのか中途半端になってしまっているかも。
望とのこれまでが遊びだったにしては微妙に執着しずぎてるし、かと思えば弟にあてがってみたり。
なにがしたいのナイルスさん。
兄弟の間で揺れ動く望がもっと見たかったけれど、たぶんそれはそんなにメインじゃないんですよね。

2

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