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表題作ゆっくりまっすぐ近くにおいで

稲田志郎
大手印刷会社営業
大内双葉
弱小印刷会社社長

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

印刷会社営業の稲田は自社の印刷機の故障で刷れなくなった緊急の印刷を、町の小さな印刷屋で引受けてもらう。そこの社長・大内は口は悪いが懐が広く、初対面の稲田が見とれるほどの美形。たちまち恋に落ちた稲田は、以来せっせと彼のもとに通い口説きまくるが、大内は拒否こそしないが受け入れてくれるわけでもなく……?年下ワンコ攻×クールビューティー受。商業誌未発表をHシーン含め大幅加筆で文庫化!

作品情報

作品名
ゆっくりまっすぐ近くにおいで
著者
渡海奈穂 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403522123
3

(13)

(1)

萌々

(0)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
37
評価数
13
平均
3 / 5
神率
7.7%

レビュー投稿数7

主役二人は良いけれど

1冊丸ごと表題作です。
受けの元妻、娘が登場しますので、苦手な方はご注意下さい。

稲田(攻め)、大内(受け)の両方の目線で進んでいきます。

二十代にしか見えない年齢不詳の大内が魅力的過ぎて、2年に一度は警察騒ぎのストーカー、子供の頃から誘拐騒ぎになる。そんな大内に一目惚れしたワンコ稲田の話です。

同人誌を加筆修正して文庫化されたとのことですが、ラストのエッチシーンはなんとか詰め込んだ!という感じがしました。今から始めてページ数大丈夫なのかって心配してしまいました(笑)

稲田と大内の二人は良かったです。外見に似合わず男前な大内は言うに及ばず、稲田はモテモテの大内が惹かれるのも納得できる可愛らしいワンコぶりでした。コミカルテイストで読みやすかったです。

ただ…。援助するから家に住めと大内に迫る、稲田の恋敵となる真苑はまだ許容範囲ですが、大内の元妻である千帆はいただけませんでした。
大内にむらがる女を排除するのはともかく、男に色仕掛けで落とし、離れさせる手段は利己的でどうにも受け入れられませんでした。可愛らしい嫉妬でなくヒステリーっぽいのも苦手でした。離婚が納得のいく酷い女ならともかく、中途半端にかわいらしく同情をひくタイプなのが、逆に読んでいて気持ちの折り合いがつかずに嫌でした。私は女性に甘い質なので、自分でもこれだけ嫌いな女キャラは珍しいなと思いました。
いくら恩があり迫られたとはいえ結婚した大内の非も大きく、娘が気の毒でした。それがなければ、楽しい面白いで終わった作品なのにと残念でした。

1

年下ワンコ。

大内(受)の魔性っぷりがちょっと現実味が薄かったですが、素顔は意外にさばさばした美人だったので、それはまあOKでしたね。
それに、年下攻は苦手な方なんですが、ワンコは不思議と抵抗ないんですよ。稲田(攻)が絵にかいたようなワンコだったのがよかったです。

それにしても、渡海さんの作品で、ここまで脇キャラクターが『酷い』のも珍しいと思いました。相対的に稲田の株も上がるよね、これじゃ。

渡海さんは、とにかくあとがきが面白いんですよね。小説はどちらかと言うと抑えた筆致だと思うんですが、あとがきは妙にハイテンションで。
大変申しわけないんですが、この作品はあとがきがいちばん面白かったかもしれません。他にもそういう作品はあるんですが、これは作品がつまらなかったというよりも、あとがき(の社長)のインパクトが強すぎました。本を閉じて何より印象に残ってるのが、キャラクターでも作家さんでもなく(あとがきのリアル)社長ってどーなの!と思います。 ←自分の小説の読み方が。

1

バツイチ受けの元妻が酷いと、受けの印象も悪くなる。

渡海奈穂さんは印刷所のバイトをしてたらしく
小さい印刷所の仕事については現実的なんですけど
人物の設定は、受けが魔性という非現実的な感じで
誰もが、受けの外見に惑わされ内面とのギャップに去っていく中
突然現れた営業マンの攻めは、内面ともに受けに一途に惚れてくれたから
受けもほだされた?と、いった感じでした。

受けがバツイチ設定じゃないほうが個人的にはよかったな。
元妻がキチガイなのはどーにもw
子供がいてもあんな女性というのはいかがなものかと・・・
元妻が酷いと、よーするに元夫である受けの印象も悪くなりますよね。

ほのぼのとはしてるけど、ノンケ同士が一線越えるハードルが低いよ。

そして会社で嫌われていた攻めが、会社のみんなと和解すんのも早いよ。

問題を定義するけど、それを乗り越えるのが案外簡単で
肩透かしな感じがしました。

1

リアリティある!!!

