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表題作あるいて、あした

取引先のバーレストランバーテンダー21・川上聡司
実家の酒屋の配達を手伝う大学生20・柏瀬一夏

同時収録作品若き永井くんの悩み

その他の収録作品

  • 恋の日に雪のふりつむ
  • あとがき(崎谷はるひ)
  • あとがき(明神翼)

あらすじ

夏休みに実家の酒屋を手伝うことになった大学生の一夏。童顔な一夏は配達先のバー・レストランで働く無愛想なバーテンダー・上川から高校生に間違えられ、最悪な第一印象を持つ。しかし釣りという共通の趣味と、一夏の裏表のない性格もあり、次第に彼に打ち解け上川の家に入り浸るように。そんな上川との関係に引っ掛かりを感じ始めた頃、彼の部屋に美人な女性が訪ねてきて…!?

(出版社より)

作品情報

作品名
あるいて、あした
著者
崎谷はるひ 
イラスト
明神翼 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861345500
3.2

(16)

(0)

萌々

(6)

(8)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
50
評価数
16
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数7

さっぱり味

なんだか崎谷さんにしては、爽やかさっぱり味だなあと思ったら、ごく初期の作品の文庫化だったのですね。
全体の雰囲気の若々しさ、特に主人公の二人の若々しさは、やっぱり初期作品だからこそなのでしょうか。
一夏の真っ直ぐ素直な健やかさ、
上川の鋭い外見に隠れた子供っぽさ、
二人とも無理に重い物を背負い込まされたりしていない。
そんな、どちらもそれまでゲイじゃなかった二人が、お互いに惹かれあって、恋を自覚するまでの思考の流れとかも、「初恋」って感じで初々しい。
初エチに至る所でも、すれ違いはすぐに解消されて変にこじれたりしない。
同時収録のバランスもいいです。

崎谷作品の導入作品にはちょっと向いてないかもですが、作者買い無しの単独のBL本としては読後感がよくてけっこうお勧めです。

4

ピュアな恋心が切なく甘いですよ

今から14年も前の作品だなんて思えないくらい素敵なラブストーリーなんです。
旧作と当時の同人誌を同時収録していて、読み応え抜群の作品です。

攻め様は実家と訳ありでアルバイトしながら大学に通って自活してる大学生で
受け様は実家の居酒屋の配達を手伝う一つ年下の大学生
二人は配達先のレストランバーの店員と酒の配達をする事で知り合うのです。
始めの出会いは受け様にとって最悪で、二十歳なのに子供と思われ冷たくあしらわれ
かなり憤慨した受け様ですが、配達で何度も会うたびに次第に会話するようになり
同じ釣りが趣味と言う事で仲良くなっていくのです。
攻め様は実家での出来事が尾を引いていて、人付き合いが苦手でちょっと屈折してて
でも、受け様の素直で親しみやすい、そして下心ありで近づいてくる輩とは違う
素で他人を思いやれて、必要以上にプライベートに入り込んでこない受け様に
攻め様は次第に心を開いていくんです。

攻め様は、父親の再婚相手を好きになってしまい、理由も言わずに家を飛び出して
来たので、生活の全てを自分でしているのですが、風邪をひいて寝込んだ時に
受け様がアルバイト先の店長に頼まれて訪ねてくれたことからさらに親しくなります。
それからは、料理が出来ない攻め様の為に、受け様が度々訪ねて行くような付き合いに
でも、受け様は次第に攻め様への思いが友人に対するものではない事に気が付く
でも、攻め様が義母への恋心をまだ引きずっている事も知っていて・・・

攻め様は受け様の事を考えている時に義母の事を忘れている己に疑問を・・・
でもそれが何なのか自分でも理解出来なくて、考えないようにしてるんです。

同性に恋してしまった動揺と、認められない信じられない思いが二人の間に
すれ違いを生んでしまうのです。
攻め様よりも受け様の方が自分の気持ちに早く気が付いているので一人で苦しい恋に
悩んで切ない日々を過ごし、攻め様への思いをひた隠してる姿は切ないです。
攻め様は義母への終わらない初恋を引きずっているので受け様への思いを
自覚するのが鈍くて遅い、そして自覚した後も人付き合いが苦手な影響で
うまく、受け様に思いを伝えられなくてさらに受け様を傷つける事に・・・
二人とも恋愛にピュア過ぎてもどかしいやら切ないやらで焦らしまくってくれます(笑)
同人誌掲載のお話では攻め様が受け様にメロメロになってるお話が展開してます。
全体的にはかなり甘めのラブストーリーに仕上がっているお話です。

