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表題作あの日のきみを抱きしめたなら 1

六浦 健吾(編集者・幼馴染)
沢木 秀利(デザイナー・幼馴染)

その他の収録作品

  • あの頃…
  • フリートーク

あらすじ

かつて幼なじみの沢木を無意識に振ってしまった六浦。恋人に暴力を振るわれながらも「抱いてくれるなら誰でもいい」という沢木に…。
出版社より

作品情報

作品名
あの日のきみを抱きしめたなら 1
作画
山本小鉄子 
原作
崎谷はるひ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
ルチルコレクション
シリーズ
あの日のきみを抱きしめたなら
発売日
ISBN
9784344813724
3.9

(50)

(19)

萌々

(14)

(14)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
20
得点
193
評価数
50
平均
3.9 / 5
神率
38%

レビュー投稿数20

原作付き山本小鉄子作品

崎谷はるひさん原作、山本小鉄子さんによるコミック。2巻で完結です。

親友から恋人に、と一言で言えばそういうストーリー。
しかし、恋愛経験のない攻め側は、相手の気持ちに気づかず突き放してしまう。でも離れられずに、友人として何かと面倒をみる(振られたらなぐさめる係)。
一方、受けの方はずっと片思いだが、男同士ゆえに受け入れられず、適当に出会い系で処理したり、暴力をふるう男ともつきあっている。

のですが、やはりストーリーがあるとしっかりした物語になると思いました。ただ、後書きで書かれているように、攻めの髪型など、色々やりにくかったのかもしれないな、という印象はあります。
山本小鉄子さんであればストーリーの方も十分作る力のある作家さんですものね。

0

ノンケ×ゲイって… 尊いですね(悟り)

※こちらの作品は2巻まであります!
続き、絶対読んで下さい!!2巻は神評価!!
(レビューしてます)

ゲイ【受け】の秀利は2年先輩、
ノンケ【これから攻めになる】健吾とは幼なじみ。
元々、ゲイの秀利はノンケの健吾の事が好きで、
片思いするも、家族ぐるみで付き合いもあるし、
秀利の高校卒業式の日に、
自分がゲイであることをうちあけ、そして、
告白しようにも、これからも変わらず友達だ!
と、先に言われてしまい、
以後、数年は二人とも恋人を作るが、
うまくいかず、しかも、
秀利の方は、恋人からDVをされてしまう。

といった、シリアス&ピュアなLOVEstory
1巻だけじゃ、まだ甘さが足りない…
でも、これは、攻めがワンコになる予感…

0

あの日の俺へ

幼馴染同士がすれ違う、切ないラブストーリーです。掛け違えたボタンに苦しむ健吾と、ずっと片思いに苦しむ秀利が、切なくて胸が痛かったです。

健吾と秀利は、2歳差の幼馴染です。
高校も一緒で仲良かったのに、秀利の卒業式の日に、秀利からの突然のカミングアウトがあって…。驚いた健吾は、平静を装いながら答えを間違えるのです。それは、秀利の想いを拒絶するもので。

その後も、何もなかったように友情は続くけど、秀利が付き合うのはDV男ばかりでした。
そんな秀利が心配で、それ以上に複雑な思いを抱いている健吾。
だけど、健吾は幼馴染から恋人へどう変化していけばわからないし、秀利は健吾を自分と同じ道に行かせたらダメだと拒絶する…。

なかなか重ならない二人の想いにキュンとなります。特に、健吾が後悔して、10年前の自分に語りかけるシーンが切ないです。
ただ、金沢が本当に酷い男で、読むのが辛かったです。

4

ああ、両片想い。キュンキュンします。

好物の幼馴染みの年下×年上美人なので、浮かれて読ませていただきました。
ゲイをカミングアウトしている秀利が酷い男に引っかかるのを、毎回心配して見ている健吾。
ああ、両片想い。キュンキュンします。
昔、秀利が健吾に告白しようとした事に気付かず、結果的にはふってしまう結果になった事を健吾はずっと悔やんでいるのですが、BLじゃない普通の話でただの幼馴染みだという設定だとしても、もう最初から秀利にベタ惚れにしか見えないのですが。
秀利が、女々しいと云う意味ではなく本当ただのヒロインなので、つくづく自分はこういうタイプ好きだなあと思うのでした。美人受け、大好物です。

偶然、付き合っている男が秀利に暴力をふるっている現場に居合わせた健吾は、その男を殴りつけて、秀利と無理矢理(?)関係を持ってしまいます。
これでめでたし、めでたしではなく、スタートなのですが。
20代のゲイの焦りもよく分かるので、全体的に秀利がゲイである事に関する葛藤が描かれていて、じれったいと思いつつも、秀利には幸せになって欲しいなあと思って読んでいました。
二冊まとめて購入したので、これから2巻読みます!