 私、ついこの間まで印刷機を回してましたので、この会社のリアルさはなんだ!! と思ったら、作者はアルバイトをしたことがあるようです。なるほどー。

 と、印刷業界の厳しさや(夜中まで仕事してたりする)、仕事内容のリアルさも満足でしたが、なにより「ゆっくりまっすぐ」進む恋が、じんわりと心にしみました。
 泣けるわけでも、心を揺さぶられるわけでもないのですが、じわじわとよかったなーと思うのです。

 どうも、人の心にずかずか入ってくる人間関係というのが嫌いなので、こういう一定の距離を保ちつつもお互いを思いやっている感じは、理想的でよかったです。
 ドロドロとしたのも求める人には、全然足りないと思います。

3

真っ直ぐに届く言葉

今回は印刷会社の営業マンとサ小さな印刷屋の社長のお話です。

二人の出会いから猛アタックして恋人になって同居するまで。

本命の会社を落ちたため今の印刷会社に勤めた攻様は
入社二年目の営業マンです。

不況下の昨今、
仕事は数で勝負と多少の無理も承知で仕事を取ってくるため、
デザイナーや製版の社員に評判が悪く、
自社の印刷機が故障した事も知らずにいた為、
明日の納品の印刷が出来ない事態に追い込まれてしまいます。

八方手を尽くしますが、
夜の八時も回っていては営業終了か、門前払い。
ほとほと困った時に見つけたのが受様の営む小さな印刷屋でした。

最後の頼みと土下座をして頼みこみ、
なんとか刷って、切って、梱包までこぎつけた頃には午前三時。

夕飯もまだだという受様に
ご馳走するため居酒屋に向かう二人ですが、
そこで攻様は日頃の憂さが爆発、
自分の一生懸命さが社内の人に伝わらないと愚痴りますが、
受様に自分の仕事をするだけではなく、
他の人の仕事も知って効率よくまわす事こそが営業と諭されます。

そのまますっかり深酒し、
目覚めたら受様の自宅で全裸で記憶すらおぼつかない攻様。
対して下着からシャツまで洗濯して上着とズボンにファブった上、
味噌汁まで用意して攻様に食べさせる受様。
どちらができる男かは火を見るより明らかですね。

仕事が出来る上にしっかりしていて綺麗な上、
コチラの困惑まで見透かすような年齢不詳の受様に
攻様は完全に落ちてしまいます。

以降ほとんど個人的な用事で印刷屋に通い、
受様にアプローチする様はなかなか健気なワンコ君です。

女ばかりか男にもやたらもてる受様は、
過去の経験からノラリクラリと攻様を交わしていますが、
端々に「仕方が無いな」という感じがアリアリ♪

出合って4ケ月、痺れを切らした攻様が
友人としてじゃなく好きなのだと告白すると、
攻様の言葉を逆手に取った返事で応える攻様に
後は一線を越えるだけか?と思いきや、

受様の元奥さんや幼馴染の元従兄弟が登場。
復縁を迫ったり、関係を迫ったり!!
更に取引先の出版社の夜逃げされて受様の印刷屋も倒産か!?
という展開が!!

二人の未来はいかなる事に?!

最後はすべての人間関係がすっきりとまとまり、
二人もキスでお見送りする新婚さんもどきになりますが、
人と人が付き合う事の難しさ、
対人関係を作り上げる事の大切さを考えさせられるお話です。

同じく年下ワンコ攻のシチュがお好きなら
かのえなぎささんの『淫らな獣の躾け方』をお薦めします。
クールでケダモノな年下彼氏はいかがでしょう?

3

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