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表題作スケルトン・ハート

大学付属工場の実習助手・荒牧圭吾(23)
工学部助教授・真島知晶(32)

その他の収録作品

  • インビジブル・ハート
  • あとがき

あらすじ

工学部助教授の知晶は、妻子ある教授とセフレ関係にありながら、大学付属工場の実習助手・荒牧に心惹かれていた。家庭の事情で進学をあきらめた青年の挫折と、自らの人生が共鳴したように感じたのだ。だが、若い荒牧のプライドを傷つけて拒絶されて以来、知晶は彼と距離を置いていた。その距離がふとしたことで縮まったとき、荒牧から秘めた想いを告げられて……?ずるくて姑息で、なのに純情。大人の恋愛力学。

作品情報

作品名
スケルトン・ハート
著者
いつき朔夜 
イラスト
あじみね朔生 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403522369
3.3

(16)

(3)

萌々

(4)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
51
評価数
16
平均
3.3 / 5
神率
18.8%

レビュー投稿数7

理系らしくボルトとナット

神にしようか萌えにしようか、ものすごく悩むほど久々の大ヒット萌え作品でした。
感動という部分も多少あるにしろ、エチが萌えたんですよっ!
32歳が失神しているところに、思わず体中をみたいとライトを照らして、よーく観察する23歳初体験男子。
しまいには欲情してきてしまって、乳首で擦って汚しちゃう~♪その素直な欲望ぶりにwww
そして、自分の本音をさらけだして、怖がらないでもっとして欲しいという32歳。
そうなるまでに色々あるのですが。

最初ページを開いて題名の下に書かれたTシャツの絵、これは一体何なのか本編を読むとわかりますので乞うご期待。
大学に行きたかったけど行けなくて大学の実習工場へ就職した荒巻と、その生い立ちから人に必要とされたいと常に渇望している大学助教授の真島が、最初の出逢いからちょっとしたすれ違いで気まずくなってから3年越しで、
その想いを遂げるまでが本編です。

最初から真島を意識してしまった為に、自分のプライドから真島を突っぱねてしまった荒巻。
よかれと思った事が荒巻を傷つけてしまったことで、無意識のうちに人を求める方向を間違ったセフレ不倫という形に持って行ってしまった真島。
それまで3年もと思いますが、その期間は荒巻も社会人として職人的世界で上に揉まれて鍛えられて一人前になる為にも必要な時間だったのだと、彼の技術者として成長があったから接近も可能になったのだということがわかります。
荒巻の若さゆえの暴走も、真島が真剣さを見せることで解消しているのですが、その説得の内容がちょっと大人でズルイww
「君が僕を拒んだから、僕はあの人に逃げたんだ。僕が欲しいというならもう二度と拒まないでくれ」
いや、まるで求愛というより脅迫!?
でもその後にちゃんと腐抜けになるような口説き文句が用意してあって、さすが年の功?
初めてのエチは荒巻のワンコぶりと初めてのウイウイしさが出て、何かほほえましかったです。

そして次の『インビジブル・ハート』ではごちそうさま、な甘い話ではあるのですが、それでも付き合う二人なりの困難や悩みがあって。
真島が失神してしまったことから、自分が欲望のまま突っ走ったら壊しちゃうんじゃないかって不安になって、それで我慢する荒巻の姿がとてもかわいい(男臭そうなヤツなのに)
そしてエチする環境の問題(これは重要だ!)
ちょっとした誤解を荒巻が持った為に少しギクシャクするけど、その誤解が解けた時に、すべてをさらけ出してリードする真島のエロさにやられましたー♪

舞台が工学関係の理系の大学だけに、とっつきにくいのかな?とも思いましたが、全くそんなことはなく、その部分でさえ面白く読むことができました。
和柄のTシャツの似合う男性っていうイメージとイラストの荒巻がぴったりで朔朔コンビは成功していますね。
また方言が出てくるのが、荒巻の性格を表わすのにぴったりでした。


5

私好みなので

おまけで神評価。
欠点が無いとは言い切れませんが、十分に私好みのお話だったので。

お互いに一目惚れに近い恋の始まりだったのに、若さからくる潔癖さと大人のずるさで遠回りすることになってしまった年の差カップルのお話です。
3年も遠回りするなんて・・・それも同じ職場に居るのにですよ。

