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表題作神と契る

八嶽大我・幼馴染で刀鍛冶 23歳
清瀬音弥・神社の息子で禰宜 23歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

清瀬神社の禰宜・音弥の元に、刀鍛冶をしている幼馴染の大我が滞在することになった。5年間、ある事情から大我と距離を置いていた音弥は、逞しい大人の男に成長した彼にどう接していいかわからず、混乱するばかり。だが、そんな音弥の気も知らず、大我は強引に接してくる。一方、街では”獣”によって人間が襲われるという奇怪な事件が発生。音弥もまた、謎の獣によって深い傷を負わされてしまう。その姿を目にした大我は――。
(出版社より)

作品情報

作品名
神と契る
著者
神楽日夏 
イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344818354
3.6

(3)

(1)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
11
評価数
3
平均
3.6 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数2

神様は人間臭いツンデレであります

初読みの作家さん、佐々木さんの絵は好きですが、これはちょっと地味目?
題名からして、それにこの場合神様が攻めなのか受けなのか興味あったし・・・ということで、何やら年初めにふさわしいかと(?)

今回、神様といっても天照大神宮ではなくて、地元をつかさどる氏神さまですね。
何と言っても日本はヤオロズの神の国ですからいろんな神様がいるわけで。
主人公音弥は生まれた時、その魂が天に昇って行ってしまうところ、信仰厚い神社の娘である母の強い願いによって、その体に神の命が宿ってしまったという。
身体は人間なんですが魂は神様だったのですよ。
元が神なので地元に対する執着が強く、その土地を出て生活することができないのですね。
で、彼の幼馴染で刀鍛冶の祖父の後を継いだ刀工として5年ぶりの再会を果たしたのが、大我です。
大我とは昔大きな事故に巻き込まれて、それを避けた体験を一緒にしているのですが、それ以来、大我は音弥を守ろうとする態度をとることから、意識的に遠ざけていたのです。
それが、近隣で野犬に人が襲われる事件が頻発し、音弥も襲われるのですが、それを助けるのが大我。
神の力で傷を負ってもすぐに回復してしまう姿を見た大我に、自分の正体を明かす音弥。
また音弥が触れることで大我の傷も治癒してしまう。
ということで、触れあえば音弥の力を分け与えられるかもしれないと、大我を押し倒すのですが、逆に大我に押し倒されて、、
神様は今まで見るだけだった人の営みを初めてその肉体で体験することで、悦びを得てしまう。
神も音弥も同じなのに、理性が働くところが、この神様の分別のあるところというか・・・恥じらってみたり、逆にツンとしてみたり、人間臭いのがいいですね~。
野犬の事件は、実は居場所を失った流浪の神が音弥の神の姿を見て、隙あらばその地位を狙おうとしかけたものだったのです。
音弥の力は、大我と一緒の時に彼を守ろうと強い力が働かなければ発動されないということで、この二人、異種同性婚が成立しそうですよ!?
大我は料理は上手いし、力はあるし、音弥は神様だけに神社のことだけで自分ではそういったまかないなんて何にもできない人なので、良い嫁を貰ったと、きっと音弥の両親に喜ばれる事でしょう。。。

と、いうことでこのお話、神様は受けでございました!
それにしてもな~大我はそういったオーラとか気配とが見える人っていう設定ありきだったような気もしますよ。
そういう人でないと、御神体の刀鍛冶なんてできないとかとも思うしな~
このお話、地味~でちんまりした地域密着型の神様のお話でしたが、やはり自分も日本人のせいか、こんな話しに親近感を持ってしまうのでした。

3

なんか不思議な設定。

以前からなんとなく気になっていた本。
読んでみたら思ってたのと違ってましたが、ちょっと不思議な感じでした。

清瀬神社の禰宜をつとめる音弥。
両親が留守の間、幼馴染みで刀鍛冶をしている大我と共に暮らすことになるのだが。
大我とどう接したらいいのかわからない音弥をよそに大我は親しく接してきて…。

幼馴染みの恋物語。
という簡単なことではないのですよ。
音弥には実は大きな秘密があって。
傷などがすぐに治ってしまうんだけれども、その原因は実は神様。
生まれた頃に既に音弥自身の魂は音弥の身体から離れてしまい、どいうわけか音弥の中に収まったのが神様だったというわけ。
結果として神様は「音弥」として、その器の生を全うすることになるわけです。
神様が人間に憑依するという感じで時々神がかるというのではなく、むしろ逆に神様がだんだん人間になっていく感じとでもいいましょうか。
大我と接していくことで、大我に触れられることで、芽生える感情。
神として魂だけの状態でそれこそたくさんの感情、交合を見てきた神だったけれど、実体験として感じるのは初めてのことで。
少しずつ人としての感情を覚えていく。
涙も、恋も、失いたくない存在も。
神といっても全知全能の神とかそういう感じじゃないからなのかもしれないけど、いわゆるその土地の神様って感じで。
ツンではあるけれどどこかかわいくもあって。
そんなにデレもないような気はするんだけどな。
でも、かわいい。
大我は音弥が神であると聞いても動じることがなくて。
それでも、最初から出会った頃から神が入っていたのなら、自分が好きになったのはその音弥なのだから問題ないといった感じで。
時として音弥が感情を読み取れると知っても少しも離れていく様子はない。
それだけ音弥のことを好きなんだろうな。
自分のことよりも大切にしたいくらいに。
このあとに待ってるのは音弥の両親へのカミングアウトでしょうか?(笑)
恋愛のパートナーとしてはともかく、お山を守っていく上での対の存在であるのはきっと音弥の父親ならわかってくれるんでしょうね。
少しだけ、音弥の最期の時の2人がどんな感じなのかも見てみたいなと思いました。

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