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表題作彼を乱す誘惑

響谷大輔・後輩/一流商社国際営業部勤務のエリート
天野広海・先輩/汐留に建つホテルのコンシェルジュ

あらすじ

ホテルで働く広海は、高校の後輩で当時片想いしていた響谷と偶然再会する。益々格好良くなっていた響谷に、未だにトキめいた広海は酔った勢いで「今フリーなら俺と付き合って」と誘ってしまうが、何故かOKされて?
出版社より

作品情報

作品名
彼を乱す誘惑
著者
御堂なな子 
イラスト
あさとえいり 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044548025
3.1

(7)

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萌々

(1)

(6)

中立

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趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
22
評価数
7
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

好きな人の前では臆病に……

 天野広海は、コンシェルジュとして働くホテルで、偶然、高校時代の後輩で、当時片想いしていた響谷大輔と再会する。
 その後、誘われるがまま呑みに行くと、酔った勢いで冗談混じりで彼に「恋人にしてほしい」と言ってしまう。
 ところが、冗談で返されると思っていたのに、響谷はあっさりOKされてしまう。
 おまけに、翌日早々にデートの約束を取り付けられて、毎日メールや電話で連絡を取り合うようになり……まるで響谷は恋人のように広海に接して来る。
 本気か冗談かわからない彼の態度に困惑する広海だけど、欲しかった腕に抱かれると素直に反応する体は止められない。
 でも、響谷が女性とホテルのブライダルフェアに来ているところを見てしまって……?

 という話でした。
 すっごくよかった! 何か久々ににやにやしながら本を読みました。
 いや、ここんとこずっと、読んだ小説にあんまりいい評価できなくて、もしかして自分って評価する為に小説読むようになってる……? と思ってちょっと焦ってたんですが。
 そんなことなかったみたいでよかった。ちゃんと小説楽しめました。

 どちらも、高校時代に自分の気持ちを正直にぶつけることができなかった二人が、大人になって再会して、再び愛を育む話。

 どっちも怖がりなのが伝わってきて、なかなか「冗談」じゃないと自分の気持ちを言えなくて。
 でも、広海が「冗談」でもちょっとだけ気持ちに付け込む隙を出してくれたから、響谷はそこに必死になって攻め込むんだけれど、広海としては響谷の本当の気持ちがわからないから、どうしていいか戸惑って、でも、やっぱり好きな人に迫られると拒めないから、わからないまま甘い言葉と優しい行為にずるずる流されて……と。

 すっごく不器用な二人。
 どちらかが早く自分の気持ちをはっきりと伝えられたらよかったんだけど、結局、相手に拒絶されるのが怖くて。
 でもやっぱり言えなくて。
 ってぐるぐる。

 好きな人の前では臆病になってしまう気持ちにすごく共感できて、すっごく好きです。
 素直な感じがとってもよかったです。

1

甘さを楽しむべし

200ページちょっと丸ごと1冊表題作です。読みなれた身じゃなくても、読み始めて30ページで展開が分かります。誤解する内容もその後の展開も丸分かりです。それからは甘さを楽しむのが吉です。

天野の目線で進みます。
高校時代の弓道部の先輩後輩が、社会人になってから再会。当時抱いていた恋心が再燃した天野(受け)はその夜のうちに、酔いに任せて「恋人になるか」とつい口にしてしまう。こちらも当時から好きだった響谷(攻め)は、これ幸いと恋人になります。

題名と表紙からするとシリアスっぽい感じもするのですが、コミカルほどでないにしろ明るく読みやすい作品です。年下攻めのベタな甘いものが読みたい人にはお勧めです!

3

本気と冗談にまぎれた恋の行方

今回は一流商社国際営業部勤務のエリートと
人気ホテルのコンシェルジュの後輩×先輩カプ。

昔の片思いの相手との再会から恋人になるまで。

受様と攻様は高校時代の剣道部の先輩・後輩。
受様は攻様に淡い恋心を抱いていましたが、
攻様に本命がいると知って彼を諦めます。

7年後、
受様はウォーターフロントの人気ホテルに就職、
コンシェルジュとして忙しい毎日を送っています。

そんなある日、
受様はホテルの従業員スペースで
迷っている様子の若い男性客に声をかけます。

受様の助けに振り返った人は
記憶の顔とは違っていても絶対に忘れられない
高校時代に片思いしていた後輩・攻様だったのです!!

攻様は大手商社の国際営業部所属で
商談で受様のホテルを訪れたのですが、
生来の方向音痴で建物を間違い
気付いて戻ろうとして余計に迷ったようなのです。

話をする間もなく商談の時間が迫った攻様は
受様の手に強引に名刺を押し付け、
今夜に飲みに行く約束して去って行きます。

約束した店で攻様を待つ間も
攻様から逃げる様にして大学に進学、
就職した過去を思い出し、
この突然の再会に受様の胸中は複雑です。

やってきた攻様はじっくり見ても
女性客の注目をも浴びるほど良い男になっていて
話してみてたら昔より落ち着きが増し
彼の魅力もまた増したようでドキドキな受様。

ピッチも上がり酔いも回った受様は
「先輩といたあの頃が一番楽しかった」
と言う攻様に
「高校時代に戻ってあの頃のように付き合おうか?」
と酒の上の冗談に見せかけて持ちかけます。

それに対する攻様の答えは「お願いします」?!

酔った上での勢いのはずが、
攻様に押し切られるように付き合い始め、
普通の恋人同士のように頻繁にメールし、
デートに誘われ、ついには身体を重ねても
攻様の気持ちを信じきれない受様。

払拭できない戸惑いを抱えて出向いた
ブライダルフェアの手伝いで
攻様が女性と連れ立っているを見てしまった受様は
攻様に別れを切り出すのですが?!

初恋の君と偶然再会し、
チャンスとばかりに告白するも
相手の本気は信じられない往生際の悪さで
スッタモンダするも最後はハッピーエンド
なBL的王道の恋物語です♪

今回の年下ワンコは強引でも意地悪でもないので
ちょっと受様がグルグルしすぎてる感じもしますが、
素直にサラサラと楽しく読めるお話ですよ。

今回は同じく好きな相手が優しすぎて途惑う受様のお話、
火崎勇さんの『この恋は君のもの』をご紹介します。

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