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この本、カバー絵からして素晴らしい
この、ダビデ像のような美青年!!
画力も圧倒的だけど、コマ構成も実に美しい!!
この本には4つのお話が入っているけど、やっぱり表題作が一番!!
えすとえむさんの描く「The 西洋人の裸」!
これがたっぷり堪能できる。
「ラスゲアード」のダンサーの裸も、如何にも「ダンサー」で素晴らしい!
他の2作は味わいの違う、軽いほのぼの話。
これはこれで構成が素晴らしいので、良いのけれど
やっぱり「えすとえむを堪能」といったら、「西洋人の裸」だよね。
最高に大好き!!!!!
今までの単行本の中で1番人間臭くて、カッコいい><
「赤」と「情熱」という言葉が彼女以上に似合う人なんてこの世にいるのだろうか。
てなわけで表題作も好きだけど、1番情熱的な話からレビュー♪
[ラスゲアード]
フラメンコを踊る青年とギター弾きのオジサンの恋(?)。
年の差、男の情熱、粋なセリフ(とジョーク)がすごく絶妙に絡み合う、プラトニックラブ。
音楽と肉体が一緒になって踊り高ぶるフラメンコの情熱が肌で感じられた気がします。
岡田屋鉄蔵先生の「タンゴの男」的なムチムチ感はないんですが、筋肉質ないい身体をしていますよ^^
本気で踊ることに対して青年は、
『…嫌なんだ。内側までさらすみたいで』
『(金もらって寝るのとは)違う』
『内蔵まで見られるような…いや、それとも違うな。うまい言葉が見当たらない』
『思い付いたら言うよ』
と言葉を選ぶのですがこれがまた、イイ。
そんな陳腐な言葉では語れないこの胸の高鳴りを表してくれる、ピッタリの言葉。
久しぶりにマジで踊った青年が語るその言葉は、私の胸にもピッタリ来ました><
君、それは恋だよ! 笑
最後の終わり方が爽やかでまたイイんですよね!
私はえすとえむ作品のジョークセンスが大好きです。
エスプリが効いている^^
これ、すっごい好きです!
物語としてはハッピーエンドではないかもしれないけど...。
今更ですが、まあとにかく圧倒的な絵のうまさ。
そして、色んな符号が面白いです~。
さすが、といいますか。
イヴがモーリス(オリヴィエ)を好き過ぎて哀しい...。
もう、全てがハマった時、号泣でしたー(T_T)
せめて、今のモーリスを好きになれたらよかったのに~とも
思いますが、でも、この物語はこれでいいんだろうな。
この手の、世代を超えたストーリーとか輪廻モノとかに弱いです...。
つか、この人これからもモーリス(オリヴィエ)探して
ウロウロするんだろうか(笑)
んでまた今のモーリスも切ないよね!
ずっと好きだったんだもんね!
でも、きっと死ぬまでイヴを守ってくれると思います!
普通に結婚とかするけど、きっと子孫にずっと受け継がれていくと思う!(希望・笑)
ドラマティックな作品です。
えすとえむ先生のストーリー展開は、他と一線を画すお洒落さですね。BLマンガというより青年誌の雰囲気。まさに今は青年誌に移られていますが。
どれも眩しいほどのハッピーエンドではありません。だからこそ続きを考えて楽しめるというかこの先に広がりがあるというか、完全に閉じきっていないからこそ余韻が一層楽しめます。
表題作のおまけが最後にあったのは嬉しかった!けれどこちらも決して幸せなおまけではありません。
イヴはいつでも抜け出せるのね。
えすとえむさんの作品の主人公達は、皆自分達の側にいるような、今回奇跡のようなストーリーもあるが、それでさえ、現実にあるのではないか?と思わせるリアリティをもって迫ってくる。
男達の深い想いがじんと染みわたってくる。
表題作は、長年想っていたスケッチの絵が白骨死体と共に発見され、その修復をすると、思い続けていたその絵の男が絵から抜け出して、長年謎だったその作家の過去を語る、という話。
修復士になったのも、その絵の男がずっと好きだったからであるモーリス。
絵から抜け出てきたのはイブという青年。
彼はその絵の作家モーリス・オリヴィエの恋人だった。
しかし、その背景には意外な真実が!
オリヴィエを探してさまようイヴ、オリヴィエを思い出す為にモーリスに抱いてくれと願う。
そして再びサインによって絵の中に閉じ込められるイヴ。
お互いの切ない想いがすれ違うかのような作りなのに、なぜかこの二人の想いは共鳴しているのです。
書き下ろしの話で、イヴはオリヴィエの面影を探しているのですが、帰る処はモーリスの下。
モーリスはイヴを手に入れたし、イヴはオリヴィエに変わる愛情を手に入れたのですね。
イヴが絵を抜け出しては、何かやらかすのでは?とかそのたびモーリスが尻拭いするんだろうな、と想像して、結構イヴってお茶目キャラって、可愛く思いました。
印象に残った作品では
「ラスゲアード」・・・フラメンコダンサーのヘススは踊りに情熱を失っている。そしてかつて一世を風靡したギターのアルバロは、その彼の情熱を呼び起こす。
心臓をさらして傷つけるほどの衝撃と情熱は、彼を新しい道へはばたかせる。
ギターのアルバロが渋いおやじですが、、激しさを内に秘めた見守るような優しさがイイ男にしています。
「en el park」・・・老年カップルです!(体はありません)
脳梗塞で、一部の記憶を喪失して過去の恋人を待ち続ける老人(本当は一緒に住んでいるのに)
公園で出会った青年を通して、それぞれのカップルの愛が進みだす。
じんわりと、しみじみと、優しさが伝わってきます。
今回も圧倒的な画力と、無駄な装飾のないストレートなストーリーで味わい深い作品になっています。