山本さんは、この頃の絵柄が一番好きです。
今は大分変わられてしまいましたよね。
可愛い絵柄なのですが、健吾の同僚の女子(いい姐さん。好き)はちゃんとOLしてます。なのに、何故秀利が付き合ってるDV男だけがスーツ来てても子供にしか見えないんだろう。これはすごく違和感でした。

0

攻めの葛藤が

健吾が沢木を好きなのかってすごく悩んでるのがリアルだった。漫画の世界だと、自分が男を好きって分かった時は、割とあっさり認めることが多かったけど、これはリアルに感じた。沢木も好きなのに10年間も友達でいるなんて、よっぽど健吾のことが好きなんだろうな。「あしたのきみはここにいない」の受のキャラだった朝陽の姉も登場していて、同期の健吾の恋愛相談にものっちゃってるし、朝陽の姉キャラ結構好きです。2巻楽しみです。

1

王道ストライクです。

小鉄子先生の漫画が好きで、いろいろ読んでいたらこの作品に出会いました。
原作が別の作家先生でどうなんだろう?と疑心暗鬼で読んでいましたが、これがどストライク。小鉄子先生の明るくほのぼのした恋物語とは違い、リアルでアダルトでせつないですが、何度も読み返し、これからも読み続けて恋の胸の痛みを噛みしめたい作品です。

幼なじみで、お互いを大事に思いながら過ごしてきた秀利と健吾。二人ともお互いがかけがえ のない存在だとわかっているのに、過去のすれ違いから境界を越えるきっかけがつかめない、そんな二人の葛藤が丁寧に描かれています。

秀利の姿が痛々しくて切なすぎます。健吾が好きで大事だからこそゲイの自分から健吾を遠ざけようとする。カミングアウトして家族と絶縁したのもその決意の一つだったと思います。なのに健吾はそんな秀利が見ていられなくて、大事な幼なじみとして慕いそばに居続ける。そのことがさらに秀利を苦しめているのにも知らずに。無理矢理秀利を抱いた健吾に「健吾はひどい男だ」という秀利の台詞が胸に突き刺さります。

健吾に道を踏み外させたくない想いから、健吾を好きだと言わない秀利と、そんな秀利の思いやりが痛いほどにわかって、自分から好きを連呼する健吾。秀利が「こんなのは間違ってるって自分が諌めないといけないのに」という台詞もステキです。二人の思いが通じあったとき愛だなぁと思いました。二人とも男らしくてカッコいいです。BLの醍醐味ですね。

気持ちが通じあうまでの葛藤、すれ違いの物語をキュンキュンしながら読みたい方におすすめです。

2

切ない

原作の方が好きです
が、山本さんも大好きなので
当然購入しました

イラストになるには非常に辛い暴力があります
暴力というパーツはほーーんと
嫌なのでとても切ないです

幼馴染の健吾と秀利
秀利はゲイで付き合う男とこじれることが多い
自虐的な付き合いをしている
この設定だけでかなり嫌な気持ちになりました

が・・・実は高校時代に秀利が健吾に自分は男が好きだと告白をしており、健吾はその気持ちをくみとることができず、話を終わらせてしまっていた

という過去事情があります
非常に切ない
相手を思うがゆえの言葉選びって
難しいし
それが卒業とか、区切りのものであればなおさらだ

誰でも良いなら俺にしろ
これは、blではかなりの
男前セリフですが
大好きです

抱かれた後にいう、ひどいね健吾
このセリフが一番好きです

1

うーん・・・

山本小鉄子先生の作品のファンなので、購入しました。

あらすじを読んで、ある程度覚悟はしていたのですが、シリアスなお話でした。
原作者の崎谷はるひ先生の作品を読んだことがなかったため、小鉄子先生の作品を読むときのテンションで読んでしまい、軽い衝撃を受けました・・・

全然面白くなかったというわけでもないのですが、何度も読み返したくなるような作品ではなかったかな、という印象です。
私は小鉄子先生の描くラブコメディが好きなので、この作品のようなシリアスなお話はあまり合いませんでしたが、崎谷はるひ先生の作品が好きな方は楽しめるのではないかと思います。

