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表題作友人と寝てはいけない

鮫島真尋,総合病院経営者の息子,32歳
美馬郁,製薬会社社長の息子,32歳

その他の収録作品

  • すべて恋のせいにして

あらすじ

恋愛なんてあり得ない、昔からの友人だから――共に社長子息で、抱かれるより抱く方が好きなバイ。共通点の多い美馬(みま)と鮫島(さめじま)は、高校時代から二十年近く、“一緒に酒を飲んでも旅行はしない”ドライな友人関係を続けてきた。けれど、経営が傾いた美馬の実家を鮫島が助けたことで関係が一変! 「礼の代わりにセックスしてみる?」鮫島の冗談を引き金に、友人の境界線を踏み越えてしまい…!? 

(出版社より)

作品情報

作品名
友人と寝てはいけない
著者
鳩村衣杏 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
共同戦線は甘くない!
発売日
ISBN
9784199006807
3.7

(51)

(13)

萌々

(18)

(15)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
11
得点
184
評価数
51
平均
3.7 / 5
神率
25.5%

レビュー投稿数11

ドライな友人関係

ドライな友人関係を続けてきた二人が、いざ近付いてみたらめちゃくちゃ好みだった、と言うような話でした(雑)。

肉体関係を持つようになる過程がイマイチで、そうはならんやろ〜! と思った。
あらすじだと鮫島(金髪)の方から持ちかけていますが、実際にグイグイ迫ったのは美馬(黒髪)の方です。
軽いノリで肉体関係になるかと思ったら、お互いに全く乗り気ではありませんでした。

二人ともバイでタチ専ですが、マウントバトルのような展開にはなりません。
セフレ関係の間はバニラセックスしかしませんが、その段階からどちらがネコになるのか分かりやすい。

当て馬に掻き回されて丸く納まったような展開でしたが、それが無くても恋人関係になりそうでした。

一人称視点の美馬の考え方が、ウジウジぐるぐる面倒臭い。
肉体関係を持ってからもある程度ドライで気楽に進むのかなと想像していたのですが、美馬が考えすぎてそんなことはありませんでした(笑)。
恋心を自覚してからの美馬は可愛かったです。
自分の嫉妬心を含めて恋愛を楽しんでるのかわいい。

一方の鮫島は何を考えているか分からないようで裏のない、そのままの男。
友人関係にセックスが増えただけ、と言う鮫島の考え方……仲良しな友人同士の恋愛感情のない肉体関係が個人的に大好物なので……いやこの話は恋愛感情も絡んで最終的に恋人関係になるのですが、良かったです。
結構好きなキャラでした。

付き合い始めてからの二人、結構キャラ変ってて笑いました。
ケンカップルっぽい雰囲気もあるかな……?

ラスト、付き合った後の小話で、食べ物を粗末にするエロ(食べてはいるけど)がありました。
食べ物無駄にするなー!! 一個七百八十円のジェラートをちんこに添えるなんて流石は金持ちやで……。
などと思ったのですが、言葉をケチる話は良かったです。長続きしそうなカップルでした。

期待していた内容とは違いましたが、これはこれで面白かったです。
表紙の絵もすき。

0

煮え切らない美馬

父親の会社の経営危機を乗り越える助力を友人の鮫島に依頼する美馬。
条件は、2か月間、鮫島の恋人になること。

美馬郁は、自分から提案を持ちかけて居ながら、煮え切らない。
最初から最後まで、どこまでが友人で、どこからが恋人か、一旦恋人になったら友人に戻れるか・・と、うじうじ うじうじ煮え切らない。
鮫島が、サジェスチョンしているのに、読み切っていない。
鮫島が大人思考でよかった。そうでなければ、二人はまとまらなかった。

可愛い顔をしたシビアな思考の持ち主、美馬のセフレの漢っぷりが魅力的。
美馬のセフレの「物足りない」とバッサリ切る一言がなければ、美馬はセフレに逃げ込んでいたかもしれない。

0

ちょっとしんどい……

タイトルが気になり読んでみた。寝ることで長年の友人関係が崩れていく過程を、期待通り見せてくれてとても良かった。恋の片鱗が見え始めても、適度なドライさを保っていたところも好み。鮫島のキャラも魅力的。

しんどいのは、視点主である美馬の心理描写。あとがきでは対等な関係にこだわるとあったが、そうしたポジティブなものでなく、上に立たれたくないというネガティブな思いが全面に出すぎていた。それが一人称でダイレクトに伝わってくるため、刺々しく感じ、読み進めるのがとてもしんどい。
表面上はドライに振る舞おうとしているが、内面はじめっと根暗な感じで、美馬の好感度が上がらない。家族との関係はストレスだし、わりとすぐイライラするし、ふいにぽろっとこぼす本音は引くほど女々しい。

作品の雰囲気がちょっと明るい方に変わるのも、鮫島がきっかけ。美馬はまだグチグチ言っていて、鮫島の趣味が心配になった。本当に美馬で良いの?と。

ラストはあけすけな告白で、逆に良かったと思う。そこに怪我に関する自責の念やらなにやらが混じってくると、一気に恋愛感情に説得力がなくなってしまう。
終わり方は可愛くてちょっと笑えて好き。

