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どうしてあの時、離れてしまったんだろう。
こんなに痛い話だとは思わずに、軽い気持ちで読み始めてしまいました…
ブロッサム・ピリオド…開花。
恋の花と解釈していいのでしょうか?
ピリオドがあると言うことで、わたしの独自の解釈は「最後の恋」です。
中学一年の時に仲良くしていた阿部と三津谷。
三津谷の家が訳ありだという噂を聞き、それを鵜呑みにした阿部は三津谷を避けるようになってしまう。
それから疎遠になった2人だが、高校3年生で同じクラスになり再会する。
おそらく阿部はずっと三津谷が好きだし、三津谷も阿部が好きだったのでしょう。
再会して距離が縮まり三津谷の事が好きだと自覚する阿部だが、三津谷は辛い時期に自分を突き放した復讐のために阿部に近付いたのだった…。
三津谷は辛い過去を引きずっています。
助けて欲しい時に助けて欲しかった阿部に拒絶されて、心が折れてしまったのだと思います。
それでも、阿部は三津谷の手を再びとります。
助けるのではなく、寄り添って生きていくために…
最後は、これからどうなるんだろう?と不安を抱えた2人と共に、読者もまた不安に思いながら読了することでしょう。
作者さまは、疲れるのもまた運命…と仰っています。
読者も2人の今後を妄想し疲弊してしまうかもしれませんが、それもまた今作を読んだ運命ということでしょう。
この恋が、2人にとっての最後の恋になりますように…
つらい話でした。
魂の救済です。
中1のときは仲が良かった阿部と三津谷。
三津谷の家の事情が陰で囁かれるようになって疎遠になっていたものの、高3で同じクラスになって…。
5年間の恨みつらみをはらさいでか、という。
大人の目で読むと、阿部はすごく自分勝手でひとの気持ちが分からない子に見えます。
仲が良かった子の両親のこと、父親からの暴力のこと。噂話で聞いたなら逃げないで本人から話を聞いてみようとは思わなかったのか。話を聞くのが重荷なら、ただ側にいてあげられなかったのだろうか。
そう思ってしまうのはいろいろな経験を重ねてきた自分だからで、13歳の子供だったらそこまでの重荷を一緒に背負える覚悟も自信もないものなのかもしれないと思いました。毎日が楽しければそれだけでいいという時期ですもんね。陰口を叩かれる対象に近付けば自分も巻き添えを食らうという程度のずるい処世術は身につけ始めた頃。避けるという選択は、三津谷への友情よりも自分可愛さが勝ってしまった幼い判断力のせいだったんだろうなと思います。
思うけど。
三津谷のモノローグが出てくる辺りからもうつらくて仕方ない。
「もっと苦しめ」という醜い気持ち。「阿部くん、助けてよ」という当時から変わらずに叫び続けていたであろう胸の奥の思い。
助けてほしかった、ただ隣にいてくれるだけで良かった相手に避けられて、父親が連れてくる女の人に体を汚されて、父親は頭ごなしに殴りつけてくるだけ。誰にも声が届かない。そのつらさや憎しみがすべて、「あのとき隣にいてくれなかった阿部くん」へ向かってしまった結果の歪み。
つらい。痛い。読みながら、何というストーリーを考え出してしまったんだ、嶋二先生は!と思いました。若さは宝物でもあるけど、同時に無力であることをまざまざと見せつけてくる展開でした。
ただそれだけに、終わりがあっさりすぎて。
あそこで終わって良かったのかもしれない。
しあわせになれた三津谷をもっと見たいというのは読者のわがままかもしれないけれど、それからの2人がどういう方向性になるのかもう少しだけ知りたかったです。
BLというよりは人間のこころの話で、萌えるというより刺さる作品でした。
うわぁ……ここで終わり?という感想。
物語にどっぷり浸かっていただけに、非常に消化不良な、スッキリ感が無い。
作品自体がすごく良かったから、二人の完結まで見たかった。
この先は読者にお任せ……というやり方もあるのかもしれないけれど、どうしても投げ出された感が強い。
ホント、夢中で読んでたのになぁ……
高校生らしい、世界がまだ閉ざされた中で、必死に自分の境遇と気持ちに折り合いをつけて生きている三津谷が痛々しくて、阿部に彼を救って欲しいと思いながら読んでた。
そういう意味では、救われたのかもしれないけれど、私にはまだ二人は未完に読めた。
……というか、単行本書き下ろしの、エピローグがない方がすっきりしてたかも!
あれで一気に不安になっちゃったよ!
だからもやもやしちゃたのかも!
本編がとても良かったから、評価に迷った。
結局、萌、という意味ではここに落ち着いてしまった「萌×1」
1冊丸ごと表題作です。連載全7話に描き下ろしの「Epilogue」までぎゅうぎゅうに詰まっています。作者様のあとがきコミックやコメントはカバー下にあります。
中学1年生の時に親しかった阿部(攻め)と三津谷(受け)。クラスが別れたことをきっかけに疎遠になってしまい、高校で再会しますが…という話です。三津谷に惹かれる阿部の戸惑い、三津谷の素直になれない哀しさがセリフでなく表情で語るのが素敵でした。
高校生カップルの未熟さが愛しい作品です。
まだ未成年。高校を卒業したからと言って、自分の意思で行動ができる大人ではない。これからの二人の関係はどうなるのか…。辛いわけじゃないけど切ない余韻の残るラストでした。で、カバー下を見たら作者様から「続きはどうぞ妄想で補ってください」とありました(笑)
三津谷は、気持ちはともかく言動は受け身姿勢なので、阿部ががんがん追いかけていかないとダメだろうなぁと思いました。本編でも近づくのは阿部からだったので。三津谷が臆病さを払拭して、「俺の男だ」と言い切れるまで阿部には頑張って欲しいです。浮気とかしたら直ぐ逃げちゃうからいかんよ。そんなもろさを感じるカップルでした。