イラスト付
天才詐欺師の環と芽吹との頭脳戦は読み応え十分でハラハラドキドキ。芽吹ネゴオフィスのチームワークが天才詐欺師の環に負け通しから、9回裏2outからの逆転満塁ホームラン劇はさながらハリウッド映画の様な高揚感すら味わえました。芽吹の過去の心の痛手から事件は複雑に絡み合い芽吹、環、兵頭の三角関係へ。やめてくれ~ってなる辛い場面もあったけどもビー玉に象徴される信頼する事の強さで乗り越えた胸がギュッとなりました。一時的に敵を欺く為であろうとも兵頭が環と付き合い何度もHした事に異常に嫉妬し、言葉にした芽吹が愛おしくて萌えました。作品自体は凄く面白いのですが、奈良千春さんのイラストの画風が変わってしまわれたのがとても残念でなりません。他の作家さんのでもCDのジャケ買いみたいに表紙が奈良千春さんのイラストの時は購入してましたが、シャープな格好良さが成りを潜めて、兵頭だけでなく、芽吹さえも首が太いマッチョ風になっていてHの絡みはエロさがなくプロレスラーの肉弾戦みたいで何でなの?いやだ~って心で絶叫しました。以前の画風に戻って下さい、でないとイメージ壊れるので違う方に描いて欲しいです。
【交渉人は嵌められる】と前後編になっているお話。
前作からレビューを書こうとしたのですが、平常心で書く自信がなかったもので(笑)
以下、感想中心になりますがご勘弁願います。
芽吹がどんな人間であろうと自分には関係ないし、決して手放さないと言っていた兵頭があっさりと彼を手放した。
一人の大切な人間と大事な組を天秤にかけた結果、組の方に傾いちゃったのでしょうか…心では理解しているのにそりゃあんまりだよ~!と思ってしまうのは、USBの中身を詳しく知らないからなのですが。
結局、警察に渡っても不利益ではない内容とは…?
それはさておき今までは兵頭から好き好きコールをしていただけの二人がようやくカップルらしくなったことに、安堵の気持ちが…もう…。
甘栗は伏線だったんですね…いつかのレビューで芽吹の“信じられる”は強迫観念のようにも思えると書いていたのですが、本当は芽吹の願望だったのかな。
自分はヒトを信じられないと分かっている。
だけど、信じたい。
大切なヒトを、信じていたい。
甘栗のくだりはもう、涙なしでは読めませんでした。
そして前作の導入部と本作の導入部、目次の横の挿し絵に鳥肌やら悪寒やら涙やらが一気に襲ってきて大変でした。
芽吹に信じてもらえなかったのが辛くて自殺をしたのか、芽吹に信じてほしくて自殺をしたのか…………
夢の中で若林が許してくれたとしても、芽吹の若林への罪悪感はいつまでもしこりとなって残ることでしょうから、あわよくば永遠に兵頭がそばにいて、不安定な足場を整えて芽吹を立たせてあげてほしいです。
本心でなくとも一度はそばを離れ、芽吹の傷だらけの心にガリリとさらに奥深い傷をつけたわけですから…嫉妬でいっぱいの芽吹サンをぎゅぅうううっと抱き締めてあげて~!
それから奈良千春先生の美麗なイラスト!
