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表題作ruin -傷-

ガルドラン 隻眼の公爵
カレス 秘書官長

その他の収録作品

  • ruin―林檎とドングリ―
  • あとがき

あらすじ

幼い頃に親友のライオネルに救われ、身も心も尽くしていたカレスは、彼に同性の恋人ができたことで、初めて自分の想いに気づく。
遅すぎた恋の自覚に苦しみながら、懸命に彼の片腕としてカレスは政務に励んでいた。
だがある夜、胸の痛みに耐えかねて酒場に出向いたカレスは、暴漢に絡まれたところを山賊のような男・ガルドランに助けられる。
カレスは酔った勢いで抱かれ、肉体を責められるその行為に奇妙な慰めを見出すが…。
『光の螺旋』シリーズ第三弾。

作品情報

作品名
ruin -傷-
著者
六青みつみ 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
騎士と誓いの花
発売日
ISBN
9784344814615
4.1

(46)

(28)

萌々

(6)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
11
得点
188
評価数
46
平均
4.1 / 5
神率
60.9%

レビュー投稿数11

ボディーブローのようにじわじわと…

痛いほど切なかったです。
ずっと側にいたのに…「好き」という気持ちに気付いた時、その人は別の男の子を好きになっていたなんて。
カレスが好きになった人は、幼い頃からずっとそばにいた人で、次期領主。
彼の役に立つ仕事をして側に居続けたい…たとえ叶わぬ恋でも、彼の為なら自分だって犠牲になれる。
彼が選んだ恋人が、自分のせいで治らぬ病に陥ってしまったのなら、自分も同じように傷付こう。

そんな自虐的、または自己犠牲にすることで、なんとか平常心を保っていられる主人公・カレス。
好きな人・ライオネルが、まったくカレスの気持ちに気付いてくれず、平気でノロケ話をしたりして、とにかくカレスの心を傷付ける。
ライオネルの無神経さに腹が立ちます!
でもライオネルも同人誌「一枚の絵」で、カレスのせいでエリアを死なせてしまうところだった訳ですから…。
同人誌の方も、痛いくらい切ない話なのですが、こちらの方がその何十倍も悲しい!
じわじわと効いてくるボディーブローみたいに、切なさが後から後から込み上げてきます。
最後の最後で、ガルドランがライオネルに、びしっと言ってくれたので、少し胸のつかえが取れました。
幸せなラストとはいかないけど、カレスには幸せになって欲しいなぁ…と思えるラストシーン。
本当に胸を打たれる話でした。

9

久しぶりにこんなにハマッた。

切ない、なんとも切ない。
でも人生ってこうだよね。

自分の大切な人のために、身も心も削って生きている。
誰にも気付いてもらえないけど。
本当は気付いて欲しい。
少しサインも出している。
気付いて欲しい人に気付かれず、自分を大きく包むその存在にまた自分も気付かない。

カレルが切なくて、壊れていく姿もまたきつい。
本当に救いといったらガルドランだけだ。

もーお!バカカレル!早く目を覚ましなさい。
と言いたいけど、幼い頃から親からも周りからも皮膚疾患のせいで愛されずに育ち、初めてそんなこと全く気にしないで抱きしめ接してくれたライオネルと過ごしてきた日々があるだけに、そう簡単じゃないこともわかる。
いくら今、ガルドランが救いだとしても、幼きカレルを救ってきたのはライオネル。
その事実は変わらない。
カレルがいくら壊れようとも、やっぱりやりたいようにやってよかったのかも。

だけどあまりに切ないから、泣けてくる。

8

主役変われば、見方も変わる

作家買いしている六青さん。
これを読んだときに脇カプに覚えがあり、「あぁ以前読んだな」と思いました。
何というタイトルか思い出せなくて、六青さんの商業誌を検索しまくったのですが出てこない……なんで?
間違いなく読んだよ~~と悶えること半日。
やっと気づいた、これ同人誌で読んだんだったorz

めったに同人誌には手を出さないので忘れてました。
ただその話は凄く面白そうだったので、特別に買ったのでした。
そのときはカレスは本当に嫌な奴でした。
そりゃ主役の受けを陥れた?追い出しただけか……奴だからそのときはそう思って当然だったのですが、この話を読むと一番やな奴はライオネルだったと_| ̄|○ il||li

鈍感は罪です。
いつか「一枚の絵」も商業誌化されるのでしょうか?
「一枚の絵」はもの凄くお気に入りだったのですが、これを読んだらこの話の方が好き。
どうして脇カプものって、その前のメインより良くなるのかなぁ?
今までの経験から言ってほとんどが続編の脇カプの方がお気に入りになるのがデフォ……なぜだ???

7

病んでいく描写のリアルさ

これは読んでてつらかった。カレスがあまりにも不憫すぎて・・・。
ライオネルがほんっとうに最低で、最後まで苛つきました!なに、この馬鹿男!薄雲様の評の通り、どうしようもなく鈍感でデリカシーがない。う・え・に!親友だとか言って、しゃしゃり出てくる厚かましさが、限りなくウザい!!そんでまた、タイミングよく倒れてくれるエリヤも超ウザい!
と、激しく憤っているけれど、神評価。
それはひとえに、病んでいくカレスの描写が素晴らしかったからです。罪の意識と自責の念から存在意義のよりどころを持たないカレスがゆっくりと自壊していく様が哀切に満ちていて。ウザいやつですがライオネルもエリヤも、そしてガルドランやウィドも、みんなそれぞれにカレスのことを思っているのだけれど、誰の手もカレスを救うことはできずに、そうして自己肯定感の欠落したカレスは、助けを求めることのできないまま壊れてしまいます。現実に病んでいく人の心理ってこうなんじゃないでしょうか。勇気を出して伸ばした手を振り払われる恐怖は誰にでもあるものだと思うのです。だからこそカレスに嫌悪感を抱くのは無理もないこと。それと同時にだからこそカレスには救われてほしいと願わずにいられませんでした。
BLにそんなものは求めない方のほうが多いだろうとは思うんですが、それでもこの描写には価値があると思いました。

本編終了まで辛さに耐えて読んでいましたが、最後の書き下ろしでは涙をこらえることができませんでしたよ、もう。
カレスが幸せになっていることを期待し、そしてもうウザいライオネルが登場しないことを祈りつつw、続編を読もうと思っています。
最後ですが、これ一冊だけだと読後鬱になってしまうので、必ず続編もそろえてから読み始めることをお勧めします。

6

痛い、痛った~い(T T)

泣きすぎて瞼が痛いし~っ(><)

ただ、好きになっただけ…
それに気づくのが、遅すぎただけ…

その気持ちに気づかずに、無意識に傷つけてるライオネル。
ライオネルの側にはすでに別の人物が。
その少年を一番に想うのは当たり前のこと。

でもその裏で傷ついてるカレルが痛すぎる~

そこにガルドランの存在。

カレルの事を一番に考えられないくせに
自分の元から連れ去ろうとするガルドランに嫉妬するところは
本当にムカツク野郎で!!
(もっと言ってやれガルドラン!!)

カレルもそんなライオネルの為に体まで張って…
最終的には記憶まで無くして、言葉も無くして…
本当にムカツク野郎だライオネル(●`□´●)

ガルドラン、本当に本当にカレルを幸せにしてやってくれよう!!


3

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