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表題作恋の仕方

商社マン 重森
美容師 朝陽

あらすじ

人気美容院に勤める新米美容師の朝陽は、必死で仕事をこなす忙しい毎日を送っていた。ある日、朝陽はなじみの飲食店でエリートサラリーマンの重森と出会う。優しく誠実な好意を朝陽に寄せてくる重森。だが、朝陽には、かつての恋人に振り回された辛くて苦い過去があった…。それでも、周囲の仲間の助けもあって、重森との恋を育む決意をした矢先、朝陽の前に元彼が現れて…。

作品情報

作品名
恋の仕方
著者
谷崎泉 
イラスト
楢崎ねねこ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796400251
2.5

(11)

(1)

萌々

(0)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
23
評価数
11
平均
2.5 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数7

受けの一人称作品です

ネタバレなしで書きたいと思います。

一人称です。
完全に受け目線で、思っていることや見たこと感じたことがそのまま書かれていますし、話し口調なので、苦手な方もいらっしゃるかもしれません。
わたしもあまり一人称は得意ではありません。
今まで読んだ谷崎作品にはなかったので、ちょっとあせりました。


受けの朝陽は、人気のサロンで美容師見習い中。
ゲイであることは職場でも周知されています。

攻めの重森は、エリート商社マン。
行きつけのクラブで朝陽に惹かれて声をかけました。


最初にも書きましたが一人称なので、その本人の思考に同調できないとひじょうに読み進めるのが苦痛に感じてしまいます。
朝陽は悪い子ではないのですが、ちょっと心の声が多すぎて言い訳チックに感じてしまいました。

最初から重森は朝陽に好意を持っていましたので、かなりトントンと関係は進んだと思いきや、その後がネタ目白押し急展開に。
育った環境の壁やら距離やら色々出てまいりました。
当て馬的、元彼も。

丸々一冊書き下ろしでページ的な余裕がありそうなのに、妙に慌ただしいです。
短い期間で狭い世界のお話。
なのに性急感が否めないのは、登場人物が多いせいかもしれません。
そのせいでふたりのやりとりよりも、他の人物たちとのエピソードが膨らみ、結果肝心のふたりの気持ちを積み上げるさまが深くは書かれず、読後のふたりの印象も薄くなってしまったのかなあと。
とにかく朝陽の職場の人間が濃すぎて…
攻めと受けともに地味でもわたしは大好きなのですが、そうするとよけいに周りが目立ってしまうのにプラスして、濃いキャラが三人もいたので。
主人公たちが派手だったなら負けなかったと思いますが、濃いサブキャラは一人くらいで良かったのではないでしょうか。

1

好きって…好きになるって、素敵だなあと思い出させてくれるようなお話

谷崎先生は大好きなので、だいたいは読んでいる方なんですけど…
どうしても、この作品は自分の中で躊躇されていて、中々手に取れずにいました。
リアルに描かれる、シリアスな部分が好きな作家さんだけに、ちょっと違うほんわか系って聞くと、気にはなるんだけど、読んだ後の感想があんまりだった時のショックを考えたら、冒険心が動かなかったんです。
あと、ねねこ先生の可愛らしい絵柄は好きなんですけど、谷崎先生のテイストにはあわないって勝手に想像してしまっていたことも要因でした。

でも‼
読み終わった感想は、とっても新鮮で良かったんです。
こんなにほんわか、可愛らしいお話も谷崎ワールドの中には隠されていたのかあと…嬉しくなりました。

内容は、エリートサラリーマン•重森さんによって× 新米美容師•朝陽の恋の仕方のお話。

朝陽の元彼がDVで、借金はするわ、子供ができてしまい結婚するわの、人として本当に酷い男で、やっと、傷ついた心が落ち着いてきたかなあと思った頃に、重森と出会います。

気にしいの2人は、本当に似たもの同士で、ゆっくりゆっくり、相手を知りながら、お互いを気遣いながら始まっていく恋。
焦れったいんだけれど、人を好きになる事に臆病になっていた朝陽が、辛い恋を終わらせて、次に進もうとする気持ちが丁寧に描かれていて、その戸惑いや迷う気持ちが胸にしみてきます。
今迄の恋愛の相手とは全く違う、優しい重森さんによって、前向きな気持ちを取り戻す部分が、このスローペースな2人の恋の仕方に現れていて、とても好きな形でした。

やっと気持ちが通じ合った所で、元彼が現れたり、重森の転勤の話を知ってしまったり…
でも、こういう結末というか、ハッピーエンドもあるんだなあ…ありだなあ…ととても新鮮で良かったんです。

