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恋の終わらせ方は人それぞれ。さて、このふたりの場合は――?
◆地獄行きバス(表題作)
シリアスな展開かと思いきや…。嬉しい方向へ進んでくれた作品でした。女性と結婚するのに男の愛人としてカンちゃんとの関係も切らないと宣う修に、最初こそどんな鈍感男なのかと呆れましたが、もちろんそれはちょっとした愛の駆け引きで。そこからは最初のしんみりした雰囲気が嘘のように、カンちゃん一筋な修と、なんだかんだいつも修に絆されてしまうカンちゃんの、ラブラブな日常が繰り広げられます。ものを捨ててばかりだった母親に育てられた修が、カンちゃんという大好きな人を手に入れ、カンちゃんが好きな雑多なものに囲まれて暮らす。人生、出会いがあればどんな風にも変わるものだなぁと改めて思いました。
◆夜の女王、他
貴志と輝の話になっても、執着攻めの作品として十分楽しめそうでしたが、そういう展開にならなかったことがこの作品の魅力でしょうね。輝の代わりでしかなかったヒラに、本当に少しずつ情が芽生える貴志。輝への想いが減ったわけではないのだろうけれど、それぞれの好意の本質が徐々に見えてきたのかなと感じました。
エッチングのような線描で、味わいがある絵。
恋の終わらせ方についての2シリーズ。
寛ちゃんと修の恋愛日誌みたいな話。----
★地獄行のバス
「生粋のゲイ」と確認したのに、その恋人が女性の同僚と結婚することになった。
でも、カンちゃんとは別れない。
二股かけてほしくないなら、一週間旅行に一緒に行こう。
・・・と提案をうけて、二人で温泉に行くことに。修と初めての二人旅。
かんちゃんが女に恋人を奪われるのは、4回目。
・・バイと知らずに付き合って、同棲してすこしずつ家具をそろえていったのに、と泣くかんちゃん。
なんだか、修が奇妙な雰囲気。ひょっとしたら、サプライズがありそう、と思いながら読み進むと・・・
修の気持ち「インテリアよりも深く自分に執着してほしい」
かんちゃんの気持ちを確かめたかったのでした。
面白かった。
★あふれそうな家
修の親戚は裕福。貰った贈物は、質草になりそうな高価なブランドものばかり。
修の母親は、捨て魔。修も、物を置かない主義。だから物と思い出が結びつかない。
カンちゃんは、買い物好き、捨てられない性格で物が溢れている。
カンちゃんが、別れた元カレと遭遇して・・
★夏の夢
かんちゃんが高額品を購入した日は、いつもと違う。
犯っちゃいましたという顔。
★なにもいらない
修は料理好きで上手。
かんちゃんは、修になにかいいものをあげたい。
と努力したら、「物欲にまみれないかんちゃんはおかしい」と心配されて・・
貴志と輝とひらくん----
★夜の女王
朝起きたら、貴志の両親は消えていた。
貴志のお母さんが作った絵本「夜の女王」
貴志が、一人暮らしを始めた。
★秘密のはなし
貴志は輝が好き。
アルバイトで雇ったヒラ君は貴志が好き。
輝は、誰かと付き合おうとしているけれど、まだ貴志が好き。
ヒラ君と輝は、同じ高校の生徒。
★みらいには
貴志の添い寝をするために、輝が泊りにくるようになった
ひらくんは、売りを辞めて学校に真面目に通うことに。
輝がひらくんをさがして、貴志は借りを返しに会いに行く
その後は謎。
目次を見ると短編集っぽいですが、単行本の半分は表題のCPです。
◾︎修(おさむ)×カンちゃん
幼少期の母の影響か、モノの執着が薄い修。一方で服マニアでモノへの執着が強いカンちゃん。修が、モノより自分に構ってほしがったりしつつも、真逆な2人は足りない部分を補い合って支え合って生きています。
明治カナ子先生は人間のどうしようもなく滑稽なところを描くのが本当にお上手。エッチシーンが生々しくもあり、また動物的でもあるところが、現実味を帯びていてとても好きです。キラキラした絵柄でないからこその良さ。
同時収録作も、人間の優柔不断で醜悪なところが静かに、かつギラギラ描かれていて大変好き。ひょっとしたら万人ウケするのはこちらの作品かな?
神寄りの萌2
※電子書籍ひかり 白抜き
裏表紙、カバー下無し
これもよかったー
読後、ため息が出ちゃう。
悪い意味ではなく、良い意味でのため息です。
「地獄行きバス」は、修とカンちゃんの日常的なお話です。
この2人、くっつくまでの経過が明らかにされていないんだけど、友人の紹介みたいですね。
もっとじっくり描いて欲しいなー。
洋服に執着していたカンちゃんが、洋服よりも?修のことを大事にしていく過程がよかったです。
そして、何より同時収録作の「夜の女王」他2編がよかった!
すごく良かったです!!
従兄弟の輝を監視?している貴志とデリヘル・ヒラとのお話。
貴志は輝の事が好きなのかと思いきや、そういう好きではないみたい…。
最後は、バラのアーチをくぐってヒラを迎えに行くところがすごく良かった!
胸が熱くなりました。
とにかく、読んでよかった一冊です!!
表紙を一目見たときは左の黒いジャケットの男子が幼く見えて、ショタとの破滅的な話なのかと思いきや、大人男子二人の素敵ラブ。修(右)とカンちゃん(左)に超萌えました。
カンちゃんは根っからの服好きなアパレルのバイヤー、ガタイのいい修は割とイケメンだけど服には無頓着な整体師。二人はゲイで、同棲していて、うまくいっていたようなのに突然、修は結婚すると言い出した。
「結婚するけどカンちゃんとは別れない、別れたいなら一週間俺と旅行して」
修は上機嫌でもカンちゃんの気分は最悪、こんなふうに表題作「地獄行きバス」は始まります。いきなり結論を言うと修の結婚は嘘。「服だけじゃなく、もっと俺にも執着してよ」と、要するに愛情の再確認のような感じなのですが、短い話にも関わらず私は異様に惹きつけられました。
続く「あふれそうな家」と「夏の夢」、「なにもいらない」が修とカンちゃんの話。
読んでいく毎に二人の魅力が増していきます。カンちゃんの服好きなあまりに捨てられないエピソードはかなり面白く、修は男らしくい上に育ち良さ気な感じなところも何気に伝わってきて。
特に劇的な出来事は起こらない、一組のゲイカップルの日常を描いたものですが、読んでいて気分がふわふわしてくる感じでした。この萌えは何なのだろう?
後半半分は「夜の女王」編。こちらは少し落ち着いた感じで、貴志とヒロ君が良かったです。