• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作くるおしく君を想う

志筑莉一
31歳,外科医
世良航希
26歳,弁護士の卵

あらすじ

兄を崇拝する莉一に幼い頃から焦がれている航希。失踪した兄の借金を肩代わりした莉一に、兄の代わりとなるよう要求され…。
(出版社より)

作品情報

作品名
くるおしく君を想う
著者
沙野風結子 
イラスト
朝南かつみ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796400909
3.6

(86)

(32)

萌々

(19)

(19)

中立

(6)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
14
得点
299
評価数
86
平均
3.6 / 5
神率
37.2%

レビュー投稿数14

大ヒットです

健気受け大好きな方に是非是非おすすめいたします。
健気受けにしか萌えられない人間の私が読み終わったあと居ても立っても居られず、十ウン年ぶりにここにきました。
これは紛うことなき健気受けです。

BLを読み漁っていたのも遠い昔…気づけば不惑の年も過ぎ、たまーに読むくらいになりましたが、こういう出会いがあるからBLはやめられませんね!!

1

代用品

この作品は、切ないというか、辛いというか。
航希の切ない状況が前半めちゃくちゃ伝わって、そして莉一ってなんて奴なんだと思っていたのですが…
それよりも兄のほうがもっとクズでしたね。

ここまで誰かを想うことができるのって、凄いことだなと思います。とても自分には無理。だから航希には、もう止めときなよ、って言いたいけれど、きっと彼は納得した上でそうだったんだろうな。意識的には納得してないのかもしれないけれど。

でも、蓋を開けてみたら…
莉一は実際には采登の言葉に好意を持った訳だけど、その裏にある航希に想いを寄せていたんじゃないかな。その言葉を紡げたのは航希だからこそ、というのが伝わったというか。もちろん自覚もなかっただろうけど。
だからこそ莉一は采登にが好きでありながら、航希への執着も実際にはあったんじゃないだろうか。なのであんな無体なことしちゃったのかなと。
やっぱ要領よく航希に嫉妬もあった采登が一番嫌なやつだ…でも実は彼も莉一を好きだったって言う気持ちからの行動だったのかもしれない。

二人が幸せになれたのなら良い結末なんだろうな。書き下ろしまで読んで、そう思いました。

エロはもう、沙野さんだから(笑)
管も器具も医者ならお手の物ですしね。

0

思ったほど痛くない内容

誤解とすれ違いで生じた片思い。
莉一:幼い頃、隣に住んでいた医者の子。トラウマ持ち。➡ 外科医
采登:要領が良い。莉一と同じ学校に通う。莉一を独り占め。➡大学中退 ホスト
航希:不器用で真面目。大好きな莉一と同じ学校に不合格。➡弁護士

要領良い兄に、責めるツボを全部教えていたことに気付かない弟。
遅くまで灯る灯りは、帰らない両親を待つ灯台のようだ、という表現は抒情的で、
一人ぼっちで親を待つ子供の寂しさが凄く伝わってくる。
沙野先生の描写、上手い。

豆腐と人参とごまの航希の手料理を喜ぶ莉一・・この場面、すごくホッとした。
損な役回りの弟が、最後にやっと理解してもらえて良かった。
全部ばれたというのに、兄は陽気で悪びれない。天性のホスト。

兄は、愛されることを望むタイプ。見てもらいたい、奪いたい。
弟は、愛して尽くしたいタイプ。相手が何を喜ぶかを観察。愛で包んで温める人。
兄弟は、対照的。

朝南かつみ さんのイラストが素敵だった。

1

「健気」「切ない」じゃない、「惨め」だ

若き天才心臓外科医×新人若手弁護士という、いかにもな豪華設定。何度も何度も「心臓外科医」という単語を出して強調してくるのがちょっと気になった。エピソードで知らしめる筆力に自信がないアピールになっているようで残念。
ついでにバイブレーターのように小刻みに蠢く心臓外科医の手!とかもう、エロシーンで笑わせないで欲しい……ギャグかと思った。

子供時代からつきまとい行為に明け暮れる受けの航希は、まーウザい。成長しても中身は変わらずやっぱりウザい。こういう受けは健気!切ない!と持ち上げ感傷的に酔うBL読者に喜ばれるタイプだろうと思った。
自分的にはただただ惨めにしか見えず、プライドはないのかと腹が立った。大人の分別が無い、弁えることを知らない、好きだからとみっともなく縋りつく惨めさを一冊丸ごと見せられる、こんな苦痛はない。酷い目に遭うのも微妙に自業自得感が漂う点も気分が悪い。
そもそも莉一に入れ込むほどの魅力が感じられないし、幼い頃の刷り込みから脱却できない航希の未熟さゆえの行動だと自覚しているようなモノローグもある。それでもどうしようもないほどに狂う説得力はどこにあるのか。ただの執着であり、「好き」という感情とイコールには思えなかった。

ラストでの兄と莉一の種明かしは唐突。それであっさりくっつくのもまたどうなの、人としての尊厳を捨てている主人公が更生の機会を失っただけじゃないの、と。
視線だけで泣くほど幸せを感じる航希は、DV被害者の資質アリアリでしょう。自分を憎しみから殺そうとした相手だと思っていながら縋りつくくらいなのだから。もはや哀れでしかない。

惨めでもみっともなくても惹かれる作品には惹かれる。だがこの作品は、とにかく主人公を追うのが苦痛だった。良く言えばお互いにとって最良のSとM、正直な印象は精神的成長のないクズ男とダメ男。魅力を感じないキャラ同士のエロシーンは飛ばした。

事件関係の話は医療系としてあまりにありがちすぎるが、背景まできっちり書き込んでいたのは良かった。手術内容の話はかみ砕き過ぎて少々クドくなっていたが許容範囲。中立というより★1をここら辺の描写に対して。

2

最後までモヤモヤ…

元から受けが好きで身代わりはフェイクって展開を期待したのだけど、結局は兄が好きだったけどでも勘違いでした、やっぱり君が好き!…はあまり納得がいきませんでした。狂おしく君を想うって攻めのことかと思ったけどこれは受けのこと?確かに受けは盲信的に攻めのことが好きですね、あんなにひどい事されて…。でも理屈で片づけられない恋もたくさんあるはずだからそこは否定しません。しかし今回は受けが酷い目に合いすぎているし、その後兄を受け入れるって展開も頭弱いのかなって…好みではなかった…

4

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP