この狂った場所で、味方だと思えるのは彼だけだった――。

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表題作ガラスの匣

真岡孝巳,37歳,敏腕マネージャー
糸瀬紺,26歳,崖っぷちタレント

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

糸瀬紺が俳優として生き残る為に出された条件は、屋敷にいる男達の一人を誑し込むこと――華族の末裔で画家の那智、F1レーサーのグレン、パティシエの京、医師の長田…そして自身の新たなマネージャーである真岡との奇妙な共同生活の中で、潔癖に生きてきた紺は男達との倒錯的な痴戯によって、己の動揺とは裏腹に背徳的な行為を受け入れ溺れていく…。だが躰がどんなに淫佚に塗れようと心はただ一人に、ひたむきな想いを抱くようになって―。

(出版社より)

作品情報

作品名
ガラスの匣
著者
沙野風結子 
イラスト
稲荷家房之介 
媒体
小説
出版社
ブライト出版
レーベル
ローズキーノベルズ
発売日
ISBN
9784861231711
3

(8)

(1)

萌々

(1)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
22
評価数
8
平均
3 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数2

育成ゲーム風で愉しみましょう♪

この本の最初のページをめくった時に、イラスト入りの人物紹介があるんです。
あれ?なんでこんな・・・ひょっとして推理モノなのか?続くのか?
しかし、あらすじを見るとなぁ~、、、
その謎は読み進めるうちに見えてきました!
そうです♪育成ゲーム風なんですよ。
なかなかに面白い試みのお話。
ゲーム風なので、小説の奥深さとか面白みを追及してしまうと、何故?どうして?そんな?みたいな部分が多々発生してしまうので、そこんところ割り切って、エンディングにむかってどんな展開になるのか、純粋にそれを愉しめばいい作品だなと思いました。

コンテストで準グランプリになったのがきっかけでタレントになった主人公・紺。
真面目に真摯に取り組んでいるのに、中々芽が出ない崖っぷちタレント。
そんな時、事務所随一の彼が担当になると必ずブレイクすると言われる敏腕マネージャー・真岡が付くことになります。
しかし、真岡はせっかくオーディションで勝ち得た役もキャンセルして、1ヶ月間、ある人物の元へ行けという。
そこに訪れる誰かをたらしこむことができたら、絶大な力を持つ人物のバックアップを得られるという条件が。
枕営業に激しく抵抗する紺ですが、うむを言わさずそのスポンサーとなるべき人物の家へ行くことになります。

これはネタばれしたらゲームが全然面白くないのと同じなので触れません。

まず家柄から財力を持ち自ら画家であり、ジェンダー不明の外見をもつ妖艶な那智。
最初に訪れるのが、大怪我により第一戦から引いている再起をもくろむF1レーサー・レオン
次に訪れるのが、新店を出したいと願うパティシエ・京
レオンが怪我をした時に訪れてきた外科医の長田。

この4人と(正確にはレオンと京が中心)の駆け引きが展開されます。
果たして紺はどうするのか?
そして、屋敷を訪れた人々の思惑は?

エンドに辿り着くのが目標ですから、恋愛云々の細かい部分に多少!?なところがなきにしもあらず。
むしろ、こういう話の自分的興味傾向として、長田とレオンがきになりますね~♪
そして、おいしいところでは「犬」の登場です!←乞う期待!

謎解きミステリー風味もありながら実に楽しめるお話となっておりました。
ゲーム風ですから、それぞれとのルートを自分で想像して妄想することもできる、お得な作りにv
自分だったら、、、www

しかしながら、紺はこの後成功するんでしょうかね?
その後の結末と波瀾なんかも見てみたい気がしますよv

1

眠る魅力を引き出すために

それぞれの思惑を胸に秘めた6人の男たちが織り成す
欲望とエロスと心の解放とでも言ったようなお話でした。
売れない俳優の受け様に業界でも有名な敏腕マネージャーの
攻め様が付くことになったが、それは受け様にとって最後の
ギリギリの選択を迫られる事を意味していて。
1か月以内に男を誘惑して自分に溺れさせると言うミッション
その報酬は華族の末裔で女王様と言われる那智がスポンサーに
なる事だったのですが、真面目で面白味も個性も無い受け様
それでも枕営業みたいな真似はしたくないと拒みますが
俳優として後が無い受け様は困惑しながらも賭けに・・・・
受け様とマネージャーの攻め様、そして受け様のターゲット候補の
レーサー、パティシエ、医師、そして主催者である那智、6人での
奇妙な共同生活が始まるのです。
たわいもない触れ合いからキスと、受け様にとっては考えられない
事が次第に抵抗も無く出来るようになってくるのです。
受け様の演技には色気や人を引き付けるものが無かったけれど
この奇妙な生活の中で自分の殻を破って成長するような内容です。
受け様が以外の男性たちも色々な思惑などがあるのです。

ただ、惜しむべきは受け様以外のキャラの背景も強烈な人がいて
その方がかなりの執着めいていて受け様のキャラがボケ気味かも
そもそもこの展開を仕組んだのが攻め様なんですよね。
本人も気が付かない個性と魅力を引き出す為なんですが
最終的には仕掛けた人が1番のめり込む結果です(笑)
なかなか複雑で面白い人間関係でした。 

0

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