1

女性キャラが苦手だ

あらすじは他作品に詳しいので改めて説明はしないことにします。
面白かったです。主役カップルの恋愛のお話は。
あと、山本小鉄子さんの絵が改めて大好きだと思いました。唇の描き方が神がかってると思う。本当に柔らかそうで、キスシーンが素晴らしいです。
ただ、崎谷作品に共通して感じる不快な部分もありました。女性キャラの描き方です。
攻めの初カノがウザ女なのは誰もが認めるところだと思いますが、サバサバ系の女性がどうにも苦手で。
崎谷作品に登場する味方側の女性キャラによくいるタイプなんですが、断定口調&ドヤ顔で語ってる場面を見ると、まーたこのタイプかァ…とウンザリしてしまう。相談されたら聞き役に徹して、けして決めつけたことを言わないのが真のサバサバってもんじゃないのかなァと思ったり思わなかったり。

2

切なさ満載

まるごと一冊ひとつのお話。

せつない系のお話が好きな人には
とってもキュンキュンくるお話ではないでしょうか。
そういう自分も、とってもとってもとっても楽しめました。

傷付いた経験があれば、同じことにならないように・・と
保護本能が働くのは人間のスバラシイところで。
受けの秀利くんが、ちょっぴりマイナス思考だったりするのも
そういうところからなんだろうなぁ、苦労したんだろうなぁ、なんて
せつなくなってきます。。。

でも、自分で自分の気持ちを理解していない健吾が
気持ちに正直にガシガシ動き出すところがまたかわいい^^

この1冊では完結してなくて、続く~の状態になっているので
2冊目を準備して読み始めないと!ですね^^

0

恋かどうかもわからないまま

原作付きのマンガの場合基本的にそれはあんまり意識しないようにして読んでるんだけど、今回はこの受けの後ろ向き具合と、現在過去の書き方とかが崎谷さんらしいなあと思った。
作画の山本小鉄子さんとの繊細な絵とのシンクロ具合も素敵です。

ゲイであることをカミングアウトしている友人、秀利がずっと気になって仕方ない攻、健吾が主人公。
一度外してしまったタイミングから、距離感を縮められずに大人になってしまった二人。
しかも秀利には今彼氏がいるのですが、そいつが仕方のないDV男。
そこから離れることの出来ない秀利に苛立つ健吾ですが……
このぐるぐる具合がなんとももどかしいです。
個人的に山本さんの描く泣き顔がすごくぐっと来てしまう。
色々あって身体はつないだけれど、まだ心までつながれない二人です。
よしまた続きを買ってこよう。

1

すれ違い

読みたいな~と、懸命に近所の書店を回ってそろえたのに結局読まずに1年~たってしまいました。ドンだけw
小説が元らしいですが、マンガ単品でも十分楽しくよませていただきました。
お話は、高校時代の先輩と後輩。
先輩が、自分に気持ちを寄せていることは解かったのだが、
タイミングがうまく合わず、結局おざなりのまま
ゲイをカミングアウトした先輩との関係は、社会人になって復活
お互いに、恋人を作ったりもしたのだが・・・・~なお話ですね。
なんだかんだで頼ってくる先輩と、それをなんだかんだで
誰よりも面倒を見てしまう後輩。
お互いに好き・・という気持ちは見えるのに~な部分がウマでしたね。
「抱いてやるから」どうちゃら~な台詞が個人的には無しなだ~と思うところをのぞけばよく出来た話。
まだるっこしい 長いときを経て~のカップルがホッコリというところでしょうか。
もう少しインパクトあっても良かったかな~と今は思う

0

ずっと心の端に刺さり続けた棘

 悲しかったー。せつなくてすごく胸に響きました。
 確かなことをただひとつでも確認し合えればいいのに、それが大人になるにつれて出来なくなってしまった、そのはがゆさが、せつなくてせつなくて。

 そしてそして!この作品には思わぬところで、私のタイプな人が登場するのです!
 ヤンデレです、ヤンデレ!英利の彼氏の金沢くんのことです!
 DVするっつーからどんなお兄さんだよって思っていたら、全然小さいし(英利よりは大きいけど)顔もイケメンで、しかも登場シーンのときの服装が、私の萌えツボを刺激する「浴衣」で。あーもうかっこいい、かっこいい!萌える・・・神様ありがとう!(何) 久々に好きなキャラにめぐり合えました。

