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製薬会社に勤める研究院、透は新しいサプリメントの開発に行き詰まっていた。
他社が成功を収めている体をあたためるサプリへの参入。
なかなか訪れないアイデアに頭を抱える透は、ある日カレーの移動販売車に出会う。
気まぐれで食べてみたカレーの味と、店主の芹沢の人柄に惹かれ通うようになる透だったが、ある日プラーべートで彼と食事に行ったことから、いつのも悪癖が顔を出してしまい……
ああ、椹野さんらしいカタブツ受けだなあと思いきや、予想外の展開が待ち受けていたのでした。
クールキャラと思いきや飲むと襲い受けに変身しちゃう主人公(メガネ)。
な、なんだって?!
しかしここまでガチで受が攻を襲っているのは久しぶりに見た気がするなあ。
悪い大人ではなく、普段真面目な人が豹変するっていうのはかなりツボでした。
お相手はワンコだけど芯の通ったカレー屋さん。
閉じこもってしまった透に、出てこないと玄関先でカレーを作るぞなんて言っちゃう彼のずれたところはかわいいです。それどんなキョーハク!?
椹野さんだけあって料理の描写がとにかくおいしそうです。本格カレーが食べたくなりました。
しばらく前にドラマCDを聞いて、ようやく原作読みました。
あのCDってキャストが3人で、脚本段階ですっきり削ってそうなったのかと思いきや、
原作でもそうでした。
って言うか、CDの方は梅枝の石川さんがあんまり印象的なんで「3人」ってかんじたけど、原作はもっと梅枝の登場シーンが少なくて、ホントに二人だけで話が進んだ感じ。
でも、この、他には登場緒キャラがいないところこそが、加島の心の閉じている感を強調するのに役立っているのかな。
そして、草間さんの挿絵が、また実によくって、生真面目な加島と、年下わんこ全開の芹沢の雰囲気にピッタリ。
草間さんの絵だからこそ、加島と芹沢のキャラが立ってくる。
なので、挿絵の評価もプラスして「萌×2」
別の出版社でも椹野&草間のお二人で展開しているシリーズがあるけど、そちらもいい感じで、このお二人、とっても相性がいいようです。
まずはじめに、BLという概念を抜いて思った感想が一つだけ。
このお話を読んだあと、今まで作ってきた自分の料理(主にカレー)がどれだけずぼらだったかがわかって、一週間ほど頭の中を悩ませました。もうそれは本当に「オーガニック」やら「ナチュナル」やらにとらわれて感想を書き込めないほどでした(笑
それぐらい、バックグラウンドがしっかりと調べ上げられていて、まさに「専門家」が会話しているような…そんなお話でした。今までレトルトやらに頼ってきた身からすると、なんだかいたたまれない気持ちになったのも本当です^^; これからは健康に気をつけたいと思います。
本編のBLとしての感想は、前にレビューされた方々のように、ほのぼのとした和やかなお話という印象を受けました。
もう紹介されてると思いますが、このお話は、少しだけ頭が固いけれど人一倍傷つきやすく、酔っ払うと人を襲ってしまう(性的な意味で)透さん(受)と楽天家で包み込むような優しさとあどけなさを持ったカレー屋の芹沢くん(攻)のお話です。
展開としては大波乱があるわけでも、かといって平坦なわけでもなく、まるで氷が溶けていくような暖かなスピードで展開を広げていました。
その中でも個人的な見所としては、恋愛に恐怖を抱いて臆病になっている透さんがどんどん芹沢くんの手によって暖かな気持ちになったり、穏やかになっていく姿がとても可愛らしく描写されていたところがとても素敵だったと思います。
イラストの草間さかえさんの絵も素敵で、相変わらず頑ななメガネサラリーマンを素敵に描くなあときゅんきゅんしてしまいました。
本編の中で上質のモノを(無意識に)選んでいる透さんがちゃんと具現化されていて、小物でさえも手が混んでいて思わずニヤニヤしてしまいました。
最後に、このお話を読んだあとに、とても芹沢くんの作ったカレーが食べたくなってしまうので、カレーを用意しておくことをおすすめします(笑
ワゴンでカレーを売ってるカレー屋さんと
スパイスを研究するサラリーマンというCPなんです。
草間さかえさんの挿絵もかわいくて、さくさく読める1冊でした。
けっこう展開が速いです。
テンポがいいのでそんなに気になりませんが。
ただ、はじめて男とセックスしたノンケが
すぐにプロポーズを持ち出すのは、私の好みではなかった。
前段階に元カノとも結婚を考えていたというくだりもあり
攻めは常に“つきあう”イコール“結婚”なんだなってのはわかるけど
私、つきあいはじめに結婚だのなんだのくちばしってしまう男は
どーにも安っぽいって思っちゃうw
もっとじっくり書けば実はかなり長くなりそうな設定な感じだけど
すごくコンパクトにまとめたなっていう印象が残りました。
さくっと気分転換に気持ちよくなるにはもってこいの本。
まさに“ハートに効くサプリ”的な本です。
あとがきに同僚の梅枝の話を書く予定であるとの記述アリ。
すごく気になるイイ男!梅枝!!
