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表題作肉食上司のアイしかた

九條京司,29歳,ヘットハンティング会社ハンター
有城晶,27歳,製薬会社で薬害後研究から人事担当

あらすじ

仕事で追い詰められた有城に突然きたヘッドハンティングの話。九條と名乗る獰猛な眼差しのいかにも肉食な狼は、有城が必要だという。真面目さくらいしか取り得のない自分がなぜ?と有城は断るが、情熱的なアプローチはやがて愛の言葉に変化して!? 九條の甘い唇から囁かれる告白、傲慢かと思えば親身に心配してくれる優しい一面に、有城は惹かれ始め…。九條が上司になったとき、草食の有城はどうなるの!?

作品情報

作品名
肉食上司のアイしかた
著者
砂床あい 
イラスト
麻生海 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
シリーズ
一途な夜
発売日
ISBN
9784862637697
3

(19)

(3)

萌々

(2)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
5
得点
54
評価数
19
平均
3 / 5
神率
15.8%

レビュー投稿数5

恋に落ちたのはわからないけども

ヘッドハンターとヘッドハントされる側の恋愛物語。
三作シリーズです。

医療系ヘッドハンターであり、実は医師免許も持っている九條と、製薬会社に勤務し研究職だったが事情により管理部門(人事)へ異動した有城。
有城は、人事部の部長に思いを寄せながら、言われた仕事をこなしています。治験で右手に後遺症をわずらい、それをわかった上で期待してくれている上司のために、リストラ(首切り)を行うことに。。そのため、ストレスから胃潰瘍に、そしていやがらせを受けるという始末。

そんな有城にヘッドハントの話が舞い降ります。しかし自分に価値が無いと思っていて、人事部長の相澤からしか期待されていない、彼のために頑張って首切りという辛い仕事もやろうと思っている彼は請け合いません。
しかし、九條はヘッドハントだけではなく、有城を恋人にしたいと。

ストーリはここから有城の置かれている立場や相澤の策略、九條の思惑と進んでいきますが、九條が惚れた(作中ではH/Hの経歴から人となりを見ていたら惹かれた、と書かれていますが)その辺りがちょっと突飛な気がしました。
ただ、そこに引っかからなければ、そこからの駆け引きや騙し合い、九條のカッコよく立ち回るところは爽快で、最後は有城も九條に惹かれていきます。

有城がH/Hされた会社は実は九條の会社で、九條の部下になるってオチですが、2冊め以降はヘッドハンティングする側になってのお話に続きます。九條の過去が出てきたり、有城の元後輩が出てきたり。
BLというよりもこのストーリーが相応に面白くて、3冊一気に読めました。

1

交渉という名の恋の駆け引き

2010年刊。
主人公・有城は、端正な見た目からは想像し難いヘビーな生い立ちに苦労人そのものな人生を歩んできた。
入社した製薬会社でも、創薬研究時の治験で右手の後遺症を抱え、移動先の人事部でも人員削減の為の退職勧告を請け負う事で社内で反感を買う役割となってしまう。
ちょうどその時に、ヘッドハンディングの話を持ち掛けてきた男の前で胃を壊してぶっ倒れる失態を晒すも、初対面なその男・九條に病院に連れて行ってもらい介抱されるといった思わぬ事態となる。

これって過去のリブレ・コラボ企画だったのかな?
読む前はお仕事BL+煌びやか+各カップルの恋愛模様といったものが混ざっている内容かと思っていたが、浮ついた空気がなく始終真面目だった。
このシリーズでは他にサブカプ候補になりそうな個性的な職場の同僚とかの顔見見せもなく、九條の会話の中で癖の強そうな部下が何人か居るって程度しか触れられていない。
3冊かけて九條×有城の進展をじっくり読む事となる。

ちなみに、九條は"肉食"(ハンター)というほどがっついてはいない。
むしろ有城へ告白して受け入れてもらうまで辛抱強く待っている位の男だったりする。
一度突っ走って有城を押し倒した時に拒絶され(当たり前だってば)、「振られたかも」って経緯があったから、なんだけどね。