こんな時期に読んでいるわたしは現在の奈良先生の方がよく知っているので、違和感なく読むことができました(もともと現在の奈良先生の絵が好みなので…!)。
表紙の色づかいというのでしょうか、構図というのでしょうか、普段は挿し絵を気にしないのですが、この作品は挿し絵込みでも楽しめました。
…ううんなんとも感想主体なレビュー…
トータルではレビュータイトル通り痛くて苦しくてツライです。本当に。主に胸が。
だけど、この作品を読んでいく上ではきっと、一番大切なお話なのでしょうね。
すべての謎が解き明かされて、芽吹がようやっと前に進むことができたのですから。
評価は文句なしの“神”ですが、萌え要素はほぼなかったともいえます。
唯一萌える萌える!と思えたシーンは心臓がどっどっとうるさくて、文字を追うので精一杯でした。
しばらく読み返せないだろうなぁ…と思いながらもチラチラと後半だけを覗き込む、そんな習慣がつきそうです(笑)
いやもう、色々書いてやろうかと思ったのですが、書きたいことがありすぎて追いつかないのでやめました。
是非、読んでみて下さい。
突っ込みどころは多々あれど、満足満足な一冊です。
まだ読んでいない方へ。同性愛が云々、という話ではありません。
『人を信じることとは何か』『人が人と共に生きることはどういうことなのか』という問いに、榎田先生が、いや、主人公である交渉人・芽吹が芽吹なりに答えを導き出す過程が、仲間に支えられながら時に厳しく、しかし優しく描かれています。
ちょっと細かいとこに突っ込みをいれると、話の展開はかなり先読み出来ますし、天才詐欺師なんてのが出てきますが全然天才に見えないし、『うーん小説だから仕様がないか~』なんてトコも多々で『犯罪心理小説』としてはどーなのよなんて考えちゃったりしましたが、細けぇこたぁいーんだよ細けぇこたぁ…。
細かいことはどうでも良いくらいに、キャラクター達が生き生きとしていて、そして愛しい。
そして読んだ方は恐らく、ゲームのトモコレがしたくなります(笑)わたしもメブキとヒョウドウ作りたい。
『現実』と『幻想』の狭間で、辛いけれども、それでも前向きに生きているあなたへ。
最後のページはティッシュ必携です。
余談。
奈良先生、絵柄が変わってしまったのはもうどーしようもない、それは、どーしようもない。
でも本文と挿し絵の温度差が酷い。本文では超シリアスシーンにも関わらず、挿し絵は何故かコミカルに描かれているという箇所がチラホラ。
なんで?としか言いようがありません。
以前は奈良先生の大ファンだったため此処まで辛口に書いたのですが、どうしちゃったのでしょうか…。作風を誰よりも理解してイラストに昇華する方だったのに。
表紙絵も最近けたたましいモノが多くて苦手です。小説内容に関わってこないのであまり此処には書きたくない気持ちはあるのですが、あまりにショックだったので書かせて頂きました…。
前巻最後、グレーのUSBメモリを得るために、芽吹を捨てて環を選んだ兵頭。
芽吹の落ち込みようはかなりのものです。
でも本当は、兵頭は芽吹を選びたかったはず・・・
相手が大事だからこそ、切らなきゃいけない縁もあると言うさゆりさん。
きっと、兵頭も芽吹と同じくらい辛かったのではないでしょうか・・・
環に騙され、USBメモリだけではなく兵頭までも奪われたにも関わらず、
信じることをやめようとしない芽吹を、環は執拗にいたぶります。
自分と兵頭のセックスを見せつけて、その横で鵜沢に犯させようとしたり。
未遂に終わったものの、芽吹は心身ともにボロボロになります。
今回は、芽吹にとってかなり大きな試練だったと思います。
自らの無力感に苛まれ、自分が若林を殺してしまった事を何度も思い知らされる。
本当は誰も信じていない、自分で自分を騙していると糾弾さる・・・
それでも必死に「人を信じていこうとしている自分」を信じる芽吹を、
私は心から応援してしまいました!
そして何より素晴らしいのが、芽吹を助ける仲間「チーム芽吹」の存在。
芽吹のために、環からUSBを取り返したい・・・
皆にそう思わせる何かが、芽吹にはあると私も思います。
芽吹の兵頭に対する気持ちも、この事件ではっきりとしました。
兵頭の一挙一動に、深く傷つく芽吹。
夏祭りの兵頭と浴衣の回想シーンが、淋しくて可哀想で・・・
自分にとっての兵頭の存在の大きさに気づき、事あるごとに兵頭を思い出す芽吹が、
本当に痛々しかったです。
すべてが終わった後、若林の名前を呼びながら、一人号泣する芽吹。
ここはもう、涙、涙、涙・・・辛すぎます・・・
芽吹は、これからも一生自分を責め続けて行くのでしょう。
でも、その後の芽吹と兵頭の再会は、辛いながらも感動的で。
嫉妬を自覚して独占欲を出す芽吹と、永遠を誓う兵頭に、心打たれました・・・
大きな試練を超えた、芽吹と兵頭。
きっと、今後この二人はどんな事があっても離れることは無いと思います。
上下巻通して重い話でしたが、所々にちゃんと笑いもあって、さすが榎田尤利先生!
