表題作愛情生活

片喰
初鹿野

あらすじ

※18禁
片喰の誕生日が近い1月のある日、
初鹿野はメモの余白のあとに「券」と書いて渡します。
自分の誕生日にあまり良い思い出のない片喰ですが…。

作品情報

作品名
愛情生活
著者
一穂ミチ 
媒体
小説
サークル
MICHI HOUSE〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
シリーズ
街の灯ひとつ
発売日
5

(1)

(1)

萌々

(0)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

ほろ苦い思い出

ミチさんのレビューばかりしてしまい、
ちょっと私もストーカーじみているような気になってしまいますw
なんだかごめんなさいと謝らせていただきつつ…。

片喰は、人気漫画の連載を途中で終わらせてしまったにもかかわらず
いまだに多くのファンの方々から誕生日にプレゼントが届きます。
それを、とても申し訳なく思っているため、
自分の誕生日が近づくとブルーになってしまいます。
本当は自分の為につかってくれたお金を返して謝って、
忘れて下さいと言いたい…。

そんな時に思い出した、高校一年生の時の初鹿野の誕生日。
女の子が、偶然を装って初鹿野の好きなヨーグルト飲料をあげますが
その子の気持ちの流れが手に取るようにわかる片喰。
自分も初鹿野の事を好きだから。
初鹿野にしてみれば、ただのささいな好意としか受け取れなくても、
様々な不安と期待が入り混じって話しかけた、大きな勇気。
片喰には何も行動できないからこそ、また切なくなる…。

その初鹿野が自分の誕生日を祝う為、
メモ帳の○○券をくれます。
何でも叶えてくれると言いますが、片喰は悩みに悩みます。
(私ならエロい事しか浮かばなそう…)

誕生日の前日、雪の為初鹿野が思いがけずアパートへ来て、
積まれたプレゼント入りの段ボールの数々を見た事で、
ファンの方々への思いを伝えます。
初鹿野まで負担にさせていたと思われたくなかったのですが、正直に。

次の日の朝、片喰がまだ眠っている間に、
初鹿野は小さなケーキを買って来てくれるんですけど、
仲の良い二人は1本のフォークでお互いに食べさせ合うんですよ!!
最後は、アルミに残った生クリームを初鹿野がひとさし指ですくって、
片喰の口元に持っていきます。
この上なく丹念に舐めとると、甘皮がめくれていて歯でそれを切り離し
片喰は激しく興奮します。
そしてそのまま…。
あーまーいー!!!(もうジタバタしてしまう!)

で、片喰は○○券の○○に「来年もこの券をもらえる」と記入したのですw
らしすぎて笑ってしまいます!!
そして初鹿野も、自分の誕生日には○○券な、と宣言するわけです。
この続きが『オルタナ・ボーイフレンド』になります♪

最後は、卒業式後の回想。
廊下の窓から、雪の中を一人で帰っていく初鹿野を見送ります。
もう会えない絶望感でいっぱいになりながら、
初鹿野の足跡を同じようにたどると、眼鏡に雪が落ち、何も見えない。
涙すら出ず、悲しさだけが残ります。

でも、その時想像も出来なかった再会が訪れるんですから…。
つま先も冷たくしてしまったこの時の片喰に教えてあげたいです。

甘さと微笑ましさと、遠い日の切ない思い出。
この配分が絶妙!!!!!
だからもう私には「神」しかないんですw







6

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