 この作品は本当に良作で面白かったのですが、ただひとつ言わせていただきたいのは(贅沢だな!)、女の存在がネックでした。渋谷先輩の、相手のことを考えない行動や言動はイラッときました。それがなければ話がなりたたないっていうのは分かるんです。分かるのですが、Hまでしちゃうなんて・・・。健吾・・・

 ど ん だ け 流 さ れ や す い ん だ よ 。

 まぁリアリティがあるといえばそうなのですが。
 彼女の悔しそうな顔を見る優越感がなかったからなのか(最低だな!)この人だけは嫌いなまま終わりました・・・。英利がかわいそうすぎてもう見てらんなかったです・・・。
 あと、相談相手の三尾は優しくて良かったんだけど、この位置、男の同僚とか上司とかじゃだめだったんかな?

0

あの日のきみを抱きしめたなら1レビュー。

崎谷はるひ・山本小鉄子コンビの「あしたのきみはここにいない」のスピンオフ作品。
年下攻、幼馴染。弱い設定なんだけど、受が抱いてくれるなら暴力を振るわれも構わないという愛に飢えているやさぐれっ子で参ったぜ。ツボです。

編集者・六浦健吾(ヘタレワンコ)×ゲイでデザイナー・沢木秀利(ネガティブ自虐受)沢木が高校3年生で、六浦は高校1年生で2歳差。
言葉と、テンポと、表情で語る。
回想シーンで、あれが告白だったのか!というか、そういう意味でカミングアウトしたのか!時間差ネタにやられた。
あの日、あの時、意味に気付いて抱きしめていたら彼は暴力を受けるという自傷行為をしなかったのか。彼をそこまで傷付けたのは、自分だろうか。

深かった。
ちょっとしたスレ違いで、こんな風になるんだと震撼した。近付くのに10年掛かった。
年下でノンケの六浦が年上の幼馴染沢木への気持ちに気付くまでが長い。鈍い。気付いてないから、タチが悪い。無意識に沢木を振ってしまった。悪気が無いから苦しい。気付いても、どうしていいか判らない。
言葉とテンポの巧みさにやられた。

学生時代に六浦が渋谷と付き合い出した時の沢木の表情とか…!
多くを語らずとも伝わってくる切なさ。表情の描き方にやられた。

読んで良かった、と思えた作品です。10年…他の誰かに抱かれて暴力を振るわれている間、誰の事を想っていたのか。どうして気付かないんだって悶々。だから、大嫌いなんだよ。お前だから嫌いなんだ。お前じゃなかったら誰でも良いんだ。
本命に、本気で触れるのは凄く怖いから誰でも良いんだ。
深かったです。

2

長い間の片思いが切ない。

アマゾンの売り上げランキングに入ってたので、買ってみました。
ほんと野獣以外では初めて読みますが、元が小説のようですね。
私的にツボな作品でした。

年下でノンケの六浦が年上の幼馴染・沢木への気持ちに気付くまでが大変長い時間でした。
しかし六浦は早い段階で、自分の気持ちが沢木に動かされている事には気付いていたようです。
それこそ、無意識に沢木を振ってしまったと気付いた時よりも前に。
幼さ故なのか、どうすればよかったのかと頭を悩ませる六浦は、
どうする事もできないまま長い間、幼馴染として沢木の側で傷つく姿を見ていたようです。

すごいと思ったのは、言葉と感覚でした。
言葉は、沢木が付き合っている男に殴られている様を、自傷行為のようだと六浦が考え
傷ついているところです。
まさにその通りの行動だと感じます。すごく崎谷さんの感性に引き込まれました。
行動は少し言葉が違うかもしれませんが、沢木が卒業する時に自分は男が好きな人間なんだと告白する部分。
あれが告白だったと六浦が回想しているシーンで、またググっと引き込まれた。
好きだっていってないのに、あの漫画の沢木の顔で全てが分かる。
アレはすごいなーと思います。
崎谷さんの小説も読みたくなりました。

1

崎谷はるひさん×山本小鉄子さんのゴールデンコンビ再び!

