アラブのねじれた傷心愛v

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表題作熱砂の執愛

王子 アーキル
会社員 北川真樹

その他の収録作品

  • 永遠の情熱

あらすじ

留学中、友人のアーキルに密かな想いを寄せていた真樹。だがアーキルの王子としての立場を思い、黙って姿を消した。…七年後、仕事で赴任したのはアーキルのいる国、ジャルマイラ。そして再会した二人…真樹を捕え、陵辱するという形でアーキルの復讐が始まる。彼を裏切った過去への贖罪から、想いを伝えることができない真樹。アーキルもまた…。そんな時、アーキルの兄、ナジムが真樹を欲し…。
(出版社より)

作品情報

作品名
熱砂の執愛
著者
桂生青依 
イラスト
水貴はすの 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
アズ・ノベルズ
発売日
ISBN
9784781604541
3

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
9
評価数
3
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

再会砂漠。

砂漠ものに身分差はもはや定番。
留学先で出会った砂漠の国の第二王子アーキルと日本からの留学生・真樹。
損得勘定抜きで、真樹はアーキルと友人になりやがて親友になる。けれど、仲が良くなるにつれ真樹はどんどんとアーキルと一緒にいることが、彼からの男同士の親友としてのスキンシップが辛くなっていってしまう。
何故なら、真樹は同性に惹かれてしまうという性癖をもっていたから。
しかし、まだそれを認めるのは怖い。ましてや、アーキルにそうなのでは?と知られてしまうのも怖い。
そんな悩んでいる真樹にアーキル側の人間から、あなたと王子とでは身分が釣り合わない、あなたは王子の傍にいるべき人間ではない、と言われ留学を切り上げ日本に帰国するのでした。

そうは言っても、王子と身分が釣り合う人間なんかそうそういないけどね!

それから数年、海外出張に訪れた国でアーキルと偶然の再会。
そして王宮へと日本語教師として招聘されることになるのですが、全てはアーキルの真樹を閉じ込め、自分を失望させた裏切り行為…その報いを受けさせるという目的のためだったのでした。

復讐という名前を借りた、執着愛。
しかも、本当は気持ちがお互い向き合っているのに、誤解されたままのすれ違い愛。
復讐だ報いだ言うわりに、アーキルは真樹に冷たく当たったり無茶苦茶なことはしなかった。
それどころか、傲慢そうに真樹を抱くのに、辛そうにしている表情の描写もあるのでやっぱり心の奥底ではこんな無理やりな関係ではなく、相思相愛で愛し合いたいのだろうなぁと匂わす場面もあり、真希は真樹で本心を隠したままアーキルが自分の裏切りを許せないというなら、その償いをしようと諾々と軟禁を受け入れる。

特に繋がれているというワケでもなかったけれど真樹は逃げることもせず、王宮にとどまるのは日本語教室を続けることと、逃げ場がなかったからかな?
ここでアクティブな受けなら、王宮から脱出を試みる→捕まる→お仕置きコース
もしくは、王宮から脱出を試みる→まんまと脱出成功→砂漠で遭難→攻めに助けられるコース
ですよね。

もうひとつの理由としてはアーキルの弟ガーリーの存在でしょうか?
ガーリーは末弟で体が弱く、王宮からほとんど出たことがない。そんなガーリーが日本語を習いたいとアーキルに控えめにお願いして、真樹はガーリーに日本語を教えることに。
ガーリーが本当に良い子で、素直。
アーキルの婚礼話や、再びアーキルの傍にはふさわしくないという言葉を投げつけられ、関係に悩み元気の無くなっていく真樹をガーリーはとても気にかけていた。
そして、ガーリーの口からアーキルが留学から帰って来てからの、真樹の知らない生活の話を聞かされ涙するシーン短いながらもぐっと来た。
辛かったのは自分も相手も一緒。
好きだからこそ、信じていたからこそ、辛く悲しい時期をお互いに過ごしたのだろうな、と。

最後は素直になれないふたりの為にガーリーが外交から帰国した長兄・ナジムに願いして一芝居うち、ふたりの中をまとめるというキューピッドに。
ほんと良い子。
しかし、長兄・ナジムがけっこう曲者で楽しい事好きそうな興味をそそられるキャラだったので、もっと登場させてくれれば良かったのになぁんて思いました。
きっと出てきたらふたりの仲を引っ掻き回しそうですが・・・。

もういっちょ、砂漠ものの定番と言えば『香油』。今回の話には出番がなかったようです。

媚薬に監禁(軟禁?)などはありましたが大立回りはなく、受けも攫われることのない穏やか砂漠BLでした。

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