2人がどの様な結末を選んだとしても、この2人だったら、好きの気持ちは続いていくんだろうなあ…
きっと好き合っていられるんだろうなあ…
好きって奥が深いなあと…
そんな思いが、最期のエアメールという素敵なアイテムとして表現されていたのが良かったし…憎い演出でした♡

重森タイプの攻めは、谷崎先生の攻めキャラとしたら珍しいかと思います⁉
ごく普通の人で、凄く優しくて、凄く良い人で、私的の好みからいっても、凄く物足らないタイプなんですけど、
このお話には良かったんです。
傷ついた朝陽を、本当の朝陽らしさを取り戻すためには、この位、癒し系の人が必要だったと思うから‼
上手くは言えないんですけど、間違いなく、私の中では、しっかり存在感がありました(笑)

脇キャラはいつも通り際立っていて、いい感じで朝陽を支えてくれていた所が良かったです。
ちなみに、友情部分で思わず涙が零れてしまうくらい、いい人たちばかりでした。
元彼は本当にダメな人間で、嫌な奴としかいい様のない人だったんですけど、朝陽との修羅場に駆けつけてきた重森にポツリといった一言が、なんか残っていて、憎めなかったんです。
そこは、谷崎先生が、一人一人のキャラをとても大切に、どんな役回りでも愛情を注いでるから、嫌いになれないんだろうなあと…。

重森の勤め先が、日芳って聞いてドキッ♡ニマっとしたり、諒が絡んできて、ビックリ懐かしくも思えて、なんか嬉しかったです。

お互いを思いやるゆっくりした恋の仕方…
このほんわか甘ったるさが、胸にじんわり響いてきます。
恋のスタートラインに立ったばかりの2人なんですけど、気にしいな似たもの同士の2人なら、いつまでも、どんな状況でも、ほのぼの素敵なカップルでい続けてくれるだろうと思えます。
幸せな、心温まるお話でした。
ゆっくり進む恋物語を読みたい方にはオススメします。

2

ほんわり。

ねねこさんのイラストに惹かれ
手にしたものの
おじさん風な相手であろうことを
連想させるイラスト。
かなら迷いました

おじさん、年上、サラリーマン
は好きじゃないので。

でも結局購入。
そして、おじさまめちゃ良い人でした
優しく暖かな方。

作品としてはよくある感じはしますが
だから嫌という事はなく
全体的に暖かな感じでした

切ない葛藤が好きな私としては
物足りない部分がありました

ただあてとがきにも作者さんが書かれておりますが
今後の二人の関係に期待してます

1

ほんわかじんわり

朝陽[受]美容師は、ゲイでDV浮気駄目男恋人と別れて半年後でまだ不安定ながらも恋愛メンタル面ではやっと落ち着いてきたかな?って感じ。
その彼がよく行くクラブで、飲んでいた客重森[攻]に声を掛けられます。
重森は一流サラリーマンっぽいけれど地味で誠実で優しそうな男。
彼は店で見かける朝陽の事が好きで、静かに温かく見守ってくれます。
朝陽の職場の同僚の女の子や先輩が実にいい人達揃いな事もあって、元恋人の暴力がちょっとだけあるけれど全体的にほんわかした話になってます。
最後に重森は転勤でミラノに行っちゃうんだけど、離れた2人の電話のシーンとその後に到着する重森からの手紙がいい味出してます。
派手さや痛さはなくて、同僚や重森の優しさがふんわりとした読後感。

3

恋のはじまり

前の男との不毛な恋から、ようやく立ち直りつつあった美容師見習い・朝陽が、おそるおそる、新しい恋に踏み出していくお話。

朝陽の最初の男・弘毅はDVで、共依存関係を断ち切るのに、勤め先の友達や先輩まで巻き込んでしまい、別れて半年、仕事の忙しさに紛れて、ようやく朝陽の心の傷が薄れつつあった時に、職場のみんなと行きつけの店で、藤森に声をかけられます。

この作品、朝陽の相手、藤森が、メインキャラの割りに凄く地味です。
最初の方では、藤森と朝陽とで、新しい関係を作っていく話なんだよね?って、半信半疑になる位です。
でも、この地味さがじわじわ効いてくる。

慈しみあう恋の仕方

例え距離に隔てられて、いつか別れる日が来たとしても、
優しい恋の仕方を知った朝陽くんは、もう二度と、不毛な恋に捕まることはないだろうって、思えるのです。

2

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