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オヤジ特集コラムで取り上げた『先生のとなり』を含む、バラエティに富んだ短編集。
実は私は紺野キタ氏に関して新参者で、今年の春先にたまたま書店で見かけた非BL作品『つづきはまた明日』ではまった口である。
『つづきは…』を手に取った時点で紺野氏にBLの著作があること自体は知っていたのでBL・非BL問わず手に入るもの片っ端から買いあさったのだが、本作のオヤジ作品率の高さには非常に驚くとともにさらに一層のめり込むきっかけとなった。
『日曜日に生まれた子供』と『オリーブの小枝』はコミックスの約1/2を占める中編で、高貴な家の主・ローランド(妻子あり)と若き執事・エリックの物語である。
時代背景やローランドの身分、そして登場人物の年齢設定など物語上明らかではない部分が多いのであるが、そんなことは全く気にならない。
エリックにはその出自やローランドとの身分の差など悩み事が尽きないのだが、子供の頃も大人になってからも、ローランドはそのいかにも貴族らしい鷹揚な態度で、全く意図的ではなしにエリックの「一番欲しい言葉」を発してはエリックの心をがっちりとつかむのである。
『森の郵便配達人』は「森」に住む「人ではないもの」の中に迷い込んだ「人の子供(少年)」にまつわるファンタジー。
幼い日に森に迷い込んだ少年に、責任を持って育てると言ってくれた「森番」。
少年の森番に対する感情は、父親代わりの者に対するそれをほんのわずかに逸脱している程度の、非常に淡いものである。
巻末の書き下ろし『ねゆきの森』は本作の続編で、郵便配達人という仕事を選んだ少年はとうに中年にさしかかる年齢になっており、彼を取り巻く者どもの年を経ても変わらぬ様子との違いが胸に痛い。
『先生のとなり』については、オヤジコラムの当該ページに暑苦しいほど書いた文章があるので参考にされたい。
私にとって本作は、今年一番のオヤジ受け作品である(まだ約1/3年残っているが、今年が終わるときにもこの発言が変わらないであろうことを確信している)。
この短編に関しては紺野氏の思い入れも強いのか、2009年8月末までに2冊の続編同人誌『Worry about you』『Ashes to Ashes』が刊行されている。
『いずこともなく』『昼下がりの…』は百合モノの連作なので興味のない人には何の感情も呼び起こさないかも知れないが、百合モノも好んで読む私には、本作の収録は嬉しい誤算であった。
百合ではBLとは異なり「攻め・受け」という役割分担は明確でないことが殆どであるが、紺野氏の「積極的に見える方が攻めと見せかけて襲い受け」というあとがきのコメントが何とも憎い。
よかった、朝から泣いた(朝から読んでたんです)、同時収録に百合ものもあったけど(基本百合は圏外なので)、それでも神評価付けたい。
表題作は主と執事の恋。
日曜日に生まれた子供とは新しい執事エリック(前執事の息子・わけあり)の事。
体が弱い主・ローランドに子供の頃から思いを寄せているのですが・・・
ストイックなと言うべきか、小さく青く消えない炎のような愛と言ったらいいのか、無表情で寡黙なエリックからはとにかくローランドに向ける熱い想いが伝わってきます。(なぜ好きになったのかは読んでみてください)
そして、ローランドも病弱で妻子ある身ながら、初めて感じる熱い思いに身を焦がしていて、まるで少年たちの初恋のようです。
そこに昔のエピソードや、エリックの出自、妻・アリスなどが絡むことによって、程よい奥行きが出ているので、満足感があります。そして何かというと、ウルウルさせられるのでした。
私の腕ではこれ以上“どういう風にいいのか”表現できないのですが、時代とイギリスのお屋敷の雰囲気もあいまって、全部がいい具合にマッチしているのです。
同時収録もハズレが無く泣けます。
「先生のとなり」などは、メチャクチャオジサン同士(片方はジイサンだ)のお話ですが、すごいなとしか言いようがない。
お互いを深く理解し、遠慮のない付き合いができ、寂しさを埋められる、心のつながりって大切なんだなと思いました。
百合ものは守備範囲外なので、どうにも評価ができない。好みじゃないんだなやっぱり。しかし、あとがきの二人はなんとなく可愛い。女の子の攻めは道具を使うしかないんでしょうか?それすら分からない私。
私が紺野キタ先生にはまった最初の作品。
説明文にもあるように、珠玉の作品集だと思います。
キラキラした宝石のようなお話がつまっています。
表題作はじめどの作品にも優しい暖かさが感じられます。
「森の郵便配達人」は特にファンタジー好きならお薦め。
私の一番好きな作品です。
絵も優しくて世界観にぴったり。
こんな素敵な作品をありがとうございます。
「日曜日に生まれた子供」
執事いいです。身分差とか、なんというかゆったりな中に色々な思いが詰め込まれててきゅんっとしました。
「先生のとなり」はその後同人誌でいくつか書かれていて、面白い展開になってます。
先生、とっても可愛いです。
あと百合は余り読まないのですが、というかまさか入ってるとは思わなかったので読んでみてあれ?っと思ったのですが、百合もたまにはいいな~と思いました。
オヤジ受(カレ専)作品集でしたww
紺野キタさんは初読みでしたが、
この美しい世界観にすっかり魅了されました。
ファンタジーものあり、百合ものあり、主従関係ものあり...
