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表題作彼をさがして

勝倉翔太,29歳,TVCM製作会社のエリートリーマン
相馬貴幸,24歳,容姿も性格も地味な中小企業

その他の収録作品

  • 見知らぬ恋人
  • あとがき

あらすじ

……そうだ。幸せだったんだ、俺は。
エリートサラリーマンの勝倉に拝み倒され、恋人となった容姿も性格も地味な相馬。つきあい始めて一年、徹底的に甘やかされた相馬は、我が儘な女王様のようになっていた。そんな中、下僕扱いしていた勝倉が事故に遭い、記憶を失ってしまう。さらに優しくてヘタレだった勝倉は、相馬を見下し、傲慢で性格も最悪な男に豹変していた。だがそれが勝倉の本性だったと知り――!?

作品情報

作品名
彼をさがして
著者
風見香帆 
イラスト
高宮東 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829625033
3.9

(78)

(30)

萌々

(25)

(15)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
15
得点
299
評価数
78
平均
3.9 / 5
神率
38.5%

レビュー投稿数15

好き!!…でももう少しじっくり詳細が知りたい…

攻めに心底惚れられ、”蝶よ花よ”と甘やかされているのをいいことに調子に乗っていた受けの「受けざまぁ」ストーリーです。

このお話、超絶私好みでした。
(以下ネタバレ含みます)




攻めに「お願いだから付き合って」と何度も時間をかけて頼み込まれ、受けが絆されようやく付き合うことになった2人。
受けのいわゆる「普通の人生(妻がいて子がいて…のような)」を奪ってしまった、という思いからまさに”下僕”のように日々受けに仕える攻め。
この2人、まったく対等な関係ではないんですね。(でも攻めはその生活が当たり前だと思っているし、満足しているっているのが良かった〜←私の性癖よ…;)

それがとある事故により攻めの勝倉が3年分の記憶を失い、受けを見て「生意気なお前は一体誰だ?」となるところから、話が一変します。

この中盤は陵辱もあり、なかなか辛く切ないターン…
でもこの勝倉の記憶喪失を機に、受けの相馬も自らの今までの言動を省みて、変わろうとしていくんですね。

相馬から見ると「変わってしまった」のは記憶喪失になった勝倉なんですが、
後半、記憶を取り戻してからの勝倉にとっては「知らないうちに相馬が別人のようになってしまった」という対比が印象的で面白かった!

終盤、想いを確かめ合った後に優しく優しく相馬を抱こうとする勝倉にうるうる。じーんとしました。

ページ数199ページと決して多くはないため、展開は早めです。

もうちょっとじっくり、詳細を知りたいなあ…くーー!となる部分が多々ありました。受けの相馬視点での「告白されてから付き合うことを決めるまで」の過程とか、「勝倉を受け入れるという行為には特に抵抗があった」のが徐々に受け入れられるようになっていくまでの体・気持ちの変化とか。

キャラも設定も流れもとってもとっても好みで多分この先読み返すと思うんですが、上記のポイントがああ惜しい〜!と思い、萌え2としました。

2

大好きな恋人はすぐそばに。

受け様が両手に攻め様的な表紙ですが、3Pではありません。
まるで2人いるように、タイプの違う攻め様を楽しめました。


受け様は、サラリーマンの相馬。
自分より髙スペックのエリートサラリーマン勝倉に懇願され、根負けして付き合うことに。
攻め様は、もちろんエリートサラリーマン朝倉。

勝倉にかしずくように尽くされ、相馬は女王様のようにワガママになっていたある日、勝倉が交通事故にあう。
ここ3年分の記憶をなくし、相馬のことも覚えていない。
これまでの下僕のような朝倉と違い、傲岸不遜で俺様サマ過ぎる朝倉の態度に驚き、ムカつくけど、ぐっと我慢の相馬。

自分のことを一心に愛してくれた以前の勝倉に戻ってきて欲しくて、無体な要求にも応えなんとか記憶を取り戻させる努力を続けるのだけど。

このままでは、2人ともストレスてダメになりそうで、相馬は距離をおこうと実家に帰ることに。
相馬を追いかけてきた勝倉の、攻めザマァぶりににやにやです( ☆∀☆)