大学の工学部が舞台です。
お仕事第一の私なので、久しぶりに新しいお仕事のお話が読めて大変嬉しいのです。
工学部という未知の世界、教員だけでなく実習助手として様々な人が働いているんですね。
“技能五輪”は聞いたことがありましたが、“マイスター検定”は初耳でした。あ~楽しい。
そこへ持ってきて微妙に方言も入って更によし。

朴訥で真面目でプライドも高いと、言うことなしの新米技術系職員・荒牧に、誰かに必要とされ認められることで己を保っているところがある大学助教授・千晶が関心を抱くわけですが、彼らが良かれと取った行動がすれ違ってしまった為に3年も遠回りをし、さらに大きな誤解を招くことになって・・・
お互いの誤解が解けた時の千晶の言葉が好きです。
「していいよ。いくらでも、ひどいことを。僕を置いて逃げるよりひどいことがあるか」・・・そうだよね。

一話目は千晶が後悔するような部分を持っていたのですが、二話目の「インビジブル・ハート」は“いけないことをしてしまった”荒牧が後ろめたくて・・・がメインのお話です。
ケダモノ並みの荒牧でいいと思っている千晶なのに、優しく接しようと我慢を重ねる荒牧、再び二人が微妙に食い違っちゃって・・・
で、前述ののセリフの続きです。
「僕は君に『ひどいことをしてもいい』と言った。覚えてるか」「あれは撤回する」「してもいい、じゃない。してほしいんだ。君のすることに、僕は我慢も何もしていない。どうしてそれがわからない?」・・・
そして、「僕は、君だけに合う体になりたい。」ですよ。
ここで、工学部助教授と技術職のカップルだった意味が存分に発揮されたわけですね。
いやー、それにしても積極的な受さんです。

ちなみに、ヤマモモの木が象徴として出てきます。
カバーのイラストにも描かれていますが、いまひとつどんな果実なのかイメージできませんでした。
たまたま、今朝の新聞広告に入っていた植物の通販カタログにカラーで載っていまして、なるほど納得いたしました。表面がツブツブしているんですね。

4

アダルトだけどピュア

萌萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
わー、面白かった!
弁論部の次は大学付属工場ですか…毎度ながら意表をついてくれる舞台選びに敬礼です。
特殊業界をきっちり活かしたラブは、他作家さんでは決して味わえない面白みで、今回ももちろん健在。やっぱり好きだなあいつき作品。
これまでに比べ色々アダルト面が強化で驚きましたが、それ以上にピュアな印象のお話でした。

大学付属工場の実習助手・荒牧×工学部助教授・知晶の、3年越しのすれ違いの末に実る純な恋。
親切心を拒絶されてしまって以来、心で荒牧を想いながらも、妻帯者の教授相手にセフレ関係をズルズルと続けている主人公の知晶。
設定だけならずるくてすれた大人ですが、優しくて勤勉、そして本当は一途な受け。意外と芯も強く、恋愛では年上らしく荒牧を導いたりなんかして、とても好感が持てる人柄でした。

そして10歳近く年下の荒牧も、これまた輪をかけて一途な攻め。
経済的な理由で進学を諦めた彼は、ふざけた態度の学生に腹を立てるような生真面目な青年で、すごく純朴なんです。
純朴なんだけど、若さからゆえの潔癖さが裏目に出て、時々一人で暴走してしまったりする未熟さがあり、知晶を振り回します。

実はこの二人、初対面で一目惚れ同士。
なのにちょとした諍いが元で、お互いの気持ちを知らないまま溝が出来てしまい、3年後にようやく仲直り。
更に気持ちが通じ合ったように思えた時、タイミングが噛み合わず、結果もどかしいすれ違いを生んでしまいます。
このすれ違いの様子がすごく不器用で…不器用すぎて愛おしいくらい。
特に想いが強すぎて暴走してしまう荒牧の行動には、読んでてびっくり。
そんな風に、完璧ではないキャラクター作りにとても親近感が湧きます。
完璧じゃないからこそ、お互いが相手を思い遣っている様子に、読んでいて優しい気持ちになれました。

そして、助教授と技術者ならではの二人の交流も見所でした。
荒牧を通して垣間見る、ミクロ単位でこだわる職人の世界。
「役に立つものを作りたい」というモノ作りに携わる人たちの姿勢がすごく素敵で、汗と埃にまみれる荒牧がかえって魅力的に映りました。
助教授の知晶も、技術者の彼らと二人三脚という図が大学付属工場ならではだし、あとがきで書かれていた「化学ってロマンですねえ」という作者の想いが伝わってくる作品になっていました。

