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2作品収録。
「天国も地獄も」
これはつまり「健やかなる時も病める時も」と同義なわけで。
どんな所でも一緒に、というこの2人は教師とヤクザ。
2人は元々高校の同級生。
今は教師の城田とヤクザになった姫野は、はっきりと言葉にはせず曖昧で思わせぶりな関係性を細く長く続けていたが。
ここからは組を抜けた姫野と、何もかも捨てた城田のロードムービー的な展開へ。
逃避行というには半バカンス、ハネムーンというにはどこか血の臭いのする二人旅。
「観念」。それが2人の愛言葉。
読んでみると、ヤクザよりも教師の城田の方が色々ブッ飛んでんのよね。
で、姫野を城田流に溺愛してます。
「花嫁によろしく」
元カレの結婚式でアレコレ暴露しつつ笑ってたら、すぐ後ろに新婦の父親が。
披露宴後その父親に呼び止められ、話を聞かせろと。
ムカついていたはずなのに、怒っているその父親の前で色々擁護してしまう。
ノンケに去られたゲイの悲哀話か?と思いきやの。
まさかのこのお父様とくっつくのか〜⁉︎という超展開。
「超」と書いたけど、西田ヒガシマジックだと「こういうこともあるかも…」と思えてくる。
情と心あるところに愛情や恋心も生まれいずる、のか⁉︎
「天国も地獄も」は神作、「花嫁によろしく」は萌、総合「萌x2」で。
行間…
小説やメールなんかだと行間を読む、って話になるんですが、コミックスの場合はどういうんだろ。そっか、コマ間を読む?
そんな感じで、この作品(というより、この作者さんかも)は、ストーリーに書かれているセリフや絵だけじゃないところに物語があるような気がします。
だから、何度となく繰り返して読んでも面白く読める。
すごーく盛り上がるようなシーンじゃないけど、攻めの城田が、姫野を思い続けていた気持ち、踏み出さなかった気弱い部分、ヤクザになった姫野を否定しきれず、それでも倫理観も捨てきれない。
なんか、共感できるというかそんなに色々割り切れないよね、っていう世界での愛情が見え隠れするのに萌えました。
もう一つの作品は、元カレの義父と…て展開ですが、こちらも短いながら、ぉぉぉ、と思わせる内容。なんかなんとも言えない萌の世界です。
オヤジンスキーとしてはめちゃくちゃ嬉しいけど。
かっこいい二人だったなぁ……
余韻に浸ってしまう程に魅力的な攻め・城田と受け・姫野です。
教師の城田とヤクザの姫野は高校の同級生です。
学生の頃から危うかったのは、
どちらかというと城田だったのではないでしょうか?
昔から両片想いだったのでしょうね。
とにかく、なんとも言えない二人の関係性に萌えました。
姫野のためなら人殺しも厭わないような執着愛の城田。
城田のために足を洗って抱かれる姫野。
決して〝大好き〟だとか〝愛してる〟なんて言わないけど、
言葉にしなくても深い愛を感じる二人でした。
全てを捨てて共に生きる二人の、
愛の逃避行はまだまだ続きそうです……
同時収録作も秀逸!
最低の出会いと再会に幸あれ!!
メイン2人の関係性がある程度出来上がっているところから物語がスタートするので、最初は若干置いてきぼりにされているような感じもしましたが、そこは西田先生の技量で徐々にカバーされていました。ヤクザも絡むし、人殺しも絡む、とても殺伐とした要素が多々あるはずなのに、なぜか雰囲気はそこまで殺伐としていない。このギャップが西田先生独特の魅力でもあると思います。あらすじだけを切り取ればもっとひやひやしそうなのに、なぜか穏やかさや安心感さえ覚えてしまうんです。モブで終わりそうなお婆さんをキーパーソンにするのも、冴えてるなぁと思いました。
城田に囚われている姫野と、姫野のすべてを受け入れ包み込んでくれる城田。このバランスのとれた関係性も良かったですね。いつも突っ張っている姫野だけど、結局は心のどこかに城田には受け入れてもらえるという絶対的安心感があったんじゃないかな。ちゃんと甘えられる部分も持っているというか。分かりやすい一般的な可愛らしさはなくても、彼のそういうところが割と透けて見えて、だんだん可愛く見えてくるような受けでした。姫野が城田を置いて去ってしまう機会がまたあるかもしれない、けれど城田は何度でも先回りして姫野の前に現れるだろうなぁと思いました。
西田作品の特徴です。読んだ瞬間読み返したくなる。この作品も映画的でドラマチックで本当に良い。元同級生・教師ユウジとヤクザ姫ちゃんの愛の逃避行の物語です。前半ではユウジが生徒に信頼される本当に良い教師ぶりが描かれてるんだけど、その生活も職業も全て捨ててユウジは姫ちゃんに自分の一生を捧げるのです。
西田作品は両方攻めっぽく見えるのが多いですが、これははっきりしてます。姫ちゃんは受けです。リバは想像できない。もちろん女性っぽくはないし、髪がちょっと長い位だけど何とも言えない色気がある。濡れ場も他作品よりたくさんありますしね。西田さんの描くヤクザ受けは最高です。
ユウジの心境は宇多田ヒカルさんのprisoner of loveの歌詞みたいです。「退屈な毎日が急に輝きだした あなたが現れたあの日から」という部分。姫野もユウジを愛してるけどユウジは姫野という存在に囚われた人生。それはもう運命的に。
ユウジのセリフがいちいち男前で良いのです。オモチャみたいなネックレスをプレゼントして「外すと俺が可哀想だろ」と言う場面とか「死ぬ時は一緒だよ。姫ちゃん」とか…あれ彼は絶対本気で言ってるからね。姫野は人を殺しているし2人が長生きできるようには思えない。そこがまた物哀しい。
女性の登場人物も素晴らしくて、妊娠した女子生徒が姫野の危険性とそれに狂気的に惹かれてるユウジを本能的に察知して遠ざかる所とか、ユウジの強さも姫野の弱さもお見通しのハワイのおばあさんとか…女性は強いな、と思いました。
フェイスという本にユウジと姫ちゃんのその後が載ってるみたいなので早速購入しました。届くのが楽しみです。