勝倉は、思い出せなくても相馬の事が気になっているのに、相馬は昔の自分しか求めていない、と悲しんでいたようですけど。
でもねぇ、全然優しくなくて愛情も感じられず好き勝手な態度で接しておいて、何甘えてんだo(`^´*)
今の自分も好きになってもらえるよう行動しろよ、と私は言いたかったですけどね。

それはそうだ、と反省してる相馬はいい子だわ〜
記憶をなくしても、やっぱり勝倉は相馬が大好き。
相馬も、楽だから勝倉と一緒に過ごしていたのではなく、ちゃんと恋人として好きなんだと再確認して、結果オーライなのでした。


ここまでが受け様の相馬視点のお話。
そして3カ月後、勝倉の記憶が戻った後が攻め様の勝倉視点のお話。

今までと違い、優しくて対等の恋人として接してくる相馬に戸惑い、不安に感じてしまう勝倉のぐるぐるな内心がとてもよかった(*´∀`)
記憶をなくしていた時の自分に、是非嫉妬してほしいものです。


俺様とヘタレな攻め様を楽しめる1冊でした。




5

記憶喪失ものです。
「見知らぬ恋人」「彼をさがして」
「見知らぬ恋人」は記憶を失くした恋人とどう向き合っていくかを受け視点で、「彼をさがして」は、記憶を取り戻した後の話が攻め視点で書かれています。ページ数は半々くらいの割合。

お話について(勝倉×相馬)
相馬は、五歳歳上の恋人を勝倉と呼び捨て、乱暴な物言いをして、顎で使います。
ひどいなぁーと苦笑いしながらも、そう多くは無いパターンの受けさまに、物語りがどう展開していくかとワクワク。
自分を女王様のように扱い、甘やかしてくれていた勝倉が記憶を失い、勝倉の相馬に対する態度は一変。記憶を失った勝倉は偉そうな傲慢男に大変身…(*´꒳`*)
心情も丁寧に書かれており、すんなり物語りに入り込んでいけました。
記憶を失う前の勝倉が相馬を思う気持ちが、勝倉の持ち物や、勝倉の同僚の話からどんどん明かされていき、心臓がキュッて痛かった〜。

「彼をさがして」は、記憶を取り戻した勝倉の混乱ぶりが可愛くもあり、記憶を失くしていた時の傲慢な勝倉が少し恋しくもありました。
話の本質とはずれるのですが、記憶を無くしていた時の勝倉も、確かに勝倉として存在していて。「見知らぬ恋人」で、俺がどうなれば気持ちを向けてくれるんだと相馬に思いの丈をぶつけた場面では、私涙を堪えるのに必死になりました。
でも、記憶を取り戻した勝倉には、記憶を失っていた時の記憶はありません。
両方とも勝倉である事に変わりは無いのですが…今の勝倉も好きだけど、あの時存在していた勝倉はどこにいったの?とどうしても寂しくなってしまいました。
私が勝手に寂しくなっているだけで、お話的にはその辺も綺麗にまとめられ、昇華されていますのでご安心を^_^

風見先生の他の作品も読んでみたいなと思う素敵な作品でした。
ざっとですが風見先生の足跡をたどってみたのですが近況は不明で…。後発ファンのなんともツライところであります。トホホ。

2

面白い展開の記憶喪失もの

表紙に3人いるので三角関係ものかと思いがちだけど、違うんです!
これは記憶喪失ものなんです。
(私も買ったはいいけれど、表紙見るたびに3Pもの買っちゃったんだっけ?とずっと放置してた)

古典的とすら言えるような安易な記憶喪失ってゲンナリする事もあるんですが、これは読んだことがないタイプの記憶喪失もので面白かったです。

攻めに一年間毎日しつこ〜くアプローチされ続けた末に根負けして恋人同士になった二人。
攻めは同棲にまで持ち込み、受けを下にも置かない扱いをするうちに受けは増長しワガママ放題の女王様になってしまいます。
それを嬉々として尽くしまくる下僕状態の攻め。