かと言って、今のBL作品にありがちな激しいエッチではなくて、
やわらかい絵とストーリーに合った切なくなるような
ベッドシーンにキュンキュンしましたww
どの作品も読んだ後にジワ~ンと胸が熱くなって、
しばらくの間その余韻が心を満たしてくれました。
「日曜日に生まれた子供」
主人と執事の関係と言えば、どうしても若く美しい主人のイメージが
あるものですが、はっきりしたシワも寄っているようなオジサン顔です。
でも、ふとした表情が幼かったり、色っぽかったり、
萌えの要素はバッチリなので、基本オヤジ受を苦手とする人でも
全然大丈夫だと思います。
後の作品「先生のとなり」でもそうなのですが、
回想シーンがとても美しく、効果的に入れられてるなぁ~と思いました。
ただ単に両作品ともオヤジ受で、回想シーンは若かりし頃の美しい姿が
見れるからって理由もあるのですが...
以前仕えていた主人との痴情のもつれや、
自分の出生で心を痛めていた執事のエリックを嘘偽りない言葉で
優しく癒していく主人のローランド。
ラストの一言にキュ~ンとなりましたww
「オリーヴの小枝」
上記作品の続編です。
想いを通じ合わせて甘い一時を過ごす2人の前に別居状態の妻が
戻ってきて...と普通なら大惨事が起こりそうな場面ですが、
彼女アリスは目下不倫中。
でも、自分が引き出すことが出来なかった夫の笑顔を
簡単に引き出せるエリックを妬んでみたり...
珍しく女性キャラに切なさ感じちゃいましたww
しかし、2人の甘々さにはまいっちゃいます♪
ローランドの誘い方かわいかったなぁ~
あんなオヤジ受なら大歓迎です★
年老いたローランドの足を拭いている、若くて美しい執事の絵は
なんだかとてもいやらしさを感じましたww
後半はすれ違いラブで、お互い大切に思い過ぎてて噛み合わない気持ちが
切なくて、もどかしくて...
でも、ラストのイヴニングプリムローズの繁みでの2人の告白シーンが
と~っても美しいんです!
恥ずかしいセリフが恥ずかしく思えないぐらい2人がキレイで、
すっかりこの世界に引き込まれてしまいました。
「森の郵便配達人」
グリム童話の世界を思い出すようなファンタジーなお話です。
描きおろしはこの作品の続きですが、ちょっぴり切ないテイストでした。
「先生のとなり」
この作品、かな~り好きです。
「日曜日~」よりさらに年齢上がります。
男やもめのヨレヨレおじいさんレベルですもん!
なのに、そのシワだらけの顔に欲情するイケメンオヤジ。
フェイドアウトな濡れ場と、度々登場する回想シーンが
余計に妄想をかきたててくれますww
続編が同人誌で出てるみたいで、なんとかして読んでみたひ...
「いずこともなく」
「昼下がりの...」
百合姉妹掲載の作品だけあって、
女の子のみの登場人物でさらには寮モノ。
ひたすらかわいらしい女の子の友情物語って感じです。
この年頃にありがちな、友情を恋とかん違いしてる程度の
女の子のじゃれ合いがかわいらしいお話でした♪
古参の執事の息子と主人。
洋モノなんだけど、この作家さんのあっさりした絵と、
キャラの天然っぽさでほんわりした作品です。
年下の執事がベッドの中では下剋上。いいですねぇ~。
(この作品のキャラはそういうタイプではないですが)
名前ネタも萌えます!!(≧∇≦)
もう1つは、同窓会での先生と生徒。
めんずとゆーかおじらぶ?
いいねいいね~\(^▽^)/
こちらは特に何気ない小話?なんですが、ちょっとした秘密が切なさと色気を匂わせます。
日曜日~もそうですが、どちらも大人の男性の可愛さがあってすごくいいですぅ。
オヤジ好きにはたまりません~(この作家さんが描かれると、おじさま、って感じでそれがまたかわゆし。)
後半半分は、百合なので苦手な方はご注意です。