最後の兵頭と七五三野の「キャラメルとオマケ」の話は爆笑です(笑)
上巻の、まさかのラストからの続きです。
兵頭に裏切られた芽吹は抜けがらのようになっています。
兵頭の新しい恋人となった天才詐欺師・環は、芽吹をさらに追い詰めようとあの手この手の嫌がらせをしてきます。
というか、嫌がらせという次元ではないですね。
環は人を傷つける天才です。
どん底まで落とされる芽吹ですが、そんな彼には仲間がいました。
本当の人の強さとは何か、芽吹が教えてくれた気がします。
今回のキモとなる、芽吹の過去のトラウマについても、芽吹・兵頭・環の三角関係についても、
最後の最後までハラハラさせられました。
しかし今回の事件を通し、芽吹と兵頭はさらに絆を深めたように思います。
なんせ、あの芽吹が嫉妬轟々でしたからね。
クライマックスでの、芽吹の兵頭に対する本心が痛くて切なかったけど、それを上回る萌えでいっぱいでした。
今までなんとな~くなし崩し的に恋人と呼べるかどうかも定かではない関係だった二人ですが
芽吹がここまで兵頭のことを思っていたなんて、期待はしていたけど、まさか原作でお目にかかれるとは思いませんでした。
芽吹さん…思ったよりも激情家www
エッチも芽吹が上に乗っかっちゃったりなんかして、なかなか情熱的でした…w
そしてエッチの時になると、兵頭の敬語攻がこれまたさらにエロくなるんですよね~
傲慢で俺様だけど、なんだかんだで芽吹に頭の上がらないカンジがたまらなく好きです!!
あぁやっぱりこの二人が大好き!!
これで二人は恋人らしくなれるのかな…?
交渉人シリーズ通してのテーマが「人を信じること」だと思うのですが、
今回はそれが最も強調される作品だったように思います。
自分が「人を信じられる」というのはある意味傲慢なことかもしれません。
芽吹自信も「人を信じたい」と必死に思っているだけだ、と言いましたが
それが立派なことなんだと思います。
ラストの1ページ、号泣してしまいました。
芽吹はちゃんとわかってるのかな、誰も芽吹のことを恨んでなんかないのに。
もうとっくに許されているのに。
もう自分のことを責めるばかりでいるのはやめてほしいですね。
芽吹の周りには、芽吹のことを思ってくれる人がたくさんいるんですから。
そしてお互いのことを信じて、ちゃんと自分の立場を守った芽吹と兵頭も偉いと思います。
本当は好きな相手と敵対するなんて絶対嫌なはずなのに…
辛かったと思うけど、それこそ相手のことを信じていたからなんでしょうね。
まぁでもこれで兵頭が芽吹への愛を優先して芽吹にUSBを譲ろうものなら、しょーもない!ってなってしまったと思うので
結局この選択をしてくれてよかったと思います。
相手のことは愛してるけど、譲れないものは譲れない!そんな二人は男として最高にカッコイイと思います。
次回作はキヨと智紀ですね!
この下巻ではなんだか二人にラブの香りが立ち込めているんですが…?!
キヨは智紀のことをすっごい溺愛しているのは周知の事実なんですが、
まさか智紀もあんな態度をとるなんて…!!!!!ゴロンゴロンゴロンゴロン
そしてもちろん芽吹と兵頭のお話も楽しみです。
なんだか大体の問題は片付いてしまったような気もするんですが…
次はどんな問題でくるんでしょう。
榎田先生インタビューによると、来年にもう1冊出るそうなんですが、まさかそれで最後なんでしょうか…?!
なんかそれはそれで寂しいですね……