泰ぴか
『伯爵様シリーズ』の本編を踏まえてですが、なんか同人誌の番外編がむちゃくちゃ面白いんですけど。なんで商業誌で出版されなかったのいかと思う程。
総集編3はドロドロシリアスです。舞台はイギリスで、人間と吸血鬼の間にまれに生まれてしまう怪物、吸血鬼の天敵・デュミデュームとクレイブン家を含む吸血鬼たちの戦いのお話です。
こちらのお話ではエディが瀕死の重傷を負ってしまい明は連れさわられ、2人とも窮地に追い込まれます。
クレイブン家の始祖に近い先祖、メーヴィスも甦って、本格適にシリアスです。
生まれたらすぐ殺さなければならなりデュミデュームを憎しみのあまり、胸に杭を埋め込んだ状態で生き埋めにしてしまったエディのおじいちゃんのミスで生きながらえてたデュミデュームなんですが、デュミデュームは外見こそエディ達に似ているのですが、生まれながらの本能で吸血鬼を殺すことを定められた生き物です。
明を監禁しているときも明のために子供を攫って殺しては血をのませようとするのですが
明はこばみます。
死人がでる程シリアスなんですがデュミデュームもなんだか可哀相なんですよね・・・
吸血鬼の出来損ないというだけで自分は途方もない時間を1人で生きて行かなければならず
父と母も殺され、自分と一緒に歳をとらずに生きていける明が欲しかっただけなんですが・・・
エディのおじいちゃんが自分を殺してさえいてくれれば、こんなにも自分は苦しまなかったと
憎しみをつのらせるんですよ・・・自分の生まれた意味がわからない・・・
自分はひとりぼっちで。自分を愛してくれる誰かが欲しいと。
ああ、なんて深いんだ!まさかイチャラブの伯爵様シリーズでここまで真剣に考えさせられるとは!
もちろんイチャイチャは満載なんですが。伯爵様シリーズがお好きな方は是非読んで欲しいです。
「伯爵様シリーズ」の番外編です。ほんと、同人誌なのがもったいないぐらいストーリーが面白くて、何度も読み返している作品です。
無敵だと思っていた吸血鬼に天敵が現れます。それが、吸血鬼と人間の間に生まれたディミデュームです。今回、何百年も前に殺されたと思っていたディミデュームのハイラムが明やエディの前に現れて、吸血鬼vsディミデュームの戦いが始まるのです。
エディの明への想いや明のエディへの愛に、切なくて涙が出ます。そして、望まれて生まれてこなかったディミデュームにも。肉親にさえ愛されなかったハイラムの「なぜ俺は生まれた!」の最後の叫びが胸に痛かったです。
もちろん明とエディのラブラブもあるのですが、今回はハイラムの可哀想な生い立ちに、明と一緒に「今度生まれてくるときは、人間か吸血鬼になれるといいな。中途半端は嫌だよな」と切ない想いで胸がいっぱいになりました。自信を持っておススメできる1冊です。