ハッピーエンドなんかいらない。

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表題作恋っていうのは

編集者 小沢千洋
美人で仕事もできる写真家 高槻祐仁

その他の収録作品

  • 恋っていうのは
  • 恋におちたら
  • はなしたくない
  • 愛でなく愛でなく
  • 恋であるはずがない

あらすじ

祐仁と千洋は、写真家と写真集の担当編集者として出会った。世界を飛び回り「道」を撮り続ける彷徨の写真家・祐仁に千洋は魅かれ、駆け引きのようなやりとりが続いたある日、祐仁が千洋をベッドに誘った。応じた千洋は祐仁を抱き、その日から――恋に落ちた。彼に話しかける人、触れる人、仕事にさえ嫉妬する。激しい思いをセックスでしか表現できず、言うことといえばかつて面倒だと思った「女」みたいなセリフばかり…。そんな自分に千洋が愕然とする中、祐仁はカメラを持って飛び立ってしまい…。
出版社より

作品情報

作品名
恋っていうのは
著者
タクミユウ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
シリーズ
恋っていうのは
発売日
ISBN
9784877248994
3.4

(34)

(9)

萌々

(5)

(13)

中立

(5)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
20
得点
109
評価数
34
平均
3.4 / 5
神率
26.5%

レビュー投稿数20

執着!

女子の「仕事と私、どっちが大事なの?」
が理解できなかったのに、
そっちになるとは…と思いながらの執着!執着!!

女子だとイラッっとする台詞も
普段はバリバリ仕事してる男が言ってるのはキリキリする~
地の果てまで追いそうな感じが鬼気迫ってる。
クールな男の我武者羅っぷり!!

修羅場の連続でホント凄まじかった。
表現やキャラがちょっとでもずれてたら、ん???ってなりそうなのとこ。
諦めの悪さ、絶対に手放すもんか!って気負いが良かったです。

当て馬(師匠)との過去話の「無色透明」も何とも言えない読了感なのでセットで読んで唸らされました。

時系列は「無色透明」「恋っていうのは」だけど、
「無色透明」はあくが強すぎて、後日談(本作)を読んでたから読み切れた感があるので
こちらを先に読んでおいて良かったなと個人的には思ってます。
結局ループすることにはなったんですが。

0

二作どちらから読んでも深く面白い

あの人はひれ伏してでもそばにいたいと思った人
食べたり寝たり息したり全部意味がなくなった

「無色透明」から読んだので、あの2人が別れた先なんて…と思いましたがこちらも凄く良かった。祐仁には飄々とした中にあるだらし無さや魔性のようなものが、手塚先生には隠れた焦りや執着が垣間見え、三角関係と其々の成長がより深く読めました。そうでなければ手塚に対してブーブー(退場しろ!)としか思わなかったはず。祐仁の変わらない透明感やまだ手塚に絡めとられるところも読んでいて理解出来るし、読者として嬉しく思った。なのでこの二作品どちらを先に読んでも面白く、話の違和感の無さに凄いと思いました。

千洋は今まで彼女に言われてきた女々しい台詞の数々を、祐仁に恋して身をもって知り、ぶつけていくのが凄く人間的で面白かったです。激しい嫉妬!でも彼は女役でなく攻めなのがまた良いです。

1

うまくいく恋なんて

私がタクミユウさんの大ファンになったきっかけの作品。
本作の関連作が「無色透明」ですが、こちらの方が先に描かれています。
(本作の主人公・高槻祐仁の過去が「無色透明」となっています。)
私は実は「無色透明」の方から読みまして、その後しばらくして関連作と全く気付かずに本作を読み、途中で「あれ?これ……」となって。
傍に「無色透明」を置いてループ読みして、この2作の深さに参った…

本作は、出版社の編集者・千洋が世界中を放浪する風景フォトグラファー・高槻祐仁と出会って、つなぎとめておけない祐仁との恋にもがくさまを描く。
自身の独占欲に苦しむ千洋と、過去『おまえは誰も愛せない』と言われた言葉に縛られる祐仁の、実に難しい恋物語。
年下の千洋が激しくのめり込んでいくさま、しつこい相手が苦手なはずの飄々とした祐仁、そんな祐仁を形作ってきたらしい過去の男との辛い関係性…
読み応え抜群。
私の中で「神」作品のひとつです。

「無色透明」とのループ読みをお勧めします。

4

恋愛によって成長していく姿

大好きな作品です!
これだけド直球の愛情表現、読んでるこっちが楽しくなります。
同作者の「無色透明」の後のお話です。
発売日で見ると、こちらの方が先だったんですね。
私は「無色透明」から読んだのですが、
私は「無色透明」→「恋っていえのは」の順番で読む事をおすすめします。
「無色透明」で、隆一に絶対服従の中、
無垢のまま成長していった祐仁のその後が書かれているのですが、
あの祐仁が今、こういう恋愛の向き合い方をしているというのが、
納得いくし、癒されます。
あのままだったら、どうなってったんだろと思ってたので。
まぁ、2人なりの形を作っていって、幸せにもなってたかもしれないけど、
なんかリアリティーがない。

