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前半はコメディタッチで、中盤からどんどんシリアスになっていきます。まるで吾妻の恋愛のように…
吾妻(受け 表紙左)がゲイであるがゆえの葛藤をものすごく強く持っているキャラクターです。将来の不安を交際相手に伝えられず、悲しい未来が来る前に終わらせてしまおうとする。大野(攻め ノンケ)も大野でウィークポイントがあって、2人の人間らしい部分をさらけ出しながら話が進みます。
そこに萌えを感じるより、2人の重さが際立ってしまった印象。絵柄やキャラのビジュアルによってはもう少し萌えられたかも。
独特な絵ですねー…ミニ大野が可愛らしい!
カバーをひっぺがすと作者の裏書?有りー。
表紙の柔らかい雰囲気から勝手にほのぼのとしたものを想定していたのですが…シリアスでした。
受けも攻めもトラウマ的なものを抱えて生きています。
そしてこれまた勝手に帯の「ノンケ朴念仁×恋愛手練30男」と書いてあったんでどんだけ凄いの?!とか思ったんですが、これまた想定と違いました。
それ系のシーンは濃くありません。
攻めの方はまぁー朴念仁と書いてある通り床上手ではないです。
そしてノンケなので彼女いました描写あり。
というか恋愛関係のもつれで刺されています。
受けの「恋愛手練」というのが想定と180度違っていました。
何というか…数は多いんですよねー…ただ最後には同じ道をたどって独りになる…の繰り返し。
ゲイだから…という将来性が無い自分とずっと一緒にいてくれるのか?
一緒にいてほしいと願っていいのか?
って感じの不安というか…ね。
3話の扉絵の衝撃は半端なかった。
たぶん、大野を吾妻がからめ捕ったという意図なのでしょうが…。
クラゲを背景にタコ足のようなものが…あられもない姿の大野に絡みついているという…。
びっくりしましたよ。
「ヤマアラシ」との関連性が謎のまま読み終わった私です←
気になったので「ヤマアラシ」と入力して検索をかけたら「ヤマアラシのジレンマ」という心理学の話がある事を知りました。
ショーペンハウアーの随筆集『余禄と補遺(パレルガ・ウント・パラリポメナ)』第二巻の寓話を、フロイトが「ヤマアラシのジレンマ」と呼び、広まったらしいです。
簡単に言うと【「ヤマアラシという全身にとげを持つヤマアラシという動物が、寒がっているが、お互いが身を寄せて温まろうとすると、とげで相手を傷つけてしまう」という状況】
まー実際は針のない頭部を寄せ合って体温を保ったり、睡眠をとっているそうですが。
ラストの方の吾妻の語り的な部分が↑と似ているので「ヤマアラシのジレンマ」に掛けているのかな?と思ったりー。
…どうせなら裏書とかに補足で説明してくれたら嬉しかった。。。
気づかずに流すところですよ!
いやしかし勉強になりました(笑)
もろづみさん、矢張りいいなあ。
大好きです。
話の流れや登場人物の感情がとてもリアルなんですが、それが切なかったり重かったりするけれど、決して不快ではないのです。
もろづみさんのお話に出てくる人たちは、皆不器用で臆病だけれどまっすぐで、大体言葉が足りなくてすれ違っていくのですが、それがちゃんと最後は纏まってくれるので読んだ後に「よかったね!よかったね!」って泣きたくなります。
今回は過去に女性と付き合った際に深い傷を追ってしまった無口なノンケ大野くんと何度も失敗してきたゲイの吾妻さんのお話。
途中大野くんが「そんなつまらないこと」と云った事に吾妻さんが「君には分からないだろうね」と返してしまったシーン。あれ、よく分かるんですよ。ゲイだからっていうだけで、過剰に壁を作ってしまうっていう。
紆余曲折ありましたが、最後はちゃんとハッピーエンドなので、本当に良かった!
いいところまで行くのに、先行きにあまりにも不安を抱くあまり
相手に踏み込むことができないために自分から別れてしまう吾妻が
(ゲイにありがちだなーとは、思いますけどね)
別れた時にとっさにかばわれたことで天然で逞しい大野に惹かれてしまう話。
その天然な大野にしても実情をたどると
「天然だけど言葉が一つも二つも足りず恋人に刺されて大けがを負った格闘家、大野。」
なんですよね。
恋愛の怪我を恐れすぎる人と、そもそもどう恋愛を触るかわからない人。
どちらも基本的には恋愛において必須に近い要素が欠けてる。
でも明らかに欠けてるからそれ以外の要素、たとえばボディコンタクトで
補おうとするのがお互い見えてるのかも・・・。
何せ大野の体が男として素晴らしいほどガチ筋肉なのも相まって、
少々ならないエロさもあるのですが、その抱き合う、キスするという事自体に
凄く力強さと愛情を感じるのです。
あと、ついでに言うと夕暮れの中で涙こぼしながら
「幸せにしてくれる?」
と聞くシーンでギュッときました・・・。
怪我で休業中の若い格闘家くんと、30代物書きのゲイのご近所ラブ。
格闘家くんの鎧のような肉体と、理由を聞いちゃいけないような傷跡。
ノンケな上に天然だからこその大野の無愛想さや優しさに、吾妻はキュンキュンしつつ、自制しつつ、でも、餌付けしちゃったり、慰めてあげちゃったり。
吾妻はそれなりの恋愛遍歴もあってセックスのスキルはあっても、心はヤマアラシ。
その臆病さで結局はお互いに傷付けあって別れるを繰り返してきたのですが、、、。
大野の「鎧のような肉体」が、なかなか素晴らしい。
特に第3話の扉絵の触手バージョンなんて、趣味全開でエロくって楽しい。
吾妻のギャグ絵からシリアス絵まで、ころころ変わる表情はストーリーとの違和感もなくて、でも、欲を言えばもうちょっと吾妻がほっそりきれいな美人さんだったら良かったなぁ、まあ、無い物ねだりしてもしょうがないけどね。