挿絵では後頭部しかお目見えしてないんですよね!
楽しみだなぁ。
かにゃこさん、こんにちはw
これ、書店で平積みになって気になってたんですよ~。
椹野道流さんと草間さかえさんのコラボって
相性としてはいいのかもしれませんよね~。
茨木さんと京橋君とか楢崎先生とまんじ君みたいな雰囲気なのかな?と
次に書店に行ったら手に取ってしまいそうですw
カレー屋×サプリメントの研究員という珍しい設定の本作。
椹野先生の素敵な料理描写と実際の医療現場に身を置いていた経験からくる詳しい医薬品知識が相まって、一粒で二度美味しい作品に仕上がっています。BLとしても楽しめますし、スパイスの勉強にもなりました。
加島透はカリノ製薬に勤める会社員。サプリメントの研究開発を仕事とする彼に上司が与えた課題は「身体を中から温めるアイテム」でした。身体を温める…といえば生姜が思いつきますが、すでに他社が生姜関連商品でヒットを飛ばしているので生姜は使えません。なかなか良い成分が思いつきませんでしたが、何となくランチに購入した移動販売車のカレーをきっかけに、スパイスに興味を持ち始めます。加島はスパイスの勉強を兼ね、その移動販売車に通い詰めるようになりました。
加島が毎日カレー屋に通うようになって二週間後あまり。土曜日の夜、加島は街中で偶然件のカレー屋と出会います。店主の名前は芹沢匠。二人は夕食を一緒に摂って、お互いの仕事の話や料理の話で大盛り上がりします。ところが酔っぱらった加島は芹沢を押し倒し、無理やりに関係を持ってしまいました。
クールで他者を寄せ付けない印象の加島は実は襲い受けだったのです。けれど中身は真面目な人なので、罪を償おう、責任を取ろうと必死に行動を言葉を重ねて謝罪します。しかし芹沢は加島を罵倒するどころか、気遣いを見せ優しい言葉を懸けてくる。そして芹沢は加島の元から姿を消してしまいます。
ここから二人のすれ違いが生じるのですが、その理由がそれぞれがお互いのことを思っているがゆえというところが好感を持てました。二人ともとっても良い人なんですよね。また、攻め受けともに過去の恋愛で痛手を負っていて、特に加島は恋愛の失敗が原因で人と関わらないようにしているのですが、新しい恋がそんな心の傷を癒していくという流れが上手くまとまっていました。
物語は二人を中心に動き、第三者は加島の同僚・梅枝を除いてほぼ絡んできません。それだけ丁寧に二人の心理描写にページが割かれています。サプリやスパイスの知識も盛りだくさんで、読めばちょっと得した気分になれました。
1冊でコンパクトにまとまっていて、後腐れはない作品。
サプリメント感覚で1冊読んでみれば、読後は癒されること間違いなしです。