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ちょっとこの人達の人物相関図どうなってんの?ってところあるけど、面白い作品でした。絵柄もBLっぽくない。
スリリングで闇深いところと汗臭い青春なところとのミックスが不思議な作品。
とにかく大人組がドクズで松浦くんが可哀想なのです。永田にロックオンされてエロい事を仕込まれて恋愛的な仲になるならいいけど、同意なく他の人連れてきて3Pとかハメ撮りしたりとか。
そんな行為がトラウマで離れたのに探し出されてハメ撮り動画を餌にまた会うことを強要されてさ。
これ、連絡先教えたのって牧先生って事よね?
どう言うつもりなん?マヂで。松浦くん真面目で牧先生を慕ってていい子やん。
本当のドロドロした自分の事知らずに慕いやがってって変な感情でって事???ちょっと理解できませんでした。
ただ、目隠しされた松浦くんを牧先生の目の前で永田が抱くシーンは可哀想過ぎて大変よかったです。(どないやねん)
という、松浦くんとドクズな大人のやり取りとは別な青春もあります。
松浦くんの事が気になって剣道始めちゃったとってもいい子な浜辺くんと浜辺くんの幼馴染で昔は自分の真似っこしてくっついてきてた浜辺くんが松浦くんに夢中な事が寂しい真澄くん。恋愛感情ではないけど取られたみたいでモヤモヤする気持ちあるある。
牧先生のクズいところ知ってもなお好きな気持ちを持ち続けてる松浦くんと牧先生最後くっついてそうですが、永田は諦めてくれます?この先の事は描かれていますか?
シーモアで購入
白抜き修正
こういうダークな雰囲気の物語は大好物なので、途中までどんな結末が待っているんだろうとワクワクしながら読み進めていました。結論からいうと、あと一歩だったかなという感じ。ぼかされてしまった部分がちょっと多かったかなと。あえてはっきり描かないことは読者に想像の余地を与えてくれますから、けっして嫌いなわけではないんですが、私はこの作品ではもう少し掘り下げて欲しかったかなと感じてしまいました(のちに続編の『ひらひらおちる』を読んで、多少は解消されました)。
教師としてあるまじき存在の牧。現実にいたら糾弾すべき人間なのだけど、教師は聖人なんかじゃないという当たり前の事実を体現していて、非常に興味をそそられるキャラでした。昔の苦い経験もあって、彼は誰かに想いを返すことを極端に遠ざけている。最後の最後に松浦に想いを返してくれたように見えましたが、なんとなく一筋縄ではいかなそうな雰囲気もありましたよね。彼と永田がなぜ繋がっているのか、永田は今後松浦に近づくことはないのかもはっきりせず、手放しで喜べない結末がなんとも言えない余韻を残してくれました。唯一の良心である、浜部と武田が登場するシーンは爽やかでしたね。この2人の誠実さと絆が一番青春らしかったかもしれません。
なかなかに読み応えのあるシリアスものでした。
だいぶ積ん読してたので、もっと早く読めばよかった。
剣道部の松浦と、顧問の牧。松浦は強いが、前の道場で因縁があったもよう。
一方牧はやさしくて強い指導者。数学の先生でもある。そんな牧に、憧れを経て恋心を抱く松浦。
だんだんと過去や、関係が明らかになってくる描き方がいい。
前の道場の先生であった永田と関係があり、写真をネタに今もゆすられて時々呼び出され、色々されてしまう松浦。
しかし、ある日目隠しをされ、松浦に犯されようとしているところへ、牧が現れ、松浦は先生ではないかと気づく。
後日松浦は、先生の家を訪ね、やっと自分の気持ちを伝える。そして牧も優しく彼を受け入れる。そんなラストでした。しかしこれは描き下ろしで、これがあることでだいぶ甘くなっていますが、その前の「Flutter of Butterflies」までだと、牧はまだ少し倒錯した大人のままで、むしろその方がリアルなのかもしれない。
最初はかっちりした印象だった牧が、だんだん色気のある男性として描かれているのもうまい(後書きで解説あり)。
そんななか、松浦のクラスメイト、浜辺と真澄がどこまでもいい子たちで救われます。
年の差、先生×生徒の設定が好みではないので最初は趣味じゃないなあ、と思いながら読んでいました。ところがFlutter of Butterflies 3話以降、松浦の境遇や牧の本性が明らかになり、ストーリーに引き込まれていきました。
作品全体を一貫するほの暗さに対して、浜部の一見場違いなアホっぽさ、そして随所で常識人ぶりを発揮していいとこを持っていく真澄。非常にうまくバランスが取れているので「重い作品を読んでいる」感をしっかり感じながらも高校生達の日常が垣間見えて心が押しつぶされそうになる辛さはなかったです。
最後は「ここで終わり!?」というところで物語は終わりますが、一応お互いの気持ちが通じたようなので個人的には納得できる終わり方でした。ほとんど何も解決していないけれど、下手にハッピーエンドに持っていくよりもよっぽど綺麗でリアリティのある結末だな、と。ここで終わりでも構わないのですが、続編があるとのことなので読んでみようと思います。
中立評価にしようか迷いましたが、作品の暗さが好きなのと真澄に萌えたのでこの評価に。真澄のキャラデザがどストライクでした。松浦に耳打ちするシーン、大好きです。
『日陰蝶』には『ひらひらおちる』という続編があり、併せて読まないと不完全燃焼で終わってしまいます。トーンはシリアス目で重たく感じる場面もありますが、全体を通して読むと作家さまの同性愛への深い洞察と、登場人物それぞれの巧みな心理描写に唸らされることしきりでした。
舞台は高校の弱小剣道部。強豪校から転入して来た松浦に、顧問の牧が目を掛ける所から物語は始まる。松浦は牧に師として、また男としての憧れを抱いており、その様子に牧も心動かされていく。松浦には彼を慕うクラスメイトの浜部がいるのだけれど、続編で彼がなかなかのキーパーソンぶりを発揮します。
今作では松浦の抱える秘密と牧の抱える秘密が実はリンクしていることが描かれているのですが、情報が足りず、特に牧の行動がよく見えてきません。『ひらひらおちる』のあとがきによると、この続きを読みたいという要望があり続編が実現したそうですが、描いてくださって本当に良かったです。もし続編がなかったらこの作品の良さがわからなかったと思います。
同性愛の入り口にまず、対象への憧れがある。先生と生徒、先輩と後輩、または男同士の友情を描きながら、男の世界の裏側を垣間見せてくれます。絵柄にもうちょっと安定感があればと思わないこともないけれど、作家さまの描く人物の身体が男らしく性描写にも萌えました。是非、続編も手に取っていただきたいです。