あと、前作でも同じ事書いた気がしますが、いつきさんのエロシーンは超萌えるわああああ。もう大好き。
そして、ものすごーく納得の素敵なタイトルなんだけど、なんせ薔薇色のスケルトンのアレが印象的すぎた。笑
アレを夜な夜な研摩する荒牧の姿を想像して、笑えるやら泣けるやらですよ。アレ、その後とうしたのかしらん…。

5

年下攻めの良さが詰まってます

いつき朔夜さんの素晴らしさの一つに、お仕事の描写に手を抜かない点があるのですが、この作品でも如何なくそれが発揮されてました。
しかもどんな職業でも、登場人物はその仕事を愛してて、誇りを持って頑張ってるんですよ。その姿だけでも萌えてしまう。
BLでは有能な仕事人は多いけど、「実」がともなってないパターンが多いので(なにをしてるかさっぱり分かんないけど、“仕事ができるのだ!”という魔法使いのような仕事人がやたら多いw)、いつき朔夜さんの細部にこだわってくれるお仕事の描写は貴重だし嬉しいです。

今回は大学の助教授と、同大学で技術者として働くいわゆる職人さん。
匠の職人、萌えるよ萌える…!
スーツ姿にも萌えますが、実用性重視の作業着ってさらに萌える。
頭の中で中島みゆき『地上の星』が流れ、プロジェクトXをひたすら萌えながら見てたことを思い出しましたw

もちろん二人の恋にも萌えました。
年下攻めの良さが凝縮されて詰まってるなーと。
くそ真面目すぎてアホアホな勘違いをする斜め上っぷり、嫉妬の仕方、エッチで暴走して本気でへこむところ、欠点ぽい部分がぜんぶぜんぶ可愛くて好き。
こういう欠点って、描写の仕方によっては萌えにも萎えにもなるビミョーな部分なんだけど、すべてをきっちり「萌え」のほうに落とし込んでくれるあたり、さすがいつき朔夜さん。で、欠点が萌えになった場合、その攻めは、欠点なき攻めの百倍は魅力的な人物になるんだよね。
年上受けのほうも、大人のずるさというより、恋愛慣れしてないアホアホさじゃないかなと。とっさの計算が常にダメなほうへといっちゃうのがアホアホでカワイイw

エッチな場面は何度もあるんだけど、どれも趣向が凝らしてあってステキです。
これもさ、エッチだけ浮いてる作品ってあるんだよね。必然性を感じないというか、その作家さんのどの本を読んでもエッチ描写になるとワンパターンになるというか…そういうの。
この作品にはそれがない。
ディルド使った暴行から、余裕のない初体験、さらに余裕のない二回目のエッチ、部屋におこもりしてのあまあまエッチ(乳首オナニーの美味しいオマケつきw)、他人行儀になったエッチ、最後の誘い受けエッチ、どれもこれもストーリー進行としっかり噛み合った濡れ場でした。

ほんと良作でした。

3

薔薇色の……

とりあえず薔薇色の○○に噴きました、スケルトンってそっちを意識して……と勘ぐっちゃいます(笑)
アレを削ってる荒牧を想像するとおかしいやら同情するやら……w
しかもそれで知晶を犯すってね←ごめんなさい、笑っちゃいますww

お話としてはお仕事描写が素敵でした、一生懸命に働いている男っていいわぁ(*´∀`*)
しっかり書き込まれていて違和感なく読めてよかったです、お仕事内容はなかなかマニアックでしたが疑問も少なく面白かった!

個人的に荒牧のふと見せるトンチキな行動がつぼりましたw
薔薇色の○○とか、失神してる知晶を電気で照らして観察とか(つ∀<●)
爆笑もんですよ、いや本人が至って真面目なのがまたww

荒牧や周りの人のふと見せる方言も可愛くてよかったです
方言ってなんかきゅんとくるものがあります(*´∀`*)
でも、いきなり方言になってちょっと別人に見えちゃったり、ここは方言で言って欲しかった! って台詞の所が方言じゃなかったりがあってそこがちょっと残念でした(´・ω・)

全体的に綺麗にまとまっていて穴がない訳じゃないけど面白い作品だったと思います
いつきさんは初読みだったので他の作品も読んでみたいw

2

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