それはともかく、現実はどうなのか分からないが、この話でヘッドハンディングの奥深さへと次巻へ続く。

0

シリーズの1冊目

肉食上司シリーズの1冊目です。
2冊目「シツけかた」と3冊目「トラエかた」のようなハッキリとした続き感はないので、この1冊だけで読むのを終えてもまぁ大丈夫です。

1冊丸ごと表題作です。
有城の目線でストーリーは進んでいきます。
九條はヘットハンディングとして姿を現し、その素性は偽りではなかったのですが、実は…というのが最後のどんでん返しとも言うべき一番のポイントだと思います。相崎、やなジジイだな、おい!

有城は九條に惹かれていくのですが、九条の熱心さが恋愛感情と仕事が混じるのが公私混同にも思えて、仕事のデキる男が好きな自分としてはちょっと微妙な気持ちになりました。

仕事もの好きとしては絶好の作品だったのですが、有城が辛い思いばかりして、仕事の楽しさを感じられない1冊だったのが残念でした。まあ、だからこそ九條の誘いが渡りに船で魅力的にも思えるのでしょうが。

有城が真面目な事もあり、重い書きぶりでないのに、なんとなく暗い印象を受けてしまいました。あと、二人とも黒めのスーツだと、イラストも固い印象になるものだとも思いました。でも、この1冊目と次の「シツケかた」の対になった表紙イラストは素敵でした。

0

お仕事ガッツリです

滅私奉公で働く、とても健気なリーマンに来たヘッドハンティング。
自分の身を削っても会社の為働く、とても尊敬する上司の為に働く、日本人の典型ともいえるそんな働く男が主人公で、そこにリストラの問題や、試薬の後遺症など、とてもリアルで働く者にとっては身近なテーマで、選んだ題材はとってもいいと思うんです。
組み合わせも面白くて、その影に隠された真実とか、すごくいいんです。

しかし・・・

題名が「肉食上司~」と付いているから強引なのはわかるんですが
主人公のおかれた立場、気持ちはすごくよくわかるんですが
どうやったら恋愛になるのかわかりません!
あと、強引に決めつけて登場人物の発言に矛盾を感じる部分が多々発生し、ほころび目がボロボロと目についてしまうんです。
それに気がつかなかったら、すごく面白い話だと思ったんですが、気がついて疑問に思ってしまったのです(涙)
そこで詰めが甘いなーと思ってしまうのですよ。

ヘッドハンティングに来る九條の接近はわかるのですが、会社に業務に上司に身体を壊すまで献身的な有城に好意は持っても、好きになる決め手がわかりません。
有城にしても、九條の親切はあるものの、上司への信頼がなくなったからと言ってどうしてすぐ九條にいってしまうのか、そこも決めてがない。
有城の上司・相崎にしても、ラスト部分の言っていることがおかしい。
何だか、そんな部分が登場人物達が勝手に決め付けた上で、この流れができあがっているというのがどうも腑に落ちなかったのですよ。

本当にすごく題材・テーマはいいし、好きだけど人物の部分に作者の強引な力が働いてしまって本当に惜しかったです。
今度はデキあがってからの続きがあるということなので、違う側面での展開がみられると思います。
今度は強引な捻じ曲げがないことを願います。
ちなみに、「一途な夜」に登場した主人公達は登場せずにその会社の社長が出てきてグチるといった軽いリンクが見られました。
あの、コンドーム会社話は面白かったんですがww

