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表題作王様に捧げる千夜一夜

ラシード・アッワル・カル・マハヤーディ
マハヤーディ王国国王,39歳
アーシェ・カル・クリシャリア
後宮で働く天涯孤独の少年

その他の収録作品

  • 愛妾の贈り物(書き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

ラシード王の後宮で下働きをしているアーシェ。
あるとき王の気まぐれで閨に呼ばれ、得意の物語で場を切り抜けて以来、すっかり王のお気に入りとなる。
治世は安泰ながら早急に世継ぎを儲けることを期待されていたラシードにとって、素直で物怖じしないアーシェの存在は癒しだった。天涯孤独のアーシェもまた王の真心に触れ惹かれていく。
やがてラシードはアーシェを愛妾に望み、アーシェもそれを受け入れるが……?

作品情報

作品名
王様に捧げる千夜一夜
著者
安西リカ 
イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525650
4.1

(98)

(44)

萌々

(39)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
19
得点
403
評価数
98
平均
4.1 / 5
神率
44.9%

レビュー投稿数19

大好きなお話

雑誌に掲載された時も面白くて凄く記憶に残っていたので、書き下ろしを含めて1冊になったのが凄く嬉しかったです。

記憶に残ってたシーンはアーシェがラシードの愛妾になってから、隣国に捕らえられていたシーンなんですよね。なので、その時にアーシェを逃してくれた人々との再会が書き下ろしに書かれていたので、綺麗な形で完結したと思いました。

このお話の好きな点はアーシェが見目麗しい佳人という事もなく、ごくごく普通の容姿だという点です。なので最初はラシードも記憶に無いくらいスルーするような存在でした。そんなアーシェがラシードの愛妾になるまでのお話が機知に富んでいて面白いのです。

ラシードには子どもがいないので多くの寵姫を後宮に抱えていますが、第一寵姫のマアディン始めラシードを敬愛していて彼の幸福を願っている事に好感さえ持ちました。なのでアーシェに意地悪したり排除しようとする存在が皆無なのです。個人的にマアディンが凄く素敵な女性でした。

アーシェの前向きで朗らかなところが、王位に着いてからずっと突っ走って来て疲れ果てていたラシードの心を慰める事になるんです。アーシェの心が追い付くまでラシードは手を出さないので、じっくりとお話が進む点も凄く良かったです。

11

まさに溺愛アラビアンロマンス♡

雑誌掲載時より大好きなお話で、文庫になるのを楽しみに待っていた1冊\( ´ω` )/


名君ラシード王が統べるマハヤーディ王国。
受け様は、王宮の厨房で下働きとして働いているアーシェ。
攻め様はもちろん王様のラシード。

ラシードの側付きのナーイムの補佐となり、ラシードの後宮で働く事になったアーシェ。
くるくるとよく働き、面白い物語を語るアーシェを寵姫達も可愛がってくれる日々。
ある日、1人寝がしたいラシードの気まぐれで寝所に呼ばれ、アーシェは得意の物語を語り、ラシードを安眠へと誘う。
すっかりアーシェを気に入り、毎夜物語を楽しむラシード。
遂にはアーシェを寵姫に召し上げるのですけど。
閨のことなど、何一つ知らないアーシェに、それはそれは大事にゆっくり、気持ちいいことを教えていくラシード(≧∇≦)

アーシェが敵国に拐われた時はドキドキしましたけど、アーシェは物語を武器にラシードの元へ。
ラシードの元へ帰るんだ、という希望を捨てないアーシェの気持ちにきゅんでした。
もちろん、無事にアーシェを取り戻す為に動いているラシードにもきゅんですよ(*´∀`*)


書き下ろしはもちろん、大好きな攻め様視点。
ラシードの溺愛ぶりににやにやです。
アーシェもラシードの事を敬愛していて大好きってダダ漏れで、とても幸せな気持ちにさせてもらえました٩(*˙˘˙* )۶

10

大満足の一冊

良いお話でした!
ハラハラドキドキでページをめくるのが止まりません。

ラシードの溺愛に、アーシェの愛らしさに、もう応援するしかないでしょ!

誰も幸せになれなかった後宮。王様も大変ですね。一人で休むこともできなくて、世継ぎ世継ぎとせっつかれ多くの人達を悩まることになって…。

アーシェがくるくる働いて、明るく前向きで素直でとにかく可愛いです。
どんなときも物語を語って切り抜けて。
アーシェにとっても辛いことを忘れられる手段なんですね。

もうダメか?な場面でもアーシェの機転で…。人に力と勇気を出させすごいですね。

アーシェが読み書きや礼儀作法を身につける意味も大変良かったです。そうだよね、そのほうが世界が広まって出来ることが増えて自信に繋がって、気後れや卑屈さから前に進めるもんね!

は〜、良い一冊でした。

10

アーシェの千夜一夜物語

安西先生のファンタジーが凄く好きで、必ず購読してます。
今回も電子版。

ササン朝ペルシャの王に、毎夜、妻が物語を語る「千夜一夜物語」が土台。
この物語だと、王様に毎晩物語るのは、少年アーシェ。

子供ができない事が重いストレスになって、熟睡できなくなった王様。
後宮で、王様が一人寝をしたくて、悪戯心から伽に呼んだのは、アーシェ。

アーシェは、創作物語りが上手、
面白い?話を聞いているうちに王様は寝落ちして、物語の夢まで見て熟睡。
アーシェの物語で、安眠出来るようになり、段々顔色が良くなっていく王様は、
アーシェを毎晩呼び続ける・・

王の愛妾になり、故郷を視察、ラシード襲撃があり、アーシェの拉致。
色々在って、面白かった。

4

疲れた心に沁みる!大人の為のお伽話

心温まる優しいお話で何度も読み返す為に紙書籍で買い直したほど、大好きな一冊となりました。

初めは揶揄うつもりが、受けにどっぷり嵌る溺愛展開が堪らん!終始キュンキュンしながら楽しめました♡

明るく働き者のアーシェ(受)が兎に角、可愛い!
明るい・天然・無邪気!ですが、賢く機転が効き、自分の得意分野で危機を乗り越えようとする逞しい性格の持ち主で、見ていて気持ちの良いキャラクターでした。

一方、王の重責や世継ぎを儲ける事への周囲の期待に疲れ果てていた、若き賢王・ラシード(攻)。
気まぐれ&揶揄い半分でアーシェを閨に呼んだ筈が、アーシェの紡ぐ物語にどっぷり嵌り、癒されていく様子が微笑ましくて、ほっこりします。

中でも、アーシェと楽しく過ごしたいのに他の寵姫の元へ行くよう促されて拗ねるラシード様や、かと思えば、畏まった態度のアーシェに戸惑い「どうすればいつものアーシェに戻る?」とオロオロするラシード様など…。
かっこ良さの中に可愛いさがチラ見えして、アーシェの事となると"残念なスパダリ"になってしまうギャップが最高

また、登場人物に嫌なキャラが居らず、ノンストレスで楽しめました。
特に側近のナーイムがお気に入りです!
ラシードの無茶振りや、アーシェの天然&無邪気さに振り回されつつ、何だかんだ2人を暖かく見守る様子に思わずにっこり。

敵国の襲撃やアーシェ人質事件もありますが、基本的に穏やかな雰囲気で、そこまでハラハラ展開はありません。
ラシードとアーシェの関係にほっこり癒されて、疲れた心にじんわりと沁みる、大人の為のお伽話でした。

4

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