本編後のおまけ?は鮫島視点の小話。二人ともすっかり素直になったのか変わったのか……スパダリと嫉妬深い受けになってしまっていた。納まるべき場所に納まった感が出ていて良かったんじゃないかな。

0

恋は人を変える

タイトルとあらすじを読んで
「うっかり始まった友人とのモダモダ」が甘み成分たっぷりなお話だと思い込み。
想像以上に攻めはドライだし、受けは理屈っぽいし、
おや〜?おやや〜??と首を捻りながら読み進めてました。
"先入観で思い込み違ってガッカリ"を度々やらかす…。学習能力無し…。

中盤すぎるまで体が触れ合うことがあっても甘さはないです。
"友人とウッカリ"も、まぁ、ノリの延長っちゃー延長だけど…報酬といった形なのがモヤモヤ。
友人に借りを作りたくないと受けが意固地になって、対価として体を差し出すというのがなぁ。
50/50の関係でいたいのはわかるけど友人と物々交換するのも歪なような。
受け視線でお話が進むのですが、受けの理屈っぽさが受け付けませんでした(´×ω×`)

攻めはシンプルな人ですね。
ゴチャゴチャしたとこがなくて、裏表がなく、言葉も態度もストレート。
とてもさっぱりしてるのが良いのですが…甘々好きにはマイナスでもあった。。。
「ただの友人なんだから」が大前提の擬似セックスなので
前戯はいらない、終わった後に甘くなる必要もない、というドライさ(ノД`)・゜・。

でもこのドライ&理屈屋な2人の行いがあとあとに効いてきたのが面白い!
各々セフレと別れた後のシーンがあります。
ドライな性格の攻めのセフレは、スッパリ別れを切り出され逆上しストーカーへ。
理屈屋の性格の受けのセフレは、「物足りなかった」とアッサリ。
セフレからの言葉が、芽吹き始めた友人との恋に反映され、次第に甘い関係になるのに萌えます。
ドライだと思ってた攻めの涙にはびっくりしつつも胸がジンワリ。
思ってた以上に受けのことを大切に思ってたのが嬉しかったな。

前半、本当にこの状態で恋が始まるの⁉︎と不安だったのは杞憂でしたね!
始まってみれば、ヤキモチ焼きで可愛くて甘さが堪らんです(∩´///`∩)
恋をすると人は変わるもんですねぇ・・・。(ニヨニヨ)

1

寝てから始まる本当の恋

鳩村先生の作品はいわゆる「お仕事BL」が多く、私にとって心に残る言葉なども散りばめられていて大好きです。
しかし、本作はお仕事BLではありません。なんとなく雰囲気が違っていて、でもやっぱり凄く面白くて、新境地?などと感じていましたら、あとがきにて「攻めx攻め」におけるいつもと違うアプローチを目指した旨が明かされておりました。
裕福な家に生まれ、容姿にも恵まれ、男も女もいけるバイで、とほぼ重なる境遇の二人が主人公です。
美馬は父親に愛人がいたことがきっかけで、適当に距離を置いたセックスフレンドとしか付き合えない。そんな美馬が、援助の礼として付かず離れず楽しいことだけの浅い付き合いをしていた友人鮫島と寝る。寝るといっても受けることには抵抗があって「挿入なし」の条件で、です。
いざ、そんな「セックスもどき」をやってしまった後、鮫島との温度差に焦り、そんな自分に戸惑い、変化してしまいそうな鮫島との関係に怯えを感じる美馬。
読んでる私たちにはわかってる。それは「恋」。
鮫島のボランティア活動の話を聞いてから、恋を恐れて逃げていた美馬はそれまでと違って鮫島に向き合いはじめる。そこからの展開がまた…いいんです。
身体からの関係。愉しければ、気持ちよければそれで二人ともOKだろ、というような二人だったけど、快楽を共有して、なのに心の反応は食い違って、戸惑って、出た答えは身体からのメッセージ。つまり『互いを求めている』。
ラスト、美馬が受けになっての最後までのHシーン。『快感がなくても構わなかった』。こういう心境のHシーンはどこか新鮮でした。
セックスをゲームのように楽しんで、セフレもいて、そんな二人がただ愛を実感するためだけに、悦びがゴールではないまるで誓約のような行為をする…

「すべて恋のせいにして」
鮫島視点。アメリカで働く美馬に会いに行く鮫島。
一緒に出席した上司(CEO)とのパーティにて大人気の鮫島に嫉妬する美馬。嬉しがる鮫島。
鮫島視点のせいか美馬がなんとも受けくさい。実際はもっと対等っぽいと思うんだけど。
だからここが鳩村先生の巧みさなんだと思うんです。鮫島目線ゆえに美馬が可愛らしく感じられるのですから。
小山田あみさんの挿絵も本当に!素晴らしかったです!

3

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