1

働く事の意義と理由

今回は元眼科医のヘッドハンティング会社ハンターと
大手製薬会社の本社人事部リストラ担当者のお話です。

会社の合理化絡みの人員整理に関わった受様が
攻様と関わった事で今までの自分と決別するまで。

受様は薬学部を卒業後
大手製薬会社で新薬の開発に携わりますが

三年前
開発中の新薬の治験体となった際に
運悪く薬害の後遺症を負ってしまいます。

意志とは関係なく手の震える症状は
日常生活には支障がなくても
細かな作業の創薬研究を続ける事は難しく
受様は研究者としての未来を
断たれてしまいます。

復職後は管理部門への移動を
余儀なくされた受様は
現人事部長に見出される形で
本社人事部に移ります。

しかし、
本社人事部は文系出身者がほとんどで
研究畑の受様は辛いスタートでした。

それでも
新卒採用や社員教育と言うやりがいを
任せてくれる部長について働く事に
喜びを感じていたのですが…

経営難が囁かれ始めた頃から
受様の仕事は採用から解雇へと移り
当初の様な仕事への充実感は無くなり
ストレス過多の生活を送っていました。

そんなある日、
受様はある会社から
ヘッドハンティングの誘いを受けます。

そのヘッドハンターこそが
今回の攻様になります♪

しかし
修士の学位で研究畑から落ちた自分に
期待されている能力など無いと
受様は攻様の誘いを一蹴します。

されど
優秀なヘッドハンターたる攻様は
断られてからが勝負と
受様の自宅前で待ち構えていました!!

狙った獲物はどんな手を使っても
執念で負うのがハンターだ

受様を会社に飼いならされた家畜か
手負いの草食動物と言う攻様は
間違いなく全力で狩りをする肉食系。

余裕の攻様と口論するうちに
受様は日頃のストレスが頂点に達し、
吐血して倒れてしまいます!!

幸い攻様の実家が
大きな総合病院で緊急輸送された受様は
胃に穴のあく一歩手前と診断を受けます。

受様は入院を勧告されつつも
仕事の忙しさから通院を希望し
攻様に身体を壊してまで
義理人情を尽くすのかと詰問されますが

部長の期待に応えられず切り捨てられる事を
怯える自分がいると否めない受様の
反論は力弱いものになります。

これでヘッドハントの話は終わり
と思っていた受様ですが、
攻様は私的にも受様に興味を持ったらしく
マメな接触を絶やしません。

しかも受様を欲しいと言う求人票は
なんと攻様の会社のモノだと言うのです!!

医師免許を持ちながら医師ではなく
ヘッドハンターとしての仕事に
やりがいと誇りを持っているという攻様が
自分のメディカルチームの部下として
受様を欲しいと思ってくれる事に
大きく気持ちが傾く受様でしたが

そもそも受様のヘッドハンティングには
人事部長の口利きが有ったようで?!

攻様が受様を狩るのは仕事の一環?!

本作は
小説と漫画のコラボ企画の小説バージョンで
早くも次巻発行が決まっている続き物です。

なので本作は
受様視点での主役二人の馴初め編ぽい感じで
二人が出会った事で受様が変わっていく様子に
主眼を置いて描かれています。

二人の出会いとなった
ヘッドハンドの裏事情が見えてくるにつれ
義理と人情とやりがいと誇りを天秤にかけ
受様には結構キツイ展開になるのですが

この選択で悔いは無し!!って最後まで
先が読めそうで読めないハラハラ満載で
たいへん楽しく読めました♪

なぜこの会社で働くのか?
自分の働きが誰かの益になるのなら
自分を抑える事も必要なのか?
ソレが本当にその誰かの為になるのか?
そんな事も考えさせられました。

病院経営する家族との確執とか
攻様が医師を辞めた理由などは
コレから明かされていくようですし、

この上司にしてこの部下有り的な部下揃いの
メディカルチームでの新しいお仕事が
どんな風になるかもとっても楽しみで~す。

麻生さんによるコミックスバージョン
『草食上司のオトしかた』は
マガビーの掲載からのようですので
まずはソレを読んで次巻を待ちたいと思います(笑)

今回は本作同様リブレのコラボのお気に入りから
岩本薫さんの『YEBISUセレブリティーズ』を
オススメしまーす。

4

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