究極の選択を5秒で答えろ。
そう言われて、前から考えていたことならともかく、その場で迷わずに答えられる人は少ないと思う。
人生の別れ道は、ふいに訪れるのかもしれない。

雑誌編集者・六浦健吾(ヘタレワンコ攻め)×ゲイでデザイン職・沢木秀利(ネガティブ自虐受け)  年下攻め
秀利が高校三年生で、健吾は高校一年生で、二つの年の差。
卒業式の時に秀利からゲイだと告白されて、俺達の間には、そういうの関係ないだろと言って、間接的に告白を断ってしまう。
一瞬で答えを誤ったと思ったが既に遅くて、それから友達つきあいを続けている内に10年がたって──。

まだ、健吾は彼女作るとか作らないとかの恋愛的に成長していない年齢で、好意はあるけれども、自分がどういう気持ちを持っているのかをわかっていなくて。
秀利の方は前から自分の性癖を自覚していた分だけ、覚悟と恐れがあった。
だからこその、前触れのある保険をかけた訊ね方しか出来なかった。
些細なことがきっかけでかけ違えたボタンと、二人の間で過ぎていく時間をもどかしくも感じました。

でも、時間が経過したからこそ、健吾にも自覚と覚悟が出来て、思いが熟成した分だけ、深みがある関係にようやくなれたのだと思います。
ですが、まだ1巻!ネガティブな秀利は幸せに慣れていなさそうなので、色々とまた悩みそうで心配です。

朝陽のお姉さんが健吾と同じ職場で、人間関係がリンクしています。
気風のいいお姉さんが好きだったのと、ささやかに詳細を知れるのも前作ファンには嬉しかったです♪

崎谷はるひさん×山本小鉄子さんのコンビは、ゴールデンコンビとしか言いようがない位、ぴったりとはまっています。
エロではなく、キャラの心情を追っているので、思いの深さがすごくいいです。
ずばりのエロよりも、こういうタイプの方がより色気やエロスがある気がします。
前作の「あしたのきみはここにいない」も凄くよかったので、お勧めです。

3

抱きしめるのにも理由が要る

最も印象に残ったのは、秀利が健吾に向って言った「お前だけは嫌だ」という台詞です。抱いてくれるなら誰でも良いと言ったその口で、いざ健吾に迫られると拒むのは何故か。回想で語られる学生時代の秀利は、「彼でなければ嫌だ」だったはず。それが「どうせ彼でないのだから誰でもいい」に変化したのでしょう。求める心とその逆の巻き込みたくないという想い、二つの心が彼の心を頑なにし、自傷じみた行動をとらせる。
そばにいる健吾はたまったものではありません。(自分から距離を保ったとはいえ。)何とか秀利の状況を改善させたいと思うが、彼が引いた線を踏み越えることができない。越えることはすなわち「友人」関係の肩書きを捨てるということで、自分の想いはとうにそれを逸脱しているということを健吾が思い知り、覚悟を決めるまでが1巻なのだと思います。しかしまだまだすんなり行かないんだろうなこの二人…でもそこが面白いのだけど。もう少ししたら2巻も発売のようで、楽しみです。
音声化しないかな…。

1

とてもとても好きなんだ、と言えばいい。

崎谷はるひ・山本小鉄子コンビの「あしたのきみはここにいない」のスピンオフ作品。
前回登場した三尾朝陽の姉である夕奈の同僚・六浦健吾と、2つ年上の幼馴染み・沢木秀利のお話になる。
ゲイだということを周囲にカミングアウトし、どこか開き直った風にも見える秀利と、その幼馴染みへ言葉にしがたい想いを募らせる健吾は、決定的な最後の言葉を口にしていないだけで、その実、誰よりも互いを必要としている関係。
男に殴られては健吾のところへ逃げ込む秀利と、揉め事関係の連絡が入ると彼女も放りっぱなしで秀利の元へ駆けつける健吾は、夕奈ではないが正直「キミら濃ゆいって!」と言いたくなる。
これでただの友人関係だと言い張るのだから、んなアホな!とツッコミたくもなる。そりゃもう激しく。

しかしそこを簡単に成就させないのがはるひん先生の腕の見せ所。
高校の卒業時に無自覚にとは言え「そういう意味での」秀利をシャットアウトしてしまった健吾と、それから後も常に傍らにいる健吾への想いを殺してしまわなければならなかった秀利。
それが自らを傷つけるような付き合いしか出来ない秀利と、そんな彼を側で見守る健吾、という歪んだ関係を生んだのだろうか。
こういう複雑な気持ちを交錯させた2人の描写は、さすがネットリ派の崎谷さんらしく巧い。
恐らく文章で読むととんでもなくしつこいんだろうが、小鉄子さんの作画だと、意外とバランスが取れて読みやすいかも、だ。

