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表題作お菓子の家~un petit nid~

阿木仁
38歳,元ヤクザでパン屋の店主
加瀬弘明
28歳,攻めに雇われるバイト

その他の収録作品

  • 甘猫

あらすじ

大事なものはひとつでいい
リストラされた加瀬は、強面なパン屋の店主・阿木に声を掛けられ、バイトをすることに。無愛想で人との付き合い方が分からない加瀬にとって、店の温かな雰囲気は馴染みがなく、戸惑うばかりだった。けれど火事に遭って阿木と同居することになり、彼の優しい手にどうしようもなく惹かれていく。優しくされればされるほど阿木に依存してしまい、溢れそうになる感情に加瀬は……。

(出版社より)

作品情報

作品名
お菓子の家~un petit nid~
著者
凪良ゆう 
イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
シリーズ
夜明けには優しいキスを
発売日
ISBN
9784829625385
4.3

(445)

(293)

萌々

(73)

(43)

中立

(14)

趣味じゃない

(22)

レビュー数
55
得点
1900
評価数
445
平均
4.3 / 5
神率
65.8%

レビュー投稿数55

素晴らしかった。あと「斜め上にネガティブ」受けに既視感もw

スピン元未読です。
いや、もう…良かったーーー。
「美しい彼」シリーズしか読んだことなかった凪良先生作品。やっぱりすごいんだ…。
切なくてシリアスだけど重苦しくもなく、読み始めたらすっかり夢中になりました。

世の中にうまく嵌まれなくて不器用で自分でも持て余している人生が切なくて、暗い目をした野良猫のような加瀬がパン屋を営む阿木に拾われ居場所を見つけていく物語。
元恋人を殴っていたという表現から始まるので恐々読み出しましたが、元DV男の主人公・加瀬の人物描写が深くて…彼の抱える苦悩や葛藤ジレンマがよく伝わってきました。

踏み込みすぎないさりげなさにホッとするような優しくて温かい阿木とパン屋とそこに集う人たち。
ゼロ百にしかできない極端な加瀬が阿木に懐く様子や、日々重くなる気持ち。不器用なりに気持ちのバランスを取ろうとしたり、引こうとする加瀬が段々と可愛く見えてきて。
そんな加瀬が堪らなくなって、どうにかしてやりたくなる阿木の気持ち。寛容で受け止めてくれる阿木の年上感が良かったです。

何より阿木の隣で眠ったり、お互いこれまでのことをポツポツと話したり、パン屋で一緒に働いたり、自分の居場所を見つけた加瀬を思うと何故だか涙腺が緩みそうになる。
とてもとても心に残る作品でした。すごい作家さんだなぁ…。

最後の阿木視点で見た加瀬が思いっきり「斜め上にネガティブ」で、平良を彷彿とさせましたw(平良のが強烈かなと思うけど)
とっても良かったので、他の凪良作品も読んでみたいと思います。

1

シリアス好きな方におすすめ

お盆恒例の積読消化!
プラチナ文庫が休刊になるというので、当時凪良先生のファンだった私は慌てて買えるだけのプラチナ文庫を書いまくり、所有できたことに満足してホッとして本棚に積み…そのうち作家様が本屋大賞作家となって…あれよあれよという間に何年か経ちw寝かせに寝かせ、やーーーーーっと読みました。おまたせ!

いや、、暗かった…。でもこういうの好きな読者だったはずなんだよな〜という自分の嗜好の変化を知る一方で、文芸で大活躍している作家様のテーマはこの頃からブレてないのだな〜というところに感心したりして…正直なところ令和のワタシの好みではなかったのです。。熟成させすぎました。本は買ったらすぐ読むべきですよねw

散々積読しといてアレなんですが、CPがはまらなかったです〜。
阿木とその幼馴染の武藤との関係性のほうが萌える!!っていうところですね。なにより加瀬に魅力を感じなかったんです。あとは、パン屋のバイトに採用されるところが”あれあれ?”な流れに見えたというのと、阿木→加瀬の気持ち(恋愛感情)の変化がちょっと読み取れなくて、ラブストーリーに没入できなかったかなというところです。

葛西リカコ先生のイラスト分、評価は★ひとつ盛ってます♪

0

自分の居場所。

「夜明けには優しいキスを」のスピンオフになるこちら。
DV攻め様だった弘明がこちらでは受け様となります。
攻め様は、街のパン屋さんのオーナーの阿木。

阿木のパン屋で働くことになった弘明ですが。
警戒心の塊で口下手で愛想なしの弘明に対して、気にすることなく接する阿木。
距離の取り方が上手い人だなぁ。
パン職人の知世も息子の里央もいい人たちで。
みんな何かしら抱えているけど、だからこそ優しくて、一生懸命生きてる人達で素敵でした。

最初は別れた恋人から貰ったシャツだけが心の拠り所、といった弘明が辛くて苦しかったです。
いや、DVは絶対ダメだけど。
それでも今作の、一人でシャツを抱える今作の弘明の姿は、葛西先生のイラストも相まって、寂しくて切ない。

阿木を好きになって、優しくされたら嬉しいけど、また失くしそうでこわい。
いつまでも安心できず、極端で不安定な弘明に、ハラハラしっぱなしでした。

私は攻め様の慟哭とか後悔とかが大好物なので、弘明が怪我を負った辺りからが、とても好き。
弘明が、里央を守れて嬉しいと思えたのも嬉しかった。
いつのまにか、ちゃんと自分の居場所ができていた弘明に、心からよかった、と思いました。

最後の阿木視点がまためっちゃよかったです(#^^#)
自分だけに懐く子猫ちゃんにメロメロなんですもの。
いいわ〜こんなお話、甘くて愉快でとっても好きです♡

イラストは葛西リカコ先生。
表紙の2人とクロから素敵で、どのイラストもイメージぴったりでした。

1

後半の盛り上がりが好き

凪良先生の作品がとても好きで、全部制覇したくてこちらも手に取りました。

序盤はするする読めるのですが、何となくイイと思えなくてこのまま終わるのか?と思っていたら、後半にググッと主人公の気持ちの熱量が高まるにつれ読んでるこちらも集中が高まってきました。
やはり恋心が高まって来ないと読者もハマりづらいですよね。

でも弘明の阿木への気持ちが、唐突に始まったような感じがしていつ、何処でそこまで好きになった?っていう違和感は少しありました。
弘明が0か100かみたいな性格だから、そういう描写になったのかもしれませんが。

1番良かったのは阿木目線の書き下ろしです。
目つきの悪い大型の野良猫を可愛いと思っている阿木こそが可愛くて萌えました。
相変わらずマイナス思考で暗い弘明でしたが、本編より健気になっててこちらも可愛かったです。

スピンオフという事にあとがきを読んで気づきましたが、元のお話未読でも全然大丈夫です。
弘明の元カレのお話も気になるので読みたいと思います。

1

少しずつほぐれていく

子供時代の経験により傷ついた、野良猫のような警戒心バリバリの受けの心が、新しいコミュニティで少しずつほぐれていく様にほっこり。不器用だったりネガティブだったりでこじれそうな展開にハラハラしたりもしつつ。
基本的な舞台がパン屋だったり、心優しい子供の存在があったり、攻めが割りとコミカルで包容力のある大人の男って感じだったので、全体的に優しく温かいお話だったなぁという印象。

2

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