2

あったかい話

 明るい、前向きな末っ子気質な真っ直ぐな青年と、ちょっと家庭の問題を抱えている男の話。

 真っ直ぐな男の子は、守られて育ったがために感情は真っ直ぐに出るし、隠し事は苦手……そのせいで、第一印象は最悪だった二人だが、でも、さりげなく相手の距離を測って言葉を選ぶなど、育ちのよさはうかがえる一夏は、あまり誰も寄せ付けまいとしていたバーテンダーの上川にするするっと入り込んでくる。
 二人はそうやって距離を詰めていくのだけれど、実は上川が家を出て、一人で無理やり生活を成り立たせている原因の一つには、「好きな人」の存在があることを一夏が知ってから、二人の関係が徐々にぎこちなくなっていく。

 自分の中に沸いた上川に対する気持ちはなんなのか……?
 わかる気がするけれど、それを認められない一夏はますます堂々巡りになって……という話でした。

 相変わらず、優しい気持ちがいっぱいな崎谷先生の話です。
 ただ、最初の頃に書いた作品なので、優しさはたくさんありますが、胸のぎゅっと苦しくなる感じはちょっと物足りないかもしれません。

 それでも充分に楽しめる作品だったので、この評価で。

 早く、次の本が楽しみです。

0

若い~!←主に崎谷さんが。

崎谷さんデビュー2冊目新書の新装版だそうですが、なんというか読みながら、いろんなところが若いな~と思いました。文章もちょっと回りくどい気がしましたが、無意識に今と比べてしまうからかもしれません。これはこれ、と思えば、別にそれほど気にならないかな。というか、デビュー直後だと思えばすごい上手いと言えるのかもしれませんね。

ただ、一夏(受)はいいんですが、総司(攻)のキャラクター造形がちょっと浅めに感じました。『設定(説明)』以上に、態度・言動から伝わってくるものがないというのか・・・でもダメというほどではないです。やっぱり14年前だし、今とは違うなというくらいで。

しかしよく考えたらこの2人、1歳違い(年上攻)なんですよね。でもイラストや一夏の総司への言葉遣いもあって、とてもそうは思えませんでした。もっと年の差感じたよ~。

メインの2人だけでなくキャラクターがみんないい人で、とても可愛くて甘いストーリーでした。最近の崎谷さんにありがちな『ヘンな(濃すぎる)脇キャラクター』も出て来なかったし。
もうとにかく、一春(一夏の兄)がよかったです!ああ、こんなお兄ちゃんいいな~。もちろんメインCPのラブもいいんですが、一春と一夏との兄弟愛がすごく癒しになりました。

まあ、総司の義母に(後の作風の)片鱗が見えるかな。総司やその父の目に映るのとはまた別に、なんかコイツ女友達いなそうだな~とは思いました。

4

近くにありそうなお話し。

受けの一夏は日向に咲く向日葵のような子で、それが嫌味じゃないところが良いです。
かたや攻めの上川さんは、長身イケメンじゃなければ特に惹かれる要素はないかな…
あくまで個人的な感想ですが( ̄▽ ̄;)

上川さんが義母に長い間恋い焦がれ、
想いを引きずったまま一夏に手を出すあたりが私のモヤモヤを増幅させました。
一夏に対する感情にまだ気付いていなかったとしてもダメだったな(~_~)

萌えポイントは、自分の想いを必死に隠そうとする一夏の健気さと、一夏の兄の春ちゃんの懐の深さ。
これにつきます!

両想いになったあとの二人のお話しはあまあまで、二人とも幸せになって良かったね、うん。という感じでしょーか。
特に大きな問題も事件もなく、身近にもありそうなそんなお話しでした。
ま、上川さんのようなイイオトコはそうそういないだろうけど(-_-)

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