ところがある日、攻めは事故で3年分の記憶を無くした挙句、受けを「こんなヤツ」呼ばわりする尊大で傲慢な俺様に……。
てっきり事故の影響で人格が変化してしまったのか?と思いきや、下僕気質なワンコだったのはあくまで受けに対してのみで、本当の性格は唯我独尊な俺様で会社ではそれが通常運転だった……という事が判明するんです。

受けに関する記憶がない3年前の性格に戻っているので、本来の性格である鼻持ちならない冷酷な態度で接してくる攻め。
おまけに性欲処理のために無理やり犯すような形で受けを抱くのだけど、受け視点なのでここの描写が痛くて切ないです。

拝み倒されるような形で渋々恋人同士になってあげていた相手から酷い扱いをされて、腹立ちを感じる一方で、受けは自分の気持ちに段々気づいていきます。
記憶喪失によって攻めの二面性を知り、どっちが本当の姿だったのか追い求めるうちに、調子に乗って我儘全開で攻めをいいようにこき使っていた過去の自分を反省し、攻めとの関係を見直していく受け。

特にいいところがないように思える受けに対して、何故攻めはそこまで惚れ込んでいたのか?とか、これからこの二人はどうなっちゃうんだろう?など、先を知りたい要素がいっぱいで一気に読んでしまいました。

決してコミカルな話ではないけれど、攻めがコッソリ隠していた受けに関するあれこれグッズ(自作の受け写真集やら、受けから貰ったプレゼントの包装紙などの細々したものを集めた宝物箱)に関する描写がおかしくて、吹きました。

そして後半、突如記憶が戻った攻め視点が面白い。
俺様で傲岸な自分の本性がバレているはずなのに、嫌うどころか優しく接してくれる受けにたじろぐ攻め。

記憶がなかった間に何があった?!
俺は何をやらかした?!
なぜ受けはあんなに変化してしまったんだ?!と、オロオロしまくった末に真実を知ってしまい……

ひたすら受けに尽くしていた自分も、記憶を無くしていた間の横暴な自分も、低姿勢か高圧的かが違うだけで強引でワンマンという点では何ら変わりがない……と攻めが気づくんだけど、このくだりがとても新鮮でした。

そして珍しい受けザマァと、攻めザマァという両者のザマァニュアンスが感じ取れるところも面白かった。
自分のやらかしてきた行動によって、報いを受けたり、ガツンと凹んだり、自分を呪いたくなったりする様子が描かれていて、それを味わったからこそ、歪な関係だった二人が対等でありたいと思うようになる描写が良かったです。


2

フランク

amazon kindleで購入

評価のわかれみち

優しかった攻めが記憶喪失になって傲慢攻めになっちゃうストーリーです。
たくさん読んできたBL小説の中で初めて受けざまぁ…などと一瞬でも思ってしまった作品でもありました。
攻めの勝倉に甘やかされ過ぎて、攻めを下僕扱いして傲慢不遜な受けの相馬。攻めが記憶喪失になって偉そうな態度になってしまった状態でも喧嘩腰のしゃべり口調で心配する様子もなく自分のことばかり。
でも時間が経つにつれて、愛情に胡坐をかいていた自分を反省していって、記憶が戻るために自分にできることをやっていきます。で、偉そうな攻めも優しかった攻めも同じ勝倉だーって気付いていくわけです。
記憶は戻りますが、記憶喪失状態だった時の記憶は残りません。
結構、簡単に記憶喪失状態から戻った気がしました。(そんなものかな?)
記憶が戻ってから、受けが攻めに対して下僕扱いしなくなったことに不安を感じるようになる攻め。ここで、受けへの印象に良さを感じられるかどうかで評価が変わってくるんじゃないかなぁ。って思いました。私は残念なことに、下僕扱いしてなくても、なんとなく受けの印象に嫌な感じは拭いきれず、眉間にしわが寄ったままの状態で読み切りました。

時間をあけてから、また読みかえしてみようと思います。

2

この作品が収納されている本棚

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