この作品を読んで、
本当祐仁は隆一を愛していたんだと思ったし、
隆一も祐仁を愛していたんだと思ったし、
2人は2人でしか作れなかった関係があり、絆がある。
ひれ伏してでもそばにいたいと思った人。
これを聞いた時は、もぅ泣きそうになりました。
本当大好きで、大切で、すべてだったんですよね。
もぅ過去のことだけど、
その過去には誰も立ち入る事も出来ないし、
なかった事にも、否定も出来ない。
そんな事、千洋にだってよーく解ってる。
でも嫌なんですよね。もぅ〜超解る。

今、祐仁は千洋と一緒にいるのですが、
千洋は祐仁の事が大好きで大好きでしょうがないのに、
いつか指の間から滑り落ちるように
祐仁はどこかに行ってしまうのではないかと、気が気ではない。
だから言葉も行動もストレート。
で、祐仁の方ですが、
別に本人恋愛に臆病になってる訳ではないんですよ。
勿論、結果臆病になってるんですけどね、
そうじゃなくて、千洋ほど貪欲じゃないのよってな感じ。
恋愛にそこまでもぅ求めてないってだけ。
だから、ただ好きだから一緒にいて、なんでだろうとか悩みながらいるんですよね。
別に心のどこかに「いつか離れる」とか決めてる訳じゃない。
好き同士なのになんでこんなに話が難しいのか…
恋って…本当…なんなんでしょです。

やはりずれがどうにもならなくなり、
2人は一緒にいる事が出来なくなった時、
やっと祐仁は気付く…というか、一歩気持ちが先に進みます。
自分は傷つく事を恐れてた事、何もしてこなかった自分に気付き、
でもそんな自分に千洋は傷つく事を恐れず、
まっすぐ、ただまっすぐ自分を愛してくれてたという事に気付いた。
千洋を手離したくないって思うんです。

こういうのって、男女の関係でもよくある事。
ひれ伏してでも一緒にいたかった人がいた事は
全然否定する事でも、後悔する事でもない。
そして、また次の恋愛をして、
その人との関係を築けばいい。
恋愛に定石はない。
ただ好きなんだし、一緒にいたい。

そんなにエロシーンはないです。
それより、2人が関係を築いていく姿、
恋愛によって、それぞれが成長していく姿がいい。

超おすすめです。
出来れば「無色透明」とセットで読んで欲しいです。






5

地味に魔性な男と軽い執着攻めってやつ

ずーっと気になっていたスピンオフ、『無色透明』のタイトルと表紙に惹かれていたので、こちらが本家ということで先に読みました。ストーリーの展開としてはグイグイ読ませてくれたので、そのふつー過ぎな進め方に気付かず、神作品に近い印象を持ちました。

写真家・祐仁と、彼の担当編集者・千洋の恋を描いた物語。祐仁の魔性性があざとくなく描かれていたところと、彼に惹かれる千洋の心情が、恋をしたことがある人間なら性別を問わず、なんとなく共感できる部分を表現してくれていたところに反応。男が嫉妬に狂う様は、現代劇だとどう見せるか難しいところですが、千洋の祐仁への執着は女の目で読んでもわかるし、男だって同じなんだろうな…って思わせてくれました。

祐仁の魔性性もちゃんと理由づけされていて、スピンオフを併せて読むと際立ちます。この祐仁の掴みどころのないふわふわとしたところと、千洋のウザキャラをのみ込めるか否かで好みが分かれるかもしれません。千洋が本当に好きになった人と出会ったことによって、思いがけず噴出した自分の感情と向き合っているところがさりげなく描かれていたように思いますし、その真っ直ぐさに祐仁が惹かれている姿も読み取ることができたので、ただの危なっかしい奴らじゃないのかも、と個人的には感じました。

あとは、男性カップルの葛藤。ただ会ってセックスするだけの関係じゃない、人生を共に過ごしたい。でも先が見えない。どこに着地するのが正解なのかわからないけど、それぞれが模索している姿が描かれていたのもよかったです。

特に奇を衒った演出もないですし、設定も特殊なものではないのですが、タクミユウさんのすれ違いや嫉妬の描き方が好み。作風は淡々としていながら雰囲気があって、恋愛心理の描写で掴まれてしまいました。本作とスピンオフを読んでから既出の作品を読み進め、結果好きな作家さんの一人となってしまいました。

5

この作品が収納されている本棚

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