しかし2人のこれまでの気持ちや想いはフクザツだ。
まだ健吾が特定の意味を持たない好意を秀利に向けていた頃、秀利はすでにそれを察知していた。
しかもそれを嬉しいと感じていたくせに、すり抜けるように健吾の目を別に向けさせたかと思えば、やはり気持ちを伝えたいという衝動は抑えられずに告白。
そしてそれを無自覚に拒絶してしまった健吾は後に自己嫌悪、秀利は当然酷く傷つく。
そして自棄になり自傷行為のように、健吾の前で不毛な関係を続ける秀利。
そんな姿にまた落ち込む健吾・・・というぐるぐるな関係。

ああ、なんて難しいんだろう人の気持ちって・・・・・・なーんて一瞬思ったが、実は馬鹿馬鹿しいくらい単純だったりする。
要するに互いに「好きだ」と言えば良いのだ。
そのタイミングを逸したが為にいらぬ回り道をしているだけで、前回(「あしたのきみは~」)同様、ただ恋をしているだけの2人のお話。
シンプルだけど、シンプルだからこそ巧いなあと唸らされる。

ちなみに次巻の冒頭は山本小鉄子の漫画家人生の中で、もっともエロを頑張った回になる(笑)
だってはるひん先生だもの、それくらいは序の口だろうに。
相変わらず本物っぽい表現で随所でドッキリさせてくれる本作。
まだまだひと波乱ふた波乱ありそうだ。

6

崎谷はるひ×山本小鉄子 第2作

ほんと小鉄子先生と崎谷先生が組むとイメージが変わるというか…
静かなエロスですよね。

今回は幼馴染がテーマ。王道ですね。
健吾(年下・攻)は秀利(年上・受)に対して微妙な感情を抱いていた。
友達以上、家族とはまた違うその感情。
過去に秀利は健吾のことが好きだったが、健吾は秀利が告げる前に無意識に振ってしまった。
そのことに気付いてしまった健吾は激しく後悔することになる。
何せそのせいで10年も二人は、くっつきそうでくっつかない微妙な距離をとり続けることになるのだ。
秀利が気になる健吾。健吾のことが好きだからこそ、自分と同じ道は踏ませないと壁を作りつづける秀利。
お互い大切なくせに、そのせいですれ違いまくってて、ほんと焦れったい…!
その焦れったさを感じている健吾も、叫んだり追いかけたりするでもなく自問自答…
そりゃ関係進まないよ!
でも自分の気持ちに気付いた健吾はついに行動に移します!

健吾も秀利も小鉄子先生作品にしては珍しいキャラクター。
でも、やっぱり頬染め顔は可愛いし、キスシーンでも十分エロいし、うん。いいです。
これがまたいいところで終わってるんですよねー!!
早く続きが読みたいvv

普段の小鉄子先生の作品を読んでる方はあまりにも雰囲気違いすぎてびっくりするかもですけど、これはこれですっごくいいですよ!


3

慎重になる恋

コレ、ほんとにいいですね。
前作の「あしたのきみはここにいない」のスピンオフ本なんですが。
こちらは幼馴染同士、かなり葛藤しています。
カミングアウトしている秀利と、ノンケの健吾。
秀利はずーっと健吾だけがすきなんだけど、告白できない寂しさから心の通わない男と交際している。
ひんぱんにDVを受ける秀利だが、決して相手の男と別れようとしない。
それに業を煮やした健吾は、とうとう秀利と一線を越えてしまうのだが…。

健吾が鈍感なのがいけないのだが、ノンケだからそうとうの覚悟がいるのは解る。
秀利の、健吾だけを拒絶する本当の理由に一途な想いが隠されていて切ない。

好き同士なのに、なかなか近づけない…。
すれ違うお互いの気持ちに、悲しいくらい切なさが溢れています。
お互いの気持ちが通じ合っても、なぜか不安な気持ちになったり、なかなか前途は多難です。
大人ゆえに、無謀になれず慎重になる恋愛がよく描かれています。
カミングアウトの怖さとか、世間体とか、そういう部分もしっかり練りこまれているので、リアリティがあって引き込まれます。
ハッピーなんだけど、なぜか辛いムードが漂うところがたまらない魅力です。